ギターでアドリブするための、指板の構造とコード理論の学び- HKGuitar
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自由を満喫

3/12/2018

2 コメント

 
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アメリカは自由の国だ、そして僕はそこにいる。

でもちょっと窮屈な環境だ…おばさんにとてもよくしてもらっていたのに、そんな風に感じてました。

​今回のエピソードは独立し、ささやかな自由を満喫するに至った経過を話します。


おばさんの家から出た
​

前回のエピソードで、僕がどんなによくしてもらっていたか話しました。

また、悪いけど窮屈に感じていたかも。

僕はおばさんの制約から自由になる事を考えていました。


両親はおばさんに従順であるように、と言う意見なので難しかったです。

そんな中、一時期おばさんの家を出る事ができました。

それは一人の日本人の友達がきっかけでした。


アメリカ人の家族と共に突然訪れた
​

ある日、おばさんの家に突然アメリカ人の家族が訪れました。

父リチャード、息子エリック、同棲中のベッキー、そして日本人の男の子。

短期語学留学生とそのホストファミリー、と言う関係でした。

英語が通じないので、日本人教会に連れてきたようです。


とても明るく、感じの良い男の子でした。

僕と同い年です。

それで毎週日曜日は会っていました。


彼はサーファーで、ホストファミリーもサーフィンをするので、いつも一緒に海に出かけていたそうです。

3ヶ月が終わり、彼は帰国しましたが…


何ヶ月か過ぎて、長期滞在するために戻ってきました。

当時僕は兄とおばさんの大きな家に住んでおり、寝室がいくつも余っていたので一緒に住むことになりました。


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11ヶ月一緒に暮らした
​

海やプールやゴルフに行ったり、楽しく遊んだものです。

お互い気を遣わない性格なので、一緒に住むのに問題なかったです。

サーファーのライフスタイルについて彼から色んな話を聞きました。

高校生の頃から、色んな悪い事を経験したそうです。
​

しかし彼は悔い改めてクリスチャンとなりました。


その頃、兄は帰国しました。

大きな家に友達と二人で住んで、合計11ヶ月一緒に暮らしたのですが…


​ホストファミリーとの再会
​

ある日、おばさんの家の通りでばったりリチャードとエリックと出会いました。

懐かしいと話しているうちに、また一緒に住もうという話になりました。


で、なぜか二人だったので、「ベッキーは?」と尋ねると…

「彼女とは別れたんだけど、その1週間後の独立記念日にメキシカンかなんかに撃たれて死んじまったんだ。」

と答えたのです。


なんと恐ろしいアメリカ!ですよね。


それから彼らはよく僕の家を訪れるようになりました。

エリックを家においてリチャードは夜でかけたり、週末はよく家に泊まりにきました。

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色々手伝ってくれた
​

いつも一緒に遊んでいただけでなく、色々手伝ってくれたりもしました。

特に車が壊れて困っていた時にリチャードが修理してくれたので、とてもありがたかったです。


息子のエリックは12歳で、友だちと同じくらいの背丈でした。

朝グリルドチーズを作ってくれたりして、子供なのによくやるなあと感心したものです。


エリックはよく抱きついてきたり、家族の一員のようにじゃれて来ました。

親子二人だけで暮らしてきたので、愛情に飢えているのかな?

