ギターでアドリブするための、指板の構造とコード理論の学び- HKGuitar
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コードトーンを把握するためにあなたがしなければいけないたった一つの事

7/3/2016

4 コメント

 
アドリブで音を外さないようになるには?それはまず一カ所で、サークルオブフィフスに沿ってダイアトニックコードを弾けるようになる事です。今回の記事は、スケールポジションに併せて、コード進行を把握します。

EADGCサイクルで、ダイアトニックコードを弾きます。これができれば、スケール運指とコードフォームとコードトーンが一致します。

アイデアが途切れるのは、コードを平行移動しながらコードトーンを追っていたからです。

僕自身その経験がありました。その悩みを克服するために、コード進行を一カ所で弾く事を覚えました。

といってもロジックなどなく、経験上「こうすればできる」程度でした。


​サイクルの仕組みに気付いて、教え始めたのは最近です。

  • ギターのデザインは、サークルオブフィフスそのものである。
  • ギターは指板に垂直に弾くもの。

コードを平行移動しながらコードトーンを拾っている人がいたら、これらの視点を紹介してあげて下さい。

下の説明を理解できれば、100%コードトーンの把握が簡単に感じるでしょう。

​


ダイアトニックコードとEADGCサイクル
​

今回はキーに関する話ではなく、ダイアトニックコードに変換する話です。

逆サイクル(CGDAE)をCAGEDの各スケール運指のトニックから弾くと、152637#4となる事を前回説明しました。

逆サイクルをそのまま7thコードに変換すると、Cのキーではこうなります。

1=Cmaj7
5=G7
2=Dm7
6=Am7
3=Em7
7=Bm7b5
4#=F#m7b5

ここには4が含まれていません。4は順サイクルで最初に現れます。

だからダイアトニックコードにするとこうなります。

4=Fmaj7
1=Cmaj7
5=G7
2=Dm7
6=Am7
3=Em7
7=Bm7b5

一番上と一番下が4と7になっています。

4と7を単音で考えるとメジャースケールの半音となります。

ペンタトニックはこれらを含まず、中にある5音だけです。

4と7はトライトーンの関係、つまり円の直径を結ぶ2点となります。

1から始めて、4からトライトーンで7に飛びます。

7からサイクル通りに弾けば、1に戻ります。

​


サイクルに沿ってやってみる
​

EADGCのそれぞれをトニックコードとし、ダイアトニックコードを弾いてみましょう。

トニックの半音下が7ですから、そこからEADGCサイクルを弾けば1に辿り着きます。

​動画では5つのパターンを敢えて全部紹介しませんでした。

というのも、是非一度ご自身でやって頂きたかったからです。

自ら探して見つけた方が何でもしっかり覚えるものです。

そして、改めてどんな風になるかを practice room で確認して下さい。

こちらに全てのパターンをアップしています。

カリキュラムがまだ少ないですが、いくつかあります。

​その中のダイアトニックコードを見て下さい。

無料で​ログインし、利用できます。


​


Practice room のご案内
​


1. ポジションを共有するもう一つのキー
​

「EADGCサイクルを使えば、一カ所でダイアトニックコードを弾く事ができる」だけでは終わりません。

それさえできればコードトーンの把握は簡単になりますが、もったいないです。

「ダイアトニックコードをサイクルで弾けるとはどういう事なのか?」

​詳細なアイデアを今後シェアしていきます。

とりあえず、10項目リストアップしました。少しだけ各項目の説明を下に書きました。

  1. ポジションを共有するもう一つのキー
  2. 4種の7thコードに変換するとは?
  3. まずはトライアドの3コードから
  4. マイナーの3コード
  5. ドミナントの3コード=ブルース
  6. 2-5-1
  7. マイナーの2-5-1
  8. 全てをミックスする
  9. 知っている曲で練習
  10. 応用
このブログについて、以前から悩みがありました…

「説明だけでなく練習サンプルも必要だけど、巨大な記事になってしまう。クリックしてから記事が読めるようになるのに、時間がかかり過ぎる。」
​
それでteachable.comというプラットフォームからhkcourses.teachable.comという practice room というページを始めました。

practice room というナビゲーションをクリックすると、移動します。

今のところまだ動画は少ないですが、これから記事に沿ったコンテンツをアップしていきます。

是非、ご利用下さい。

画像
サイクルの5つのトライアドを7thコードに変換します。

ダイアトニックコードは4種類の7thコードが含まれています。

  1. メジャー
  2. マイナー
  3. ドミナント
  4. ハーフディミニッシュド(マイナー7フラット5)

