ギターでアドリブするための、指板の構造とコード理論の学び- HKGuitar
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コードトーンアドリブ初心者 - ペンタトニックやメジャースケールは分かるけれど、先に進めない方へ

5/21/2019

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結論から言えば、コードトーンはスケールの何倍も難しく、何倍も重要です。
​
ギターでアドリブをするなら、まずはブルースでペンタトニックスケールから始めるのが妥当でしょう。
そしてメジャースケールも覚えて、何となくフレーズを作れるようになる…ここまでは何の壁も感じずにやれたかも知れません。

しかし、それに慣れてきた頃から「スケール上下してるだけ、他にやