ギターでアドリブするための、指板の構造とコード理論の学び- HKGuitar
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サークルオブフィフス - 音楽理論の基礎 -ギターを使って超簡単に説明!指板はサークルオブフィフスの投影だった 

12/20/2016

4 コメント

 
ギターの指板は音楽理論の基礎である、サークルオブフィフスそのものです。サークルオブフィフスがなぜ5度の連結か?それを紐解くと、純粋な数字の組み合わせだと分かります。

そのパターンを知ると、コードトーンを把握する大きな助けになるので必須です。
​
​断片的な情報の点と点がつながる事を期待して書きました。

まずは下のスライドをご覧下さい…
Circle of 5 ths and guitar from Hitoshi Kawai


サークルオブフィフスはなぜ5度のサイクルなのか?

そもそもサークルオブフィフスの説明をする時に、なぜ5度の連結ありきで話を進めるのか?

僕は分かりませんでした。

ネットで探しても見つからなかった(知っている方はいるでしょうが)ので、自分なりの仮説を立ててみました。

どれもサークルオブフィフスの起源を知らず、ただ理論として教えているだけです。

​こんな感じのものばかりです。


それでは深みも何もなく、音楽理論として仕方なく勉強して終わってしまいます。


前回は円を眺めながら、トライトーンからその並びを割り出し「不協和音からの回避」という視点でキーの説明しました。

こちらの記事では#や♭の付き方がギターを使って超簡単に説明しています。


今回はさらに遡り、ハーモニーとか抜きで、数字の並びでサークルオブフィフスがどう仕組まれているか説明します。

とてもシンプルで、数字は神秘的です。

「なぜ?」と突き詰めていくと色々発見して驚きます。

​きっとギター工房の職人さんにとっては、「当然」の事実でしょうけど…

ギターは、本当にサークルオブフィフスそのものでした。



これまでも同じ事を何度も書きましたが、今回は理解していただけるでしょう。

全てを理解したなどとは僕も言えませんが、ギターのそもそものデザインを知るのに役だつと思います。

理論についてあまり知らない人も、ギター=サークルオブフィフスならば、サークルオブフィフスはとても重要だという事は覚えておいて下さいね。

今後それがどれほど実用的かという記事を書いていきます。
サークルオブフィフス-音楽理論の基礎 http://www.hitoshikawai.com/guitar/circle-of-5ths-and-guitar


1~12の数字を並べる
​

上図の通り1~12を横に並べます。

音とか関係なく、数字だけで考えましょう。
サークルオブフィフス-音楽理論の基礎の仕組み http://www.hitoshikawai.com/guitar/circle-of-5ths-and-guitar
サークルオブフィフスの仕組み


5等間隔で数字を並べていく
​

「なぜ5等間隔で?」と僕も思いましたが、直感的に5等間隔で並べてみました。

僕は数学に弱いので、もしこのルールについて知っていらっしゃる方がいましたら教えて下さい。

きっと何か呼び名があるんでしょうね。

サークルオブフィフスなのでテキトーに5でやってみようと…

するとどうでしょう、こんな変な並びになりました。
サークルオブフィフス-音楽理論の基礎はどうできているのか?http://www.hitoshikawai.com/guitar/circle-of-5ths-and-guitar
サークルオブフィフスの仕組み


クロマティックの12音
​

ここで一旦もとに戻って、12数字とは何かといいますとクロマティックスケールを意味します。

半音でつながる、半音の等間隔からなる12音の並びです。
サークルオブフィフス-音楽理論の基礎の仕組み http://www.hitoshikawai.com/guitar/circle-of-5ths-and-guitar
半音音階


数字を度数に変換する
​

数字のままだと分かりにくいので、度数(正しい表現でしょうか?)に変換して12の数字に半音と全音を区別が分かるようにします。
サークルオブフィフス-音楽理論の基礎を知る http://www.hitoshikawai.com/guitar/circle-of-5ths-and-guitar
半音と全音


5等間隔に並べ替える
​

度数に変換したものを、先に示したような5等間隔に並べ替えます。

これでお分かりでしょうか?
サークルオブフィフス-音楽理論の基礎を数字で解析 http://www.hitoshikawai.com/guitar/circle-of-5ths-and-guitar
サークルオブフィフスの仕組み


両端をつなげて円にすると…
​

もうお分かりかもしれませんが、こんな単純な話だったんです。

でも僕の知る限り、12を5等間隔で並び替えるからこうなると教えてくれる人はいませんでした。

​
サークルオブフィフス-音楽理論の基礎の仕組み http://www.hitoshikawai.com/guitar/circle-of-5ths-and-guitar
サークルオブフィフス


