ギターでアドリブするための、指板の構造とコード理論の学び- HKGuitar
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2−5−1などのコード進行とキーチェンジを簡単に一箇所で弾く - EADGCサイクル

5/17/2017

6 コメント

 
2−5−1などのコード進行は指板を垂直に見れば簡単に覚えられます。

平行移動で覚えた人はアドリブで行き詰まります。

ジャズスタンダードのコード進行の大半は、4度進行のミックスです。

4度進行はギターのデザインと完全一致します。

指板を垂直に見れば、簡単に覚える事ができ、アドリブに活かせるのです。

(注意)ダイアトニックコードと4種の7thコードのマスターが前提です。フォームを押さえられるだけで、理解していない人は多いです。下のパターン練習はシンプルで役に立ちますが、理解が不足していると応用を利かせられません。EADGCサイクルとサークルオブ5thsをよく理解した人がこの先の実践に準備できていると言えます。


コード進行の高速道路ともいうべき4度進行

コード進行はよく使われるパターンがあります。

4度進行は、全国を行き巡る高速道路のようなものです。

指板に垂直に進めばいいだけで、ポジション移動は不要だからです。

これをしっかり身につけておけば、それ以外の、特別で、頻度の低いものだけに注力すれば良いとなります。


多くの場合、平行移動し全体像が見えない状態で弾いています。

複雑な県道や国道のルートを探しながら走るようなもので…

​全体像が見えず、キーチェンジにも上手く対応できません。


EADGCサイクルならインターチェンジで、すいすい別の高速に乗り換えができます。


今回、いくつかの主要パターンを、1ポジションで弾くためのチャートを用意しました。

これにより、アドリブでコードトーンを見つけやすくなります。

またバッキングでもポジション移動せずに弾けるので、早いチェンジに対応できます。


よく、全てのキーで、全てのキーチェンジに対応できるようにしましょう。

と言いいますが、そこまでやる必要はありません。

全てのキーも指板全域も、5パターンのミックスに過ぎないからです。

そこがギターの美しいところです。



どのコード進行表、コードパターン表、コード進行理論よりギターの指板は優れている
​

まさしくその通りです。

どのコード進行表、コードパターン表、コード進行理論よりもギターの指板は優れています。

なぜならギターの構造を知るだけで、それらを見ずともマスターできてしまうからです。

​
と言ってもわからない人も多いと思います。

それで、執拗にコード進行チャートを繰り返し紹介します。

これだけしつこくパターンを見れば、ギターの指板の美しさが分かってもらえるでしょう。

ギターはピアノより、ずっと理論的で美しいデザインなのです。


2−5−1EADGCサイクル hitoshikawai.com
(注意)各フォームのルートをスケール運指に併せて下さい。

​フレット数は敢えて表示していません。


全2−5−1に一箇所で対応できる
​

EADGCサイクルで2−5−1を弾きます。

この時に、キーチェンジも併せて練習します。

上図のThe Patternsには、(簡単な半音上下とトライトーンを除く)キーチェンジ例が載せてあります。

単純にサイクルの順番を組み替えただけのものです。

ところが、これが全てのキーチェンジに対応します。


​さらっと書いてありますが、この情報はかなり貴重です。

あのGiant stepsですら、The Patternsの左右一番下のb6と3に過ぎないからです。


2−5だけでもやるべし

2−5−1以外に、2−5だけでも練習しましょう。

1に解決せず、2−5の連続によるキーチェンジはよくあります。

ここがメジャースケールでは対応できないハードルです。


なぜなら無意識的にトニックから想起するフレーズとなるからです。

コードトーンに慣れたら、スケールからでもコード進行を描けるようになりますが…

まずはコードトーンをマークできるようにする為に、コード自体をよく弾いて、響きをよく聴きましょう。
​
コード進行1625


1−6−2−5(2−5−1−6)
​

リズムチェンジ(1625を指す)も必須です。

これは、単純に2−5−1に6を足したものです。

ダイアトニックは6マイナーですが、ドミナントとする事が多いです。