これについて詳しくはCAGEDシステムシリーズで説明しています。

まだよく知らないという方はそちらを参考にして下さい。
​

生徒に訊くと必ず「7thコードくらい知っている」と答えますが、​5つのフォームの全てを4種の7thコードに変換できません。

そうするには弾けるフォームに変換したり、インヴァージョンやドロップ2などの知識が必要です。
​

「知っている」なら、トライアドのどこを変化させればよいか分かるはずです。

分かっても、「現実的に弾くのは困難」なフォームがあります。

そんな時も、どこをどう変化させるべきか、「知っている」なら分かるはずです。

​僕もそうだったのですが…

オルタードエクステンションを加えたコードや、クローズドヴォイシングの弾くのが困難なフォームなどを弾けても、意外に基礎的なコードができなかったりします。

「知っているつもりだった」…というのは僕もそうでした。

「こんな初歩的な事もできないのか…」とよく恥かしくなります。

もしあなたも共感するなら是非この機会に基礎をやり直しましょう。
サークルオブフィフスの円で分かりますが、2つの対称となるキーがあります。

​その様がギターに完全に反映されています。

上述の通り、逆サイクルはダイアトニックコードになりました。


順サイクルを弾けば、対称となるキーのダイアトニックコードとなります。

Cの場合、Gb(F#)となります。

Cから数えると、14b7b3b6b9b5となりますが、Gbをトニックとして数えると#4736251となります。

頭が混乱するかもしれませんが、12音中の4と7(トライトーン)を共有する2つのキーが円を2分するのです。

共有するといっても、4と7はそれぞれ入れ替わります。

つまり、Cのキーの4は、Gbに対しての7です。

またCにとっての7はGbに対しての4となります。
サークルオブフィフスを見れば一目瞭然です。

トライトーンを結ぶ円の直径で、2つのキーが対称となっているのが分かります。

コードでなく単音として説明すると、スケールの半音部分である4と7がダイアトニックコードの一番上と下に位置します。

その間は5音、すなわちペンタトニックです。

4と7を共有する、Gbペンタトニックの5音がCペンタトニックの対称となります。

​
4=Fmaj7
1=Cmaj7
5=G7
2=Dm7
6=Am7
3=Em7
7=Bm7b5


4=Cbmaj7(B)
1=Gbmaj7
5=Db7
2=Abm7
6=Ebm7
3=Bbm7
7=Fm7b5

共有していても、4と7は入れ違っています。

2つのダイアトニックコードをつなげたものが、サークルオブフィフスの円です。


今後シェアする色んな効能について


2. 4種の7thコードに変換するとは?
​


対称となる2つのキー
​


EADGCサイクルで響きを把握する
​

サイクルの良さはまんべんなく練習でき、パターンで認識できる事です。

でも、サイクルを練習するにもどうしたらいいか?シンプル過ぎて気が付かない事もあるでしょう。

Practice room ではシンプルな練習メニューを紹介しています。

是非、ご利用下さい。無意識レベルまで仕込む事をお勧めします。

​
コードトーンを使ってアドリブする以前に、その響きを知っていますか?

僕も謙虚にならざるを得ないですが、意外と分かっていないのです。

コードの響きを耳が認識できないと、コードトーンでラインを弾いてもあまり実感が湧きません。
​

バカらしく感じるかもしれませんが、アドリブ云々の前にコードを耳と指に馴染ませる事から始めるといいです。

知っているはずの3コードも、響きをよく吟味しながらやってみましょう。


3. まずはトライアドの3コードから
​

サイクル上ではトニックが真ん中、上下にドミナントとサブドミナントが位置します。

分かり易い例がローコードで、A E DというAのキーの3コードの曲です。

サイクル中、Aを真ん中にEとDが上下で挟みます。

トニックは真ん中にある→ E A D

他のフォームでも同じで、サイクル中に垂直に3つ並んでいるのです。

  • E A D
  • A D G
  • D G C
  • G C E
  • C E A

この3コードがスケールの7音を全てカヴァーする事は、「3コードあればなぜ簡単な曲が弾けるのか知らない人も多い」で書きました。

3コードの重要性についてはそちらも参考にして下さい。


3コードはやはり偉大
​

機能によって大きく捉えるためにも、まず3コードを知りましょう。

トニック、ドミナント、サブドミナントです。

それ以外の4つのコードは、3つのどれかの仲間となるからです。

スケールの7音はその3つでカヴァーできるので、機能で捉える事は大事です。
​

例えば、知らない曲を弾かないといけない時、耳だけが頼りです。

コードチャートもなく、詳細を聴き取る事が難しかったりします。
​

そんな時、「3つのどれか」というアイデアがあると便利です。

​何となく雰囲気でコードを捉えるのです。


他にも、コードトーンにこだわり過ぎる弊害を避ける知恵にもなります。

コードトーンをしっかりマークしようと意識するあまり、堅苦しくなったりしませんか?