​とかわいそうに思いました。


一緒に住むようになるのは自然だった
​

「一緒に住もうぜ」

と友だちは誘われるようになりました。


十分ビーチの近くなのに、やはりサーファーなので、少しでも海の近くに住みたいらしく…

本当に海の目の前のアパートに引っ越す話をし始めたのです。



自然の成り行きに思えたので、僕もそれがいいと思いました。
​


それに、リチャードたちと一緒に住んだ方が英語も上達するだろうと…

ところがそれに反対する人がいたのです。


おばさんは猛反対した
​

「絶対あかん、あいつらは悪いヤツやで!」

ホストファミリーの時から何度も会っているので、おばさんは彼らを知っていました。

おばさんは色んな人に会ったり、助けて来たので、何か感じる所が会ったんでしょう。
​


頑として彼の引っ越しを許しませんでした。

おこちゃまだった僕は、大バカ野郎でした。

おばさんに良くしてもらい、助けてもらっていたのに…

それに感謝するどころか、窮屈に感じていて、自由になりたいと思ったのです。


「リチャードたちと一緒に住んでもいいじゃんねー。あんなに良くしてくれるのにさぁ」

僕は友だちが家を出て行く事に賛成しました。


便乗し、おばさんの束縛から逃れるため、引っ越したかったのです。

​この大きな家に一人で住まわせてもらうのは、あまりに申し訳ないと。

ちょうどいいタイミングで…

​

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やっと自由の身に…
​

​教会の友だちと家を借りて住む話が浮上したのです。


心機一転、引っ越しした僕は自由を満喫していました。


アメリカに来て、初めて得た自由です。


とは言っても、生活は相変わらず学校に入り浸りの毎日でしたが。

朝10時から夜10時まで、帰宅は11時頃、充実した日々を送っていました。


彼とは週末になると教会で会うのですが、あまり会話しなくなりました。

「彼も自由を満喫しているんだよな」

と僕も彼の独立を喜んでいたのです。
​


お互い気を遣う関係ではなかったので、敢えて生活について訊く気になれなかったのです。

​

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自由を満喫
​

ルームメイトの中には板前さんもいたので、美味しい料理も時々いただけましたが…

普段は僕は学校に缶詰なので、食事は自分でやることに。

でも面倒臭かったです。

一日に一回ハンバーガー屋で大きなバーガーを食べておしまい、が多かったです。


朝の祈り会にも参加しなくなりました。


なので、夜10時に授業が終わった後、

「ヒトシ、今からデニーズに行くぞ」

と先輩の誘いにも応じられるようになりました。


カレッジの隣にあるデニーズにみんなで繰り出し、朝3時まで入り浸ったり…

でも一対一の会話は分かっても、大勢でスラングを交えてやられると、完全にロストです。

3時までいて、集中力も完全に切れ、眠たいのに…


「ヒトシ、お前にどうしても聴かせてやりたいアルバムがある、今から俺の家に行くぞ」

などと、アーヴァンガードのアルバムを聴かせられて参りました。

勉強とはいえ、クレイジーな音楽をよく聴き、生活リズムも狂って行きました。


でも、自由と言えば自由で、満喫していました。


ライブもよく観に行った
​

以前からもライブは行ってましたが、早起きする義務がなくなり、行く回数が増えました。

特にハリウッドにはその頃に行きました。

パット メセニーのシークレット ストーリーのライブは、二日続けて観ました。

これは日本公演がなかったので、日本のファンにとっては激レア体験だと思います。


ジョン スコフィールドも二回最前列で観たし、マイク スターンとボブ バーグ…

特に印象的だったのが、ジョー パスです。


ジョー パス
​

確か、Vine streetというジャズクラブだったと思います。

​彼は一週間のソロライブをしていました。


とっても小さなクラブですが、ガラガラでした。

20人くらいしか客がいなかったと思います。


超絶びっくりしました。

だって、ジャズギター界のレジェンドですよ。

何というか…

結局ジャズギターなんて、こんなマイナーなジャンルなんだ…と残念でならなかったです。


ただ、客がわずかでも、彼の演奏はひたすら凄かったです。

僕が今も覚えているのは、その中で演奏されたブラジルの曲が際立って美しかったという事。

​それと…​


こんなん初めてだ
​

この夜は1部と2部と入れ替えなどありませんでした。

ブレイクの時に、サインをねだりました。

客と普通に雑談しているジョーパスに、何も書くものがなくてベルトを差し出し…


「ここにお願いします」

と書き始めたものの、ザラザラした表面でしかも革なのでインクが思うようにつかず…

「おい、こんなの書けるか。他になんかないのか?こんなとこにサインしてくれなんていう奴、初めてだ!」

彼の毒舌?というか、ジョーパス節炸裂って感じでした。

それで今度は財布に書いてもらったんですけど、うまく書けず(笑)