サークルオブフィフスはシンプル
​

僕はブログを書くために「何とか上手く説明できないものか?」とそれなりにリサーチします。

でも調べたものは、「まず5度の連結ありき」で話が進められます。

きっと誰かが詳しく説明してくれているのでしょうけど…


「なぜ5度に連結するのか?」というところに疑問がありました。

そこで僕は「音楽的に何か意味があるのだろう…」とトライトーンの不協和音から解読しようと試みました。

それはそれで5度の連結になる理由は見えました。
​

​前回の記事をアップした後、考え込んでしまいました。

「何かまだ隠されている、もっと規則的なものがあるんじゃないか?」


そして数字を並べてあれこれ試してみました。

「こんなに単純でいいんだろうか?」とテキトーにクロマティックスケールを5等間隔にしたものがこうなるのです。
サークルオブフィフス-音楽理論の基礎の仕組み http://www.hitoshikawai.com/guitar/circle-of-5ths-and-guitar
サークルオブフィフスとなる


5等間隔の数字の並びに過ぎないのに…
​

ここまで来ると、数字に何かの意味があるという気になってしまいます。

なぜ単純な数字の5等間隔が音楽理論の根幹となり得るのか?

僕は数学的な話は毛嫌いしてきましたが、今や数学は美しいという人の気持ちが分かる気がします。

しかしそれだけで終わりません…
​
ギターはサークルオブフィフス-音楽理論の基礎の投影
ギターはサークルオブフィフス-音楽理論の基礎の投影


ギター=サークルオブフィフス
​

なぜ、ギター=サークルオブフィフスなのか?

これまた超簡単過ぎる説明です。

カギはEADGCサイクルで書いたように、ギターを5本の弦で捉える事です。

​つまり、12の数字の並びを5つずつに切り離します。
ギターはサークルオブフィフスの投影  http://www.hitoshikawai.com/guitar/circle-of-5ths-and-guitar
ギターはサークルオブフィフス-音楽理論の基礎の投影


足りない部分は最初に戻って足す
​

下図のとおり、最後の足りない部分は最初に戻って足して行きます。

これをずっと続けていきます。


ギターはサークルオブフィフスの投影 http://www.hitoshikawai.com/guitar/circle-of-5ths-and-guitar
ギターはサークルオブフィフス-音楽理論の基礎の投影


積み重ねてみる
​

5つずつのグループを重ねて行きます。

​そうすると見えて来るものがありませんか?
ギターはサークルオブフィフスの投影 http://www.hitoshikawai.com/guitar/circle-of-5ths-and-guitar
ギターはサークルオブフィフス-音楽理論の基礎の投影


縦と横の関係
​

縦はクロマティックスケール、横はサークルオブフィフスとなります。

この積み重ねがずっと続きます。

数字に慣れている人ならここまでで完全に分かるでしょうね。
ギターはサークルオブフィフスの投影 http://www.hitoshikawai.com/guitar/circle-of-5ths-and-guitar
ギターはサークルオブフィフス-音楽理論の基礎の投影


数字をアルファベットに変換する
​

数字をアルファベットに変換すると、ギターにほとんどそっくりだと分かるでしょう。

驚くべきは各弦がちょうど半音でつながっている事です。(数学に強い人には当たり前の事かもしれませんが…)

弦が半音で仕切られている事は、水平線上に視れば当然の事実として受け止めがちです。

しかし単純に数字を5等間隔に並べたものが、サークルオブフィフスとなり、そして自ずと各弦が半音音階になるとは知りませんでした。

​左から6弦〜2弦と並んでいます。
ギターはサークルオブフィフスの投影 http://www.hitoshikawai.com/guitar/circle-of-5ths-and-guitar
ギターはサークルオブフィフス-音楽理論の基礎の投影


2弦のズレ

ここでギターならではのトリックがあります。

​2弦を半音ズラして低くします。

完全4度の連鎖がここだけ長3度となります。

それによりサイクルが途絶えず、フレットを移動して行くのです。

その説明は少し長くなるので、こちらの記事を参考にして下さい。
ギターはサークルオブフィフスの投影 http://www.hitoshikawai.com/guitar/circle-of-5ths-and-guitar
ギターはサークルオブフィフスの投影


サイクルを継続させる
​

サイクルであるという以上、ぐるぐる回り続けられなければいけません。

でも、1フレット上でぐるぐる回ってもだめです。

ぐるぐる回りながら全フレットを巡らないといけないのです。
ギターはサークルオブフィフスの投影 http://www.hitoshikawai.com/guitar/circle-of-5ths-and-guitar
hitoshikawai.com


1弦=6弦
​

これまで5弦だけで説明をしてきました。

ここで1弦を加えると、2弦の4度続きとなります。

2弦ルートのCフォームが、1(6)弦ルートのEフォームの上部に変形します。

EADGCサイクルの動画と記事で詳しく説明していますので、それを参考にして下さい。
ギターはサークルオブフィフスの投影 http://www.hitoshikawai.com/guitar/circle-of-5ths-and-guitar
hitoshikawai.com


シンプルで美しいデザインだった

なぜギターはサークルオブフィフスなのか、分かっていただけましたか?

