ギターでアドリブするための、指板の構造とコード理論の学び- HKGuitar
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スケールを学んだ後は何をしたらいいのか?コードに戻るべし

8/14/2017

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CAGEDシステムでスケールを学びアドリブを楽しむ、でもしばらくして行き詰まるでしょう。

スケールで作るフレーズはハーモニックな要素が乏しいです。

結局は基礎的なコードとコード進行を指板で理解し、指と耳に仕込むに尽きます。

そしてギターはそれが簡単にできるようにデザインされているのです。

​EADGCサイクルを使って、よくある4度進行のパターンを以前の記事で紹介しました。

アルペジオを練習するだけでは実用性が乏しいと感じませんか?

​今回は、コードトーンを身につけるための、具体的な練習方法を紹介します。


飛躍的にコードトーンの把握が簡単になる - EADGCサイクル

指と耳に4度進行の型を繰り返しなじませる訓練(EADGCサイクル)をお勧めします。

最も基礎的なEADGCのサイクルはPractice roomで紹介しています。

まだ、という方は是非トライして見てください。

中にはやってみてすぐに、「あぁ、こんなもんかー」と終わった人もいるでしょう。

とにかく指板を垂直に動く、各弦をルートとするイメージが確立され、指が反応できる事が最初の段階です。


​色んな型をやってみる
​

以前の記事で、ダイアトニックコードを一箇所で把握するためのサイクルを紹介しました。

また、トライトーン上のダイアトニックコードも一緒に捉える事で、オルタードスケールのダイアトニックコードも弾ける(代理コードとして)事も紹介しました。

ギターは動き回らずとも、全ての音を一箇所で規則的に把握できるようにデザインされているのです。

これが分かると、色んな練習にミックスする事ができます。

ダイアトニックにとどまらず、部分転調の練習としても最適です。

2−5を始めとする、よくある4度進行パターンをキーチェンジを含めて練習する事ができます。

キーチェンジは、サイクルにスキップを入れるだけであらゆる度数に対応できます。

ここまでやれば、相当コードフォームと4度進行が馴染んだ事でしょう。


コードトーンを把握するための練習
​

ここからコードトーンを把握するための練習を紹介します。


  1. 簡単なベースラインをコードトーンで弾く
  2. スケールを適当に弾きながら、最後の音をコードで締めくくる事でコードトーンを身につける
  3. マイクロポジションに絞る事でコードトーンを把握する