結局、紙切れにサインしてもらいました。
​

一緒にサインをねだっていた白人ギタリスト(自分のCDに)は、一緒に…

「何してんだ、お前」

と言ってきて、気分を害しました。


何年も経ってから、その言い方は彼にとって普通だと知りました。

それまでは、ちょっぴりほろ苦いジャーパスの思い出だったのですが…

もう亡くなってしまったし、そういう体験ができて嬉しいです。


ウェイン ジョンソン
​

ウェイン ジョンソンは失礼だけど、日本では無名に近いです。

彼は僕がジャズを聴き始めた時に、好きになった最初のギタリストです。

マンハッタン トランスファーのギタリストとして来日しているくらいで、彼のトリオを知っている人はあまりいないと思いますが…


初期の作品はパットメセニーグループみたいにポップで、本当に大好きです。


彼のライブをヴェニスビーチのクラブで観ました。

ちょっとフリーに傾倒している時期で、僕にはぶっ飛びでしたが…

彼のトリオを観る事のレアさが分かるので、良かったです。

​もし良かったら、同じ場所でやったライブ動画があるので観てください。



自由といっても音楽三昧なだけ
​

結局はおばさんの家に行く必要がない、というだけでした。

ハリウッド方面へライブを観に行けるようになった、授業後に先輩とデニーズでつるむ時間ができた…それくらいです。

観光とか興味ないし、出不精な方です。

もともとライブも家の近所で観れたし、先輩とも授業中に可愛がってもらってたので…

だから自由になったといっても、大きくは変わりませんでした。


羽目を外したい願望もありませんし…

住んでいる場所自体が、これ以上ない開放感を味わえる環境なだけに他に何も望めませんでした。

もちろん情報がなかった、というのも一つの理由ですが。

今ならネットで何でも検索できますしね。


とりあえず、おばさんの目から解放されたという、ささやかな自由を満喫して喜んでいました。


いかがでしたか?
​

実は今回は次回の前振り的なエピソードです。

このあと僕はとんでもない事件に巻き込まれてしまいます。

お楽しみに!

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2 コメント
竹内 雄二
3/23/2018 01:09:40 pm

このお話は、なかなか辛いものがあります。「世知辛い」という表現にはあまりに遠いものかもしれませんが、人の心の何という浅ましさとおぞましさ、そして救いようのない醜さと同時に虚しさを感じぜぬにはおきません。アメリカは基本的にキリスト教国だとは思いますが、何故、お話のような傍若無人、いや暴虐強欲人がそれもおよそ、その辺いる日本人とは桁外れた悪の権化のような人間が多く跋扈しているのか。日本人でもあの程度の人間はいると思いますが、徹底していますね。悪党ざまが…。人の人生を踏みにじって、いささかの痛痒も感じない。背徳の徒です。神への明らかな反逆者です。私は日本人が一部のネトウヨのように極めて優れており、高潔で素晴らしい文化を誇る民族で、周囲の特に中韓の劣った人間とは違うのだという、日本会議の連中が声高に喧伝している事に一切組しませんし、日本人が特別な民族だとこれっぽちも思いません。しかし、それでも相手に対するきめ細やかな心遣いや相手を慮る文化がある事も知っており、私はそれをやはり誇らしく思うのです。そういった風土がある国では、お話のような人間は生まれてきづらいものがあると思いますが、どうでしょう?仏教的、儒教的感性が深く影響していると思いますが、何故クリスチャンが多くいる国の方達にあのような犯罪者まがいの人間が多いのか。それとも私の偏見なのか。「冤罪」は実は日本でも多いですよね。結構あります。「袴田事件」は有名ですが、三重の毒ぶどう酒事件」な

返信
ひとし
3/23/2018 09:44:11 pm

コメントありがとうございます。本当ですよね。
なぜあんな事ができるのか?僕にも分かりません。
言えるのは、日本は平和でいい国だという事です。
アメリカは自由でいい国、とでも言いましょうか。

闇に葬られた人たちはさぞ無念だったでしょう。
僕はこの事件を通して、映画のように2時間で完結するスリルでなく1年のリアルを体験できました。
本当に辛かったです、人間不信に陥りました。
でも、翌年ブラジルで暮らして、本当に心の温かい人たちの中で癒されました。本当に感謝な1年でした。

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