ギターでアドリブするための、指板の構造とコード理論の学び- HKGuitar
  • Home
  • About
  • ebooks
  • youtube
  • practice room

南カリフォルニア、サウスベイで溺れたり、ホームシックにかかった恥ずかしい話 - ポッドキャスト第7回

1/8/2018

2 コメント

 
画像
南カリフォルニアのサウスベイ、美しすぎるビーチエリア。

田舎者の僕が住み始めた当初の話です。

失敗談もシェアしないと若者にプレッシャーだけを与えてしまうと思い、話す事にしました。

​これからはシェアできる範囲で、恥ずかしい話もして行きます。


情報の洪水の前に呆然とする時代
​

情報そのものに価値があった時代が終わりつつあります。

リアルタイムで世界中に情報が伝達されるからです。

欲しい、と思った瞬間検索し、情報にたどり着けるというスピード…

情報はすでにある…が当たり前になり、体験、経験がものをいうようになりました。

何でもできる時代になった、その一方で情報量に圧倒される時代でもあります。

手をつける前にどれを選べばいいのか?

膨大な選択肢の前に立ち尽くすようにもなりました。

情報があるだけに完璧にやらないといけない…というプレッシャーもあるでしょう。

でも迷いながら、恥をかきながらやってもいい、という話です。

​


恥ずかしい話
​

前回のONE THINGの後に、ある若いリスナーの方と話をする機会がありました。

何をしていいか分からなくて混乱しているとの事。

偉そうな話ばかりしているのもよくないな、と思いました。

それで今回は僕がどれくらいダメダメだったかという話をシェアします。

​


​ホームシックにかかった
​

「苦労したんだ…」

と思われるかもしれません。

でも、その逆なんです。

恵まれ過ぎた環境ゆえになんです。

南カリフォルニア、リドンドビーチという美しい所に住んでいました。

マンハッタンビーチ、ハーモッサビーチと共にサウスベイと呼ばれるエリアです。

​
画像


なんの苦労もなかった
​

兄が先にカレッジに入っていました。

生活にも、学校生活にも兄が色々とお膳立てしてくれました。

一緒に住んで、学校にも通って…

僕には何のチャレンジもありませんでした。

極めてスムースな新生活への移行です。


お金持ちのおばさん
​

アメリカ在住中、日系人のキリスト教会に通っていました。

あるお金持ちで、画家のおばさんがいました。

何件も家やコンドミニアムをサウスベイに所有し、ヨーロッパやアラブからのバケーションレンタルビジネスもされていました。

その一件に住まわせて下さったり、滞在中朝食をずっとご馳走して下さったり…
​
他にも語り尽くせないほどのお世話をして下さいました。

物質だけでなく、メンタル的にも沢山のことを彼女から学びました。

恵まれ過ぎた生活でしたが…

​
画像


留学前がすでに問題だった
​

そもそも僕には目的がありませんでした。

中学2年くらいから漠然とアメリカに憧れ、夢見るようになりました。

高校2年の時に兄が渡米してから、現実味を帯びてきて…

大学入試はやめて、兄にTOEFL(英語の試験)の問題集を送ってもらいました。


高校が新設校だったので、教室の空きがあり

「先生、僕は受験しないから空いている部屋で英語の勉強します」

と自習の日々を過ごしていたのです。

一人だと弱いもので、実際は持ち込んだウォークマンで音楽を聴いていただけでした。

それでカレッジに入学するための最低ラインの点数を取れたのも、高校卒業後です。


入学が目標で、何かをするためのアメリカではなかったんです。


美しすぎる南カリフォルニア
​

日本の田舎から、全くの別世界に圧倒される日々。

おばさんの家からは太平洋が広がり、サンセットを眺めながらの夕食です。

田舎者の僕には刺激が強過ぎました。

感動しっぱなしの僕はなぜか逆の感情が生まれて来たのです。

​
画像


親に申し訳なかった
​

アメリカは留学ビザでは働けず、仕送りです。

僕はこんなにいい思いをさせてもらって、そのために両親が工場で働いている事が悲しくなって来ました。

父はトヨタ自動車の孫請けの小さな工場を営んでいました。

僕も高校時代から単純作業の仕事を手伝っていたので、どんな様子か目に浮かぶのです。

​さらに悲しい理由がありました…


遠距離恋愛
​

当時は手紙がメインのコミュニケーション手段でした。

届くのに1週間かかるので、相手から返事が来るのに2週間かかります。