1簡単なベースラインをコードトーンで弾く
​

コードトーンを把握できない原因の一つとして、フォームと関連付けていない事が挙げられます。

レッスンを通じてそれが分かりました。

いわゆる135のアルペジオ(スケールの一音飛ばし)もコードフォームと一緒に覚えるといいです。

簡単なウォーキングベース+コードで練習すると相乗効果が得られます。


多くの人がその弾き方ができるようになりたい、と感じているでしょう。

でも、完成形だけを求めるだけではもったいないです。

恩恵は他にもあるからです、例えば…


低音部のコードトーンを把握する
​

低音部はパワーコードの15だけしか頭に入っていない事があります。

多くの人はEAフォームしか弾かないので、3を含むGCフォームに慣れていません。

またはGCフォームを押さえられてもアドリブで弾くとなると、厳しいという人もいます。

薬指、小指からラインを始めるパターンを知ると、飛躍的に視野が広がります。


これができる人もいますが、ルートからしか弾けない事も多いです。

つまりインヴァージョンも含めて低音部のコードトーンを覚える事は、意外にもあまり語られません。

ウォーキングベースのラインを、コードトーンを覚える目的も兼ねて練習するといいです。

そもそもギタリストなのでベースラインはおまけ程度にしかできません。
​


ベーシストにはかなうはずもない
​

ジョーパスの弾くベースラインのパターンは、結構シンプルです。

またタックアンドレスもベーシストのラインにはかなわないので、ある程度の動きを与えられればいい、みたいな事を言っていた記憶があります。

彼以降、一人バンド系のギタリストが増えました。

でも僕が知らないだけ、というのもありますが、タックアンドレスのようにアドリブできる領域の人は少ないように思います。

「全部のパートを一斉に弾いている訳ではない、それは幻想だ。何ヶ月も練習して弾けるようになったところで、その通りにしか弾けない」

とジョーパスが言っていたように、コピーだけでは難しいと思います。

むしろ超シンプルな型も死ぬほどやるといいと思います。


それはコードやコード進行に基づいた型であって、いわゆるクロマティックの運動をやっても意味がありません。

​


​2枯葉のコード進行でスケールを適当に弾きながら、最後の音をコードで締めくくる
​

この練習は楽しいです。枯葉のコード進行に沿ってやりましょう。

ソロギターを始めるための簡単な練習とも言えます。

いきなりコードトーンだけに絞って弾くのは難しいので、スケールを単純に上下するだけでいいです。

ですからまずは2、3音の短いフレーズを作ってみましょう。

最後の音だけを目指すコードトーンで締めくくります。


​その際コードでじゃらんと弾きましょう。


これによりフレーズの最後の音がコードトーンになっていれば、間違えない感覚が得られます。

最初は難しいかもしれないので、1音適当にシングルノートを弾いて、次にコードを弾くだけでも構いません。
​


ルバート(テンポなし)でやる
​

フレーズとコードの関係を聞き取るための練習ですから、テンポは自由にしてください。

​メトロノームは邪魔です。

ゆっくり、やりたいようにやる、それがいいのです。

感情を込めながらやってみましょう。

​ダイナミクス、緩急織り交ぜてみましょう。


慣れてきたら、少しずつ音を増やしてみましょう。

そしてフレーズの長短を色々工夫してみましょう。


  • 長く弾いたら、次は短く
  • 短いパターンを繰り返し、リズミックな感じをつける
  • 時には2つのコードにまたがった長いフレーズを弾く

どうですか?

これだけでずっと遊べますね。

実にシンプルですが、それでも音楽的になる、という自信に繋がると思います。
​


なぜ枯葉なのか?
​

枯葉は4度進行でできています。

それはEADGCサイクルそのものです。

コード進行の基礎が詰まった枯葉を素材に練習すると、いい事づくめです。

EADGCサイクルで5通りの弾き方をマスターすれば、12のキー全てに対応でき、指板全域も網羅できる事がわかります。

所詮ギターは5通りに過ぎない、それを体験できるとかなり楽になります。

CAGEDのスケール運指とEADGCサイクルをひたすら練習するといいです。

僕はよく、ギターの弦はそれぞれ独立している、とか横の動きが大切だ、とかトップギタリストが口にする事を鵜呑みにしてトライしていました。

でもそういうのは、行き詰まったプロが新鮮な視点を求めた結果だと思います。

基礎的なコードやコード進行にまだ馴染めていないのに、そういうアドヴァイスを取り込んで遠回りしました。

その経験ももちろん役立ちますが、ギターのデザインの本質とはかけ離れています。

だから難解なコード進行の曲でなく、4度進行だけの枯葉を使って指板の仕組みも学ぶといいです。
​


3マイクロポジションでダイアトニックコードを弾く
​

マイクロポジションは僕が勝手にそう呼んでいるもので、6弦を3分割した極狭エリアです。

ドロップ2は連続する4本の弦で7thコード、つまり1357を全て押さえられます。

だからダイアトニックコードも4本の弦だけで弾けます。

  • 1〜4弦
  • 2〜5弦
  • 3〜6弦


このように極狭エリアに絞ると、必要な音は全て近くにあると知ることになります。

コードトーンと次の小節のコードトーンを挟み込むようにつなぐことができるようになります。

そうすると、機械的なアルペジオの連続でなく、普通のメロディぽくなります。

メロディの骨格という意味がよく分かると思います。


コードのヴォキャブラリーも増えますし、それがフレーズにもダイレクトに反映されます。

どういう事かというと…
​


機能で大別する意味がよく分かる
​

トニック、サブドミナント、ドミナント、というハーモニーの機能についてフォームを通じてよく理解できるようになります。

経験上、ダイアトニックコードの1と6や2と4がほぼ同じという事は知っているでしょう。

例えば、C6=Am7という理解もすでにあるかもしれません。

機能が同じというのは、つまりコードトーンのうち1、2音違うだけなんです。

マイクロポジションで弾いてみると、それがよく分かります。


2と4をすり替えてもあまり違和感もありませんし、好みで使い分けてもいいと判断できます。

5と7も同じです。

それが分かるとどうなるか?


横の動きがスムースになる
​

極狭エリアに絞る事で普通の7thコードだけでも横の動きをスムースにできます。

無意味に音を増やす必要はなく、選択できるようになる事が大切です。


スムースなヴォイスリーディングというのは、つまり4音の横の動きがそれぞれのラインになっている事です。

与えられた一つのコードを弾いていても、何か工夫はできないか?と思ったりしませんか?

その場合、単純にインヴァージョンを弾いたり、エクステンションを加えたりする事が多いかもしれません。

エクステンションを加えれば横の動きがスムースになるのは経験で知っているかもしれません。


マイクロポジションで弾くと、4音の動きにフォーカスできます。

​ただ、無理にダイアトニックコードを押し込むので、肉体上スムースでない部分もあります。

​


制限する事で選択肢が増える
​

機能で大別する視点は、エクステンションを加える事に似ていても選択肢が変わります。

大きく捉える事ができるようになると、フォームやポジションの自由度が増えます。

また同じ機能を持つコードへのヴォイスリーディングをスムースにする事で、違うコードを差し込むという遊びに繋がります。


どう言う事かというと…


​違う視点を持つ
​

例えば、キーがCでサブドミナントであるDm7からFmaj7を行き来するとしましょう。

Dm7=D F A C

Fmaj7=F A C E

違うのはDとEですね。


これらのコードを行き来する時に、経過コードとしてF7を挿入するとフレーズの選択肢が増えます。

単純にDからEへの経過音であるEbを足しただけです。

半音の動きのラインはエクステンションとして捉えても同じです。

でもエクステンションの1音でなく、コードとして捉えると自由度が増します。

リハモというと難しいイメージがあると思いますが、同じ機能内で動きをつけるという視点を持つとやりやすいです。


ドミナントの選択肢が増える

まずはドミナントである5と7の違いが1音だけである事を確認します。

例えばG7とBm7b5

G7   GBDF

Bm7b5  BDFA

同じ音なので互いに行き来できるのですが、G7の時にBm7b5を弾けばG9となります。

Bm7b5の時にG7を弾くと、Bm7#5的な響となります。

エクステンションを加えるという視点だとフォームに制限がありますが、このやり方だとあらゆるフォームが考えられるのが利点です。

そしてフォームから得られるフレーズの選択肢も当然比較になりません。


さらに応用として…


トライトーン代理も簡単になる
​

機能で大きく捉えて遊びを加えられるようになると、難しいとされるトライトーン代理コードも楽になります。

ドミナントの特徴はトライトーンを含む事です。
​​
G7でいうと、1357のうち37はトライトーンです。

Bm7b5は15がトライトーンです。


G7からみてトライトーンのコードはDb7です。

Db7はDbFAbCb(B)

ですからFとBが同じです。

そしてDbAbがそれぞれG7のGDと隣り合わせです。

​トライトーンの代理は単純にトライトーンである3と7度以外の音がそれぞれ半音で開いたり閉じたりするだけだと分かります。


​これにはめちゃくちゃ簡単な覚え方があります。

​それは…


トライトーン代理はインヴァージョンの組み合わせを覚えると楽
​

ヴォイシングの組み合わせを覚えると楽です。

15がそれぞれ開いたり閉じたり半音隣に移動するだけです。


ルートと2ndインヴァージョン

1stと3rdインヴァージョン



この組み合わせを覚えれば、トライトーンをキープして他の音を動かすだけです。

​これにより、スムースな横の動きが得られます。

以前の記事で詳しく説明していますので、是非読んでください。
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このようにグレーの部分が開いたり閉じたりするだけです。

​ドロップ2を本当に習得し、理論を指板で理解すれば、こんな応用に繋がるのです。
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