練習の時はそれでもいいのですが、本番ではリラックスできません。

そんな時は「大きく3つ」、と構えておき、後は自由にやればよいのです。


それが利かない時はキーが変わる時です。

まずはマイナーキーからの借用コードを疑う、などと頭に入れておくといいでしょう。

またセカンダリードミナントではどの音をカスればいいか、パターンを仕込めばよいのです。


4. マイナーの3コード
​

最後にトライトーンからトニックに至る、2−5の連続を弾きましょう。

多くの曲やイントロなどに用いられています。

例えば、Cのキーなら…

Fm7b5 - B7 - Em7b5 - A7 - Dm - G7 - C

トニックから最も離れたコードからそのままサイクルを弾くだけです。

これを5つのパターン練習すれば、指板全域で弾ける事になりますし、キーの問題もクリアできています。


基礎をマスターするのは難しい
​


終わりに
​

マイナー3コードというのは、Cのキーで言うとAm Dm Emです。

それぞれ、トニックマイナー、サブドミナント、サブトニックとなります。

弾けば悲しく、すぐにマイナーの歌の基本形とわかるでしょう。

さらにEmをE7に変える(ドミナント)とマイナーキーを強く意識させます。

この3つも円の中で連続しており、3コードのグループはメジャーとマイナーに分類されています。

メジャーの3コードと対比するとよく分かります。

Cを真ん中として、FとG7が前後にあります。

同じようにAmを真ん中として、DmとE7が前後にあります。
メジャーとマイナーの3コードや2−5−1を全てをミックスすると、ダイアトニックコード7つを全て網羅します。

例えば、スタンダードの「枯葉」のチェンジの一部がハッキリ見えます。

2−5−1−4−7−3−6

このような基本的なコード進行は昔のスタンダードに確立されています。

スタンダードを学び、よくあるコード進行に対応できるようになりたいですね。
全部メジャー、全部マイナーで3コードを弾きました。

明るい、悲しい雰囲気を練習しました。

今度は全部ドミナント=ブルースです。

クラッシックではこれは普通ではありませんが、ポップスでは基礎です。

ブルースも5通りのフォームで練習すれば、指板全域をマスターできます。

これまで不慣れだったフォームを是非克服しましょう。
サイクルの中にあるパターンと認識する事が大切です。

全てつながっており、1カ所で把握できるのです。

スケール運指のポジションに、ダイアトニックコードは含まれています。

これで初めてスケール運指、ポジション、コードフォーム、コードトーンの全てが一致するのです。

コードフォームのポジション移動をするのは、伴奏で必要な時だけにしましょう。

コードトーンの把握のためには出来る限り動かずに、色んなヴォイシングやフォームでコードを弾けるよう訓練しましょう。

インヴァージョンやドロップ2などを使えばよいのです。


7. マイナーの2−5−1
​

上述したものは、全てコード進行に対するサイクルのアイデアです。

基礎の基礎であり、必須です。

それでEADGCサイクルは基礎しかないのか?と思うかもしれません。

しかし、それだけではありません。実は楽しみはここからです。

EADGCサイクルにスキップを入れるだけなんですけど…これがすばらしい練習になります。

順サイクルではドミナント系のエクステンション、sus9、ディミニッシュドなど。

逆サイクルでは、メジャー系のアッパートライアドのアプローチとなります。

コードトーンを使ったアドリブでよく使われるアイデアです。

きっと重宝していただけると思います。

応用の記事は1つで終わらず、多くなるでしょう。


9. 知っている曲で試してみる
​

スタンダードなどに合わせて、コードを弾いて確かめましょう。

最初はダイアトニックコードのみの曲、慣れたら部分転調を含む曲にトライしましょう。

サイクルそのもののコード進行が、かなり見つかるはずです。

これまで平行移動のせいで、スケール運指とコードフォームと思考が分断されていました。

コード進行の多くが垂直に連続する事が分かれば、コードトーンの把握は簡単になったでしょう。

それができず、分からないのであれば、7thコードの基礎からやり直しになります。

言い換えれば、7thコードを本当にマスターすればかなりの事ができるはずです。
今回の記事の前に、ギターのデザインやサークルオブフィフス、キーなど大まかな仕組みの説明をして、やっとダイアトニックコードに至りました。

​
なぜか?