指板全域にサークルオブフィフスが途切れる事なく巡っているのです。

しかもそれは単純な数字の羅列に過ぎなかったのです。

シンプルで美しいデザインだと思いました。

我々は理論からギターを始めませんが、ギターは理論そのものの投影というデザインなのです。

普通は…

  1. ギターで楽しむ
  2. ハイテクに関心が向く
  3. 壁にぶち当たる
  4. 遡って基礎的な事に関心が向く

こういう順序を辿ると思います。
​
​「最初からこのサイクルを知っときゃ…」

と僕も思いましたが、そうでもないです。

最初から事の重大さが分かる人はまずいないでしょう。

またルールに沿ってやるだけでは、過去の偉人のクセの塊も堪能せずに来たかもしれません。

これまで培ったクセや特徴なども尊びつつ、学べばいいと思うのです。


なぜここまでやるのか?
​

なぜ執拗にここまで掘り下げるのか?

それは生徒にコードトーンを把握させるにはどうしたらいいか、というのが事の発端でした。
​
簡単にスケールの一音飛ばし、コードフォームに即したアルペジオ(それ自体間違いではありませんが)と教えると、路頭に迷う人が多いです。

断片的過ぎて、包括的な見方ができずに苦しみます。

みんな自分なりに断片的な情報をつなげる努力が必要となります。

その努力自体意義がある事ですが、僕の場合、演奏に必要なパターンを経験として身につけただけでした。

​
その程度の認識でしたから、教えるようになって教える事の難しさを知りました。

それで、CAGEDシステムについて詳しく観察するようになりました。

いや、長年教えながら気付きを蓄積し、徐々に繋がってきたという方が正しいです。


また、ブログに書きながら自分の思考を整理する時に、過去の気付きの点と点が線につながる経験もよくあります。

というか、まず明け方に布団の中でひらめきが与えられる事が多く、感謝と興奮でパソコンに向かうという感じです。

「どうしたら指板の仕組みを分かり易く説明できるか?」と無意識に考えているのでしょう。

​
CAGEDシステムに始まり、EADGCサイクルにつながり、サークルオブフィフス、とこれ以上遡れないと思ったのです。

サークルオブフィフスを紹介し、しかしサークルオブフィフスの仕組みとは?となりました。

そして音楽とは全く関係なく、単純に数字の組み合わせになってしまいました。

でも、そこまでやって指板のデザインを誰でも(ミュージシャン以外にも)分かるレベルに解析できたと思います。

ここまで遡ると、コードトーンがまだ分からなくても指板は数字のパターンで成り立っている事は分かるでしょう。

そしておぼろげにも、全てはパターンの組み合わせなのかもしれないと気付かれたでしょう。

またこれまで断片的に学んだ、情報の点と点がつながったという方もいらっしゃるかもしれません。


もしこの記事で別の気付きを得られた方は、よかったら教えて下さい。

僕も学びたいですし、シェアして皆さんの益としたいのです。


次回は
​

サークルオブフィフス、EADGCサイクルがどれほど有効か、今後の記事で紹介します。

CAGEDシステムとEADGCサイクルを組み合わせると、多くの難解と思われるアプローチがシンプルになります。

全てたった5つの、誰でも知っているローコードをマスターするだけです。

基礎に戻り、どこまで昇華させるか?という学びです。
4 コメント
石田富行
6/2/2016 09:45:27 am

素晴らしいです。後でダウンロードしてじっくりと読ませていただきます。

返信
ひとし
6/2/2016 06:05:32 pm

石田さん

いつも読んでくださり、感謝します。

次回から具体的にコードやスケールの捉え方などを記事でシェアしますので、もっと面白くなると思います。

是非、これからも続けて参考にして下さい。

本当にコメントをありがとうございます。すごく励みになります!

返信
りょう
2/11/2018 11:31:50 pm

ギターを手にして学習し始めて1年です。初めて見た時は衝撃と謎の嵐でした。謎でしたがものすごく気になりました。
最近になって個人的に今まで学習した内容と照らし合わせて以前よりはおぼろげですが『な、、?なるほど。。』という感じになってきています。これからも少しづつそして明確に学んでいきたいと思います。愛のある学びの場を感謝しています。ありがとうございます。がんばります!

返信
ひとし
2/12/2018 07:01:00 am

りょうさん、コメントありがとうございます。
前進している事が分かると嬉しいですね。
1年でこういう理論にチャレンジされる方は少ないですよ。
大抵の人はただ弾ければいい、という感じです。
相当弾けるようになって壁にぶち当たった時に、初めて戻るみたいな人が多いんじゃないかなと。僕もそうでしたし。

りょうさんは素晴らしいです。これがベースにあるのとないのとでは、学習の速度が全く違うはずです。
今後が楽しみです!

記事がお役に立てて嬉しいです、感謝します。

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