その間、妄想が暴走しまくり、とてつもない切なさでした。

こんにちネットですぐに繋がれるので、今やそういう経験をするのは難しいかも知れません。


​当時痛感したのは…

​
画像


シェアしたいけどできない
​

自分だけでなく、家族や彼女や友達も一緒にここにいて欲しいと強く思いました。

自分だけが(兄もいましたが)いい思いしても、全然面白くない事を痛感しました。


良い事も悪い事もシェアできないという状態は辛いです。

虚無感、孤独感を助長します。

世間では成功者に見える人が、闇を抱えていたりする場合、こんなケースもあるのかも知れません。

登り詰めるために関係を犠牲にすると、辿り着いた時にその喜びを本当にシェアできる人がいないというのは残念です。
​

そんな事を思いながら、ホームシックにどっぷり状態だった所に…


別れ話
​

遠距離恋愛の終わりを告げられました。

5月の終わりくらいから、完全にロスト状態でした。

「俺は一体何をしにここに来たのだろう…」

などと堂々巡りの日々です。

笑ってしまうほど、ナイーブ過ぎる僕でした。

もうどうにもハートブレイキングなので、ふと…


海でも行こう
​

兄が「やめとけー」と僕を心配して止めました。

「(うるせえな…)」と心で罵りながら、黙って自転車で出かけました。

目の前に広がる太平洋。

「なんて美しいんだ…なのに俺はウジ虫だ」

吹き上げてくる、西海岸の乾いた風が、湿った心を乾かしてくれそうでした。


坂を下ればすぐビーチ、きっと海がこの傷心を癒してくれるだろうと向かいました。

​
画像


溺れた
​

リドンドビーチのビーチよりも、ハーモッサビーチの方が近く、ビーチフロントを自転車で少し行きました。

6月6日、初夏の爽やかな午後でした。

僕は泳ぎは自信があったので、ためらいもなく水に入りました。

そのまま仰向けになり、浮かんでいました。

青い空を見ながら

「俺はどうしたらいいんだろう…」

などと思いにふけっていました。

で、ふと見ると…

​
画像


しまった…
​

「やばい、流されとる」

波の引きが強く、場所によっては簡単に沖に流されてしまうのです。

さほど遠くはありませんでしたが、確実に引っ張られていました。


必死に泳ぎました。

泳ぎに自信があるのに、一向に距離が縮まりません。


焦りました。


サーフスポットなだけに、波も結構あり、頭から被るようになりました。

水も少し飲んでしまい、苦しく、恐怖が襲いました。


「死ぬ?」


と思いましたが、こういう時こそ神頼みです。

「神様助けて…」

信仰をもつ身として、素直に当然のごとく叫びました。

​
画像


ライフガード
​

それから間も無く、どこからともなくライフガードが泳いで来ました。

浮き輪を投げてくれて捕まりました。

そして岸まで引っ張ってくれました。



久々に思い出しながら「主よあの人に祝福を…」と祈ってしまうくらい、本当に命の恩人です。


岸に着くと、膝が砕けるように砂に倒れこみました。

ゲホゲホと水を吐きながら苦しんでいるのに…


「名前は?生年月日は?どこに住んでる?」

などと訊かれました。答えると…

「なんだ俺と同じ誕生日じゃないか」

「死ぬかと思った…」

「俺と同じ誕生日の奴が死ぬわけないだろ」

というやり取りをしたのを今でも覚えています。


​で、別れ際に…

​
画像


放心状態
​

「ところで、あの旗見えるだろ?あそこから遊泳禁止エリアなんだよ。ここで泳いじゃいけないぜ」

クール過ぎるヒーローは、クールに言い残し去りました。


​助かった、と一旦安心しましたが…


冷え切った全身を砂に埋めたまま、しばらく動けずにいました。

頭がガンガン痛み、膝もガクガクしたままです。

体もそうでしたが、思考も完全にストップしたようでした。


もはや彼女がとか、ホームシックがとかいう余裕はありません。

「あれで死んでたら、親は悲しんだろうな」

「俺はなんて大バカ野郎なんだ…」

「もういい…一度は死んだ身だ」

と思うようになりました。

​
画像


母からの言葉
​

起きたことを母に電話で話しました。

その中で…

「どうしたらいいか分からん」

「好きな音楽を好きなだけ勉強したら?その後はまともな仕事すればいい。音楽で食えるわけがない」

そういう経緯で、音楽を専攻する事になりました。

それほど僕はダメな若者でした。


心の赴くまま

この程度のことは生きていれば、ほとんどの人が経験するのではないでしょうか?