これは僕だけの体験ではないかもしれません…

僕はコードトーンを練習し始めた時、詳細に偏りました。

オルタードコードのフォームから各エクステンションを把握できても、基本的な7thコードもよく知りませんでした。

​つまり基礎が弱かったのです。


基礎が分かっていないと関連づけができません。

難解さを求めましたが彷徨い、基礎に戻りました。


「基礎的過ぎてつまらない事」を掘り下げると、難しかった事が分かるようになってきました。

逆に、基礎的な事をマスターするのは凄く難しく感じます。また、高度だと思っていたものがそうでもないかもと思うようになってきました。

あなたも同じ道を辿っていらっしゃるかもしれません。

知識と経験、挫折を積み上げて来られたからこそ、共感して下さるのだと思います。
​
この理論をいきなりビギナーに教えても上手くいかないでしょう。


5. ドミナントの3コード=ブルース
​


10. 応用
​

マイナーの2−5−1もメジャーの時とほぼ同じです。

マイナーの場合は2がm7b5(ハーフディミニッシュド)となります。

つまり、Aマイナーのキーで考えると、Bm7b5が2となります。

Bm7b5 - E7 - Amが2−5−1です。

これもサイクル上で連続しており、1ポジションで5パターン練習するだけです。
最後まで読んで下さり、ありがとうございます。

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まだこのブログの読者は非常に少ないので、シェアはありがたい応援です。

また下のフォームからニュースレターの登録をお勧めします。

よろしくお願いします。
2−5−1も上記の3コードと機能は同じです。

サブドミナント、ドミナント、トニックと順序を指定し、4の代わりに2を用いているだけです。

3コードの時、トニックはギターの同一フレットで真ん中に位置しました。


2−5−1はそのまま上から2−5−1です。

フォーム名で書きました、( )中がコード名です。

  • Em A7 D
  • Am D7 G
  • Dm G7 C
  • Gm C7 E (F)
  • Cm E7 (F) A (Bb)

サイクル上で連続する2−5−1を練習すれば、シンプルになります。

​コードフォームとスケールポジションが一致するからです。

垂直の視点を持たないと、コードトーンを一カ所で把握できません。

パターンは5つだけ、それで指板全域をマスターできるのです。


全て垂直の動き


8. 全てをミックスする
​


トライトーンからの2−5の連続
​


6. 2−5−1

4 コメント
Rin
4/26/2018 10:45:44 pm

斬新な視点と深い考察に感銘を受け、ギターでの悩みが多く解決されました。
今後のご活躍を応援したいとおもっております。

返信
ひとし
4/27/2018 09:00:25 pm

Rinさん、コメントありがとうございます!
僕のはすごくマニアックな記事ですが、お役に立ててとても嬉しいです。
是非これからも応援して下さい m(_ _)m
すごく励まされます、本当に感謝します!

返信
よねぴーや
2/18/2021 07:48:27 am

本当に素晴らしい。eadgcサイクルが本当に素晴らしいのです。私もコードトーンや、コードをもっと大事に考えてギターを弾きたいと考え色々な考えを探りました。誰もが知っているようなギタリストが執筆したトライアドについての書籍や指板をどのように見てコードを操るかと言った本を読み、そこにはhitoshiさんと同じようにワンポジションでダイアトニックを弾けるように考え、そこからルートからのインターバル把握により、テンションやコードトーンソロを取ると言った内容がありました。ワンポジションでコードを弾くという考えだけでも目から鱗だったのですがそれでも未熟なわたしには「結局はインターバルや位置関係を覚え込むだけなのか…」と思えてしまいました。しかしそこにEADGCサイクルとサークルオブフィフスの考えを合わさると全てが繋がったように思えました。縦の移動をより明確にするために各弦をルートとして考える。さらにはその動きはコード進行でよく見られる5度進行。トライトーンを上下としてサイクルを繰り返せばダイアトニックを網羅できるというのも大変理論的ですね。そこに自分の得た書籍などの考えを加えればもっとギターに対しての理解を深めることができそうです。本当に感謝しています。

返信
ひとし
2/18/2021 11:38:38 pm

コメントありがとうございます。

めちゃくちゃ嬉しいです。まさに僕の意図している事を、見事に受け取って頂けて、感無量です。

これは本当にギターの本質だと思ってます。更に、ご存知の通り、色んなアイデアと結びつける事が出来ます。
全てのアイデアをこのサイクルで練習する事を勧めています。

分かって頂ける人と出会えて、とても嬉しいです!ありがとうございます。

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