ジャズブルースにもこれは7小節目から挿入されています。

つまりそれほど重要なパターンです。


また、2−5−1の後に6ドミナントのパターンも頻度が高いです。

これらは循環(つまりサイクル)と呼ばれ、ループ(輪)です。


偉大なのは単純な繰り返し
​

際限なく繰り返し、練習しましょう。

最初は純粋にこのフォームで弾くだけで構いません。

死ぬほどやるうちに、自然に次の一手が聞こえてくるはずです。


同じことを嫌という程繰り返せば、違うものを聞きたくなります。

それが別のフォームだったり、経過音、アプローチノートだったりするでしょう。

または、ウォーキングベースラインだったりします。

そしてコード進行を表現するシングルラインへと、自然に姿を変えます。


コード進行をただ単純に弾く、から全てが繋がるので自分のやっている事が納得いくでしょう。


最初つまらないのは当たり前です。

しかし同じ事を死ぬほどやれば、超機械的であってもリズムがよければ気持ちよく聞こえてくるでしょう。

単純作業の繰り返しは、他の要素にも気を配る余裕が出てくるのです。


素朴な1パターンをカッコよく鳴らせるように、というテーマで取り組んだら大きなリターンとなります。

​簡単すぎてバカにしてきたものの一つ一つに磨きをかけると、これまでとは違ったものが見えてくるでしょう。


​単純な日々の繰り返しに幸せを見い出せなければ、何をやっても幸せにないのと同じような気がします。
基本的なコード進行3625(循環)


3−6–2−5(2−5−3−6)
​

これは1625のトニックを3に差し替えたものです。

1が3に変わる事で完全に終始感はなくなりました。

それにより、まさにループとなります。

キースジャレットのようにこれを死ぬほど繰り返しましょう。

​
マイナー2−5−1


マイナーの2−5−1

マイナーでは2がハーフディミニッシュドになります。

上記の3625の362と気づけば、落ち着いて対処できるでしょう。

ただし、聞いた感じは全く変わります。

これはこれとしてしっかり練習が必要です。

基本的なコード進行マイナー1625


マイナーの1−6−2−5
​

マイナー2−5−1に6を追加するわけですが、トリッキーです。

普通ならb6と考えるでしょう。

ところがそこを敢えてナチュラル6とします。

しかもハーフディミニッシュドです。


つまり2と6、ハーフディミニッシュドが連続します。

ジャズスタンダードに馴染みのない人は、最初戸惑うでしょう。


しかしこのパターンは頻度が非常に高く、深く染み込ませる必要があります。

​
基本的なコード進行 リズムチェンジのブリッジ部分


リズムチェンジのブリッジ部分
​

1625のリズムチェンジの曲では、ブリッジが3−6−2−5の4つが全部ドミナントとなります。

ドミナントは落とし所がなく、不安定です。

それがひたすら続くので、この部分を嫌う人は結構いるようです。

並行移動していた頃は、アイデアが繋がらないものの代表格でした。


でも、これこそ垂直にコードトーンを捉えるのが簡単なんですね。
​
​


全て一貫した4度進行に過ぎない
​

ここまで執拗にやると、ジャズスタンダードにある基本的なコード進行は単なるサイクルに過ぎない事が身にしみるでしょう。

空手の型のように、ただひたすらコード進行を弾き、耳と指に刷り込みましょう。

デフォルト(図のよう)で構いません。

死ぬほどやりましょう。


上記したように、いずれ別の音が欲しくなるでしょう。

別のフォームに差し替える余裕も出てくるでしょう

経過音、アプローチノート(コード)を差し込むようになるでしょう。

ウォーキングベースも絡めたり、それこそコードだけで十分楽しめるようになると思います。


​さらに…

​


代理コードを挿入する
​

トライトーン代理コードを挿入する事も、このようにしっかりとした土台があってやりやすくなります。

難しい事をトライするのはいいのですが、土台が弱すぎるので手に負えなくなってしまうのです。


一旦こういうものは封印して、基礎的なコード進行の感覚を養いましょう。


トライトーンが出てきたついでに、最後は質問したいと思います。


#4−7−3−6−2−5
​

これはステラ バイ スターライトをはじめ、多くのジャズスタンダードにあるものです。

​トニックから始まる曲のイントロでもよく使われ、マスターしたいものの一つです。


ここまでやれば、どうやって弾くか分かりますよね?

​


コード軽視がアドリブを難解にした
​

これは僕自身の経験ですが…

​コードをよく知らない事が、アドリブを難しくしました。


アドリブにはコードトーンの把握が不可欠です。

でも、いくつかの基本フォームのコードトーンに言及して終わります。

5つの基本フォームを掘り下げる事もせずに、すぐに結果を求めてアルペジオを練習します。


そもそも指板のデザインを知らなかったのがダメでした。


また、コード進行にしても同じです。

スタンダードを分析すれば、大半が4度進行の組み合わせだと分かります。

​ということは、その主要パターンを戦略的にマスターする事が最優先でした。


ギターはこれらそのものであり、それらを弾きやすく設計されている事が分かりませんでした。


これは僕自身の反省です。

このような全体図を教えてくれる人もいませんでした。

ようやくここに至り、感謝です。
​


初心者は、とにかくシンプルに

最近、ブログのメーリングリストに初心者の方々が登録して下さるようになりました。

これは僕には正直驚きです。


相当ギターをやってきて、基礎を掘り下げなければどうにも進めない、という方へ向けて情報発信してきたつもりだからです。

なぜなら、僕のコンテンツは初心者にとって全然セクシーじゃないからです。


こんなオタクなトピックに真剣に取り組むのは、初心者には不可能だと思っていました。


初心者の方はシンプルに図の通りに、繰り返し練習しましょう。

​同時に、興味の湧くものにも是非トライして下さい。


それと音楽をよく聞いて、分析しながら楽しむ事が大切です。

いかに大部分が基本とコネクトするかを分析しながらやるといいです。f
6 コメント
よねぴーや
4/27/2021 05:40:01 am

eadgcサイクルとサークルオブフィフスを学んでからこの記事を読むと、そうだ2-5-1なんて正にeadgcの恩恵を受けられるじゃないか!とすんなり飲み込めました。素晴らしい記事をありがとうございます。
私の理解不足で恐縮なのですが、The Patternsの数字はどういうことなのか分からず、キーチェンジとのことですが数字が何を表しているのかがわかりません…

返信
ひとし
4/27/2021 11:57:48 am

よねぴーやさん、コメントありがとうございます。

パターンズの数字が示すのは、サイクルのスキップです。
最初の12345は4度サイクルで、次は一つ飛ばしのパターンとなります。
それは♭7のサイクルとなります。
次は2つ飛ばしのパターンで、それは♭3のサイクルとなります。

逆サイクルだと、5度、2度、6度、3度となります。

これをすると、部分転調がある時に把握しやすいです。
また4度進行以外のコードチェンジがある時に、見つけやすくなります。
他にもディミニッシュドスケールのコード分解、トライアドのペアなどにも活用できるので、少しずつゆっくり馴染ませるといいと思います。

返信
よねぴーや
4/29/2021 06:07:30 am

なるほど、EADGCの考えをもとにこのコードチェンジは何度進行か?ということが把握できるということですね。

ひとし
4/29/2021 12:21:09 pm

そうです。
サイクルも工夫を凝らすと、色んな活用法が見つかります。
キーチェンジだけでなく、アウトフレーズのアイデアにも最高ですよ!

よねぴーや
4/15/2022 10:33:58 am

久しぶりに見に来たらなんだかブログの様子が変わったと言うか…どこにどの記事があったのか分かりづらくなりましたね。この記事は有用だと思いブックマークしていたのですがブログのHOMEからはこの記事にたどり着けないようですし

返信
ひとし
6/25/2022 03:02:39 pm

コメントがすごく遅くなってしまい、すみません(汗)
色々と改善しようと、時々いじったりしているうちに、前とは全然違うものとなってしまいました。
読者の方のフォーカスをナビゲートすべく、選択したつもりでしたが、し忘れたものもあるかもです。

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