恥ずかしいですし、公開する価値すらないとも思います。

だから敢えて書くこともないでしょう。

成功談ばかり目につくので、完璧にやらねばという焦りになっても仕方ありません。


法を犯したり、あえて危険な事をしたり、僕のように無知でバカな事をしない限り、心の赴くままやればいいと思います。

何が向いているか?など経験のない状態では何も測定できません。

上手くいかなくても、いつか役に立つ時が来るでしょう。

​失敗ですらそうです。

点と点が繋がる時がきます。

ですから直感を信じていけばいいのです。


スティーブ ジョブズ
​

有名なスピーチですのでシェアします。

関西弁バージョンがとても気に入ってます。

​


必要なのは少しの勇気だけ
​

もしすでに好きな事、やりたい事があるなら是非やってみる事をおすすめします。

​人生の最後に思う事は、

「あれやっとけば良かったな」

という後悔らしいです。


「自信がない…」

自信とはある程度の積み重ねから生まれて来るもので、最初から備わっているものではありません。


勇気さえあれば、情報収集して行動できる世の中です。

一度きりの人生です、今は昔と違いやりたい事がやりやすくなりました。

​どんなささやかな夢であっても、トライしてみてはどうでしょう。

​


いかがでしたか?
​

こんな僕の恥ずかしい体験が、少しでもお役に立てれば嬉しいです。

他にも沢山いろんな経験をしてきました。

もっとバカな事や過ちを沢山しましたが、全ては公開できません。

できる範囲内で少しずつポッドキャストでシェアして行こうと思います。

​是非、アプリで登録してください。


シェアして下さい
​

もし気に入って下さった方は、是非シェアしてください。

また、メルマガ登録をして下さると今後の更新をメールでお知らせします。

​最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

メルマガ登録フォーム

2 コメント
宮木孝寿
2/20/2018 09:15:46 am

懐かしく拝聴させて頂きました。当時も仲良くさせて頂いていたので今回のエピソードは状況が目に浮かぶ程リアルに感じました。君の事なら大概の事は知っているつもりで今回のエピソードももちろん知っていましたがまたまた掘り下げて当時の事を知る良い機会となりました。
『アメリカに行きたかった』を実現した君は本当に素晴らしい!そしてそれを現実にしてくれた両親に感謝ですね。友人としてアメリカでの経験が君の人生を豊かにしている今を見れて嬉しいです。そして私も自分の娘に昔の君を重ねる事がしばしの今日この頃です。

返信
ひとし
2/20/2018 12:21:12 pm

たっちよ、コメントありがとうございます?観光で来てくれた時に、もっと長く居てくれればと思いました。
色々と忘れてしまった事があるので、また今度話して思い出させて欲しいな。
ところで真剣な話、トレーニングの仕方を今度インタビューさせて欲しいんだけど、いい?

返信



返信を残す

なぜメール?

ニュースレターを週1回のペースで配信しています。新しいコンテンツのご連絡がメインの目的です。
​またリスク回避のためです。ブログ会社に問題があったり、ハッキングされた場合、こちらからご連絡するためのバックアップでもあります。決してスパムはしないとお約束します。
Privacy policy
クリエイティブコモンズに基づいて次から使用された写真: masharova, Simon_sees, Sigfrid Lundberg, Aécio Neves - Senador, Historyworks Photography, Stanislav Sedov, Chasqui (Luis Tamayo), markhillary, brittreints, Robby Schulze, Diego3336, Fora do Eixo, InMyEyes88, markhillary, -marika bortolami-, Patricia Figueira, vishal.jalan, paologmb, Mariam Marie, Fora do Eixo, InSapphoWeTrust, Stanislav Sedov, roberthuffstutter, roberthuffstutter, Kirt Edblom, Thomás, upslon, Guilherme Yagui
  • Home
  • About
  • ebooks
  • youtube
  • practice room