ギターでアドリブするための、指板の構造とコード理論の学び- HKGuitar
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コードトーンの練習をすると、ムダな音を削ぎ落とすテクニックが身に付く。なぜ?

10/19/2015

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コードトーンの練習はスケール練習より有益です。

弾くのが困難だけでなく、ハーモニーに対する各音の感覚も養えるからです。

つまり耳が鍛えられるわけです。

となると速く正確に弾く練習では意味がありません。

では、どうしたらいいか?この記事では僕の個人的な意見を紹介します。


コードトーンの練習はスケール練習より有益か?
​

コードトーンだけを弾くエクササイズは、スケール練習より有益です。

  1. コードトーンはスケールより弾くのが難しい
  2. 耳を鍛えられる
  3. 無駄な音を削ぎ落とすようになる


1. 単純に弾くのが難しいです。

コードトーンは4音しかないので運指が難しく、弦を行き交うのでピッキングも難しいです。

スケールは半音と全音の音の並びで、一旦覚えたら結構簡単です。

そのせいか、いかに早く正確に弾けるか?の追求となってしまう人は多いのですが…

その価値観が強いとコードトーンを練習しても、同じ事をしてしまいます。

コードトーン=アルペジオ=スウィープとなりがちです。
​
そうではなくゆっくり弾いて、コードトーンだけで何とかメロディを紡ぎましょう。


2. 耳を鍛えられる

ノンコードトーンの装飾音なしで、メロディの骨格だけを描くのです。


厳選された音の、しかもどの音が安全、強力か、カラフルかで、といった価値観を養います。

それは音使いだけでなく、発音する長さ、置く場所、強弱、などにも影響されます。

コードトーンで弾ければ、当然音が外れる事になりません。

それができてこそ、装飾音やアヤシイ音のさじ加減も分かってくるのです。


3. 無駄な音を削ぎ落とす視点が生まれる

最初スケールでアドリブできるようになると、それだけで楽しいです。

慣れたら、一つ一つの音を吟味するようにならないといけません。

そうでないとリスナーとしてのあなたのレベルよりも、ギターを弾く身体能力の方が上回っている可能性が高いです。


あっても使わないなら捨てた方が、自分自身が明確になると感じています。

自分の価値観が音楽を通して現れるのであれば、無意味な装飾音は弾かずに吟味された音を弾くべきだと思うのです。


​となると…


コードトーンの練習はスウィープしてはいけない、ゆっくりやろう
​

まずゆっくりコードトーンを上下しましょう。

スケールよりも運指が難しいですし、各音の意味を聴き取るためでもあります。

慣れたら8分音符でやるだけでなく、適当に音を伸ばしたりしましょう。

1オクターブか少し広いくらいの狭いインターバルでやりましょう。


コードトーンを練習するのにスウィープがなぜ意味がないのか?

スウィープすると速過ぎるからです。


コードトーンの練習は本来、装飾音の無い、必要最低限の音で弾けるようになるためだからです。


ゆっくり弾くと、各音の価値を問わずにいられません。

​だから速く弾くよりもむしろ難しいのです。

音のつながりに意味があるのか、カッコいいのか悪いのかがハッキリしてしまうからです。


早く弾く=多くの音を瞬時に弾くので、1音に情報が込められません。

となると各音の価値は下がります。

実は無くてもいい音ばかりだったりします。

フレーズの骨格さえ示せば、成り立つ場合が多いです。

ムダに発音すると、他の大切な音の価値まで落とします。


これが分からないから、さらに弾きまくる、過激にやろうとするのです。


速く沢山の音を弾くと、聞き手には音の塊という認識となります。

最初と最後の音が肝心なだけで、その他は意味がほとんどありません。

リスナーはいずれそのスピードにも耳が慣れてしまいます。
​


人は一度はノックアウトできます。

でも一度倒した人を馬乗りになってずっと殴り続ける、または殴られ続けるのは異常な集団だと思います。


その過激さがSM的で好きだという人もいます。

あなたはそういうタイプでしょうか?

もし過去にそういうものに疑問を持った事があるなら、雑誌などの洗脳に対して背を向けましょう。


​ムダな音を削ぎ落とすテクニッとは?
​

ムダな音が何かを知り、削ぎ落とすテクニックを学ぶ事です。

僕がいいなあと思うテクニックを紹介します。


  1. 聴こえた音だけを弾く
  2. 各音に情報を沢山込める

というのがお勧めです。
​


1. 聴こえた音だけを弾く
​
テクニック=フィジカルという認識ではいけません。

メンタルな要素が多く含まれているからです。


アイデアがないと音を効果的に聴かせられません。

アドリブをするために与えられている情報はグルーヴとコードです。

そこからどう触発されるか?


これまで手癖で弾いて来た事を一旦否定してみましょう。

本当に自分は何が聴こえているのか?


そこにフォーカスして、それだけを弾いてみる事です。

それだけで無駄な音はかなり減らせるはずです。

​
まずリズムとコードに対するアイデアが自分の中に乏しかったら、何も生まれません。

それはメンタルなアイデアと言えるでしょう。

リスナーとしてのレベルと、それに関連づけられた音楽理論(と限定する必要はありません)の理解が役に立ちます。


アイデアをいかに音に変換するか?の問いに答えるのが、フィジカルなテクニックなわけです。

だからメンタルなアイデアに乏しかったら、フィジカルなテクニックだけを鍛えてもダメなのです。

でもこれまでそういうものしか聴いて来なかったら?

それには遅く弾く地味なミュージシャンを良く聴く事がお勧めです。

なぜ一見テクニカルでないのに、派手でないのに支持されるのか?を観察しましょう。



でも、無駄な音を捨てるのが難しい事は分かります。

だから敢えて制約を設けるのです。

その一つの条件、縛りとしてコードトーンだけに削ぎ落とす事が、耳を鍛える意味でもベストです。



2. 各音に情報を込める

試しに1音に沢山情報を込めようと努力して見て下さい。

そうすれば、決して速く弾けません。


ダイナミクスに気を付けたり、ピッキングの角度で音色を変えてみたり、ビブラートを速くしたり、色々できます。


​でも、たったそれだけで聴く人は「気持ちを込めて弾こうとしてるんだな」、「1音1音を大切に弾いているんだな」と汲み取ってくれますよ。

それにメロディでコードの響きを醸し出すために、聞き取り可能なスピードで弾かなければ意味がありません。


これはコード楽器がいなくても、コード進行をメロディで描くというテクニックです。


この練習はヴィジュアルな効果はなく、心に染みるような演奏を追求する人向けでしょう。

これに価値を見いだす人と、見いださない人とで大きく分かれます。

ギターテクニックに興味がある人を圧倒するのが目標なのか、リスナーとこころを通わせたいのかが分かります。

​だからどうせ練習するなら…


短く、簡単なコードトーンのフレーズをストックする
​

僕はストックしたフレーズを完全否定するわけではありません。

でも、どうせストックするなら、リズミックで短いフレーズ、アイデアを沢山ストックしましょう。


なぜか?

​使い勝手がいいからです。

シンプルでヒネリを加え易いのです。

状況に応じて、どうにでも使えます。

継ぎ合わせれば長いフレーズにもなります。

ヘンな継ぎ合わせにするとアウトフレーズになります。


短いフレーズなら心でしっかり歌う事ができます。

リスナーも聴き取りやすく、安心できます。

​
コードトーンだけのシンプルで短いフレーズを練習しましょう。

それを沢山ストックしていきましょう。


僕はそれが基本だと思います。

ベーシックなものは、何にでも合う、どうにでも変えられる、付け足しやすい、人工的な感じがしない、など全てに利用可能なのです。

また、時代を超えて生き残って今も使われているものなのです。

難易度が増すほどに、基本抜きではゴマカシが効きません。


できればコードトーンだけの短いフレーズをストックしましょう。

そこに自分なりのヒネリ、遊びを加えていくだけです。

凄いフレーズだけを仕込んでおいても、使う瞬間にスラスラと自然に出ては来ません。
​


僕も昔、準備したフレーズをやろうとした事があります。

でもちょっとズレたり、気持ちだけ先走ってしまってイヤな経験があります。

使い勝手が悪いのです。


ギター以外で例えると…


英会話に例えると分かり易い
​

英会話でいうと、have, take, get,  などの基本的な単語みたいなものです。

他の単語との組み合わせで無数に使い回せます。

もちろん専門的な単語もあるわけですが、それはむしろ限定的な状況下でしか使えません。

ところが日本の英語教育では高度な文法と語彙を学びます。

そして、頭の中でじっくり考えたフレーズを難しい単語を織り交ぜ話します。

ところが、ほとんどの用途ではシンプルな単語、フレーズの組み合わせで事足ります。

その方が自然であり、人のこころにもダイレクトに伝わるのです。

ようは伝え方であり、どう伝えるかがテクニックなのです。

簡単な言葉を使っても雄弁に語れる人になりたいです。



学者などは専門分野を学者同士では語り合えますが、一般人とは全く意思疎通出来ない人がいたりします。

ジャズ言語を話す人がそういうタイプになりがちです。

そこがどうしても僕は一歩下がってしまう所です。

ジャズの専門用語に通じたい気持ちはいつもありますし、それが目標でもあるのです。

でも一方でブルースを基盤に誰とでも語り合える方が、僕にはしっくりくるという気持ちをどうしても否めません。


リズミックで短いコードトーンだけのフレーズをゆっくり練習し、沢山仕込む
​

以上を総括すると、リズミックで短いコードトーンだけのフレーズをゆっくり練習し、沢山仕込むとなります。

そうすると、それをベースに使い回せるからです。

シンプルだからこそ歌えて、感情を込められます。

練習の時から常にそれを意識していれば、少ない音で説得力が増すでしょう。


となると、じゃあコピーは?という意見が聞こえそうですが…


コピーするなら分析し、自分なりのヒネリを利かせよう
​​

最後に少し話しがそれますが、コードトーンなどやらなくてもコピーを沢山すればいいのでは?という意見に対する僕の考えです。

コピーをする事はいいのですが、それだけではダメで、分析して自分なりに消化する事が大切です。

​そして弾く時は自分なりのヒネリを必ず利かせましょう。

それをしないと、全く違う価値観で進んでしまいます。

フィジカルなテクニックに時間を費やしている人は、リックの仕込みがメインテーマのように見えます。


コピーしたものを少し変えて、また仕込む。

するとそれを繋ぎ合わせたアドリブができるようになります。

大抵、そういう人は圧倒し、威圧的な演奏を得意とします。

でも、本人不在の、有名人の美味しいとこ取りの演奏となります。

それができる事がすごいんだ、という所を見せたい気持ちが伝わります。

ちょうど、女の子が化粧し、整形し、本人の顔からはかけ離れた写真を披露して、その反響を喜んでいるようです。



僕も10代の頃、経験あります。

動機が、カッコ良く見せたい、モテたい、目立ちたい、というものでした。

そのためのテクニックでした。

派手なテクはできても、それ以外は見せ所へのただのつなぎです。

つなぎという認識なので価値を置いていません。

だからコピーはできても上手くなるわけがありません。


なぜでしょう?

実力にならないからです。

僕はコピーを否定しませんが、フレーズをストックしただけでは、いいアドリブになりません。

同じコード進行以外では使えませんし、文脈がスムースにつながらないのです。

わざとらしく、不自然で、圧倒したいという思い、一生懸命さがバレてしまいます。


では何をすべきか?



コピーしてもしなくても、分析するのが大事です。

「なぜこういう感じに聴こえるのだろう?」

「どうやったらこんな気持ちになるんだろう?」

「目立たない部分はどう弾いているんだろう?」

と分析して、答えと自分なりのアイデアをストックしていくのです。


日本の車は世界でトップと言えますが、最初はやはりコピーから始まりました。

貧しい上、ガソリンが高価で、狭い道路の日本でも通用する車を開発しました。

欧米人より身体が小さい日本人向けの車を開発しました。

でも最初は日本人も、アメリカの車を一旦バラして分析しました。

そして仕組みを理解し、日本人に合ったものに作りかえ、改善を施していきました。


​つまり、コピーしても使えない事を知ったのです。
​


それを知っていて、分析するためにコピーをするのは素晴らしいです。

となると分析さえできれば、完コピしなくてもいい場合が多いはずです。

しかも聴いて分析するだけなら、ギターを手にしなくてもできます。


それにはまず音楽を聴いて、「なぜこうなる?」という好奇心を持つ事から始まります。

​


なぜこうなる?が分かれば、自分らしく実現するために工夫し、鍛錬するだけです。

「あの人はこうやってこういう感じを出しているけど、オレならこうやるぜ。」

そうやって自分なりのヒネリを入れて練習するのが健全だと思うのです。


最後に
​

僕の主観が沢山含まれていますが、参考になれば幸いです。

価値観を共有できる方、そうでない方にも一応僕がどんな意見を持っているか分かったと思います。

とはいえ、それもギター人生の通過点に過ぎません。

今後も変化し続けるでしょうから、絶対とは言えません。

歳とともに楽しみ方が変わるので、終わりはありません。

それが音楽のいいところですね。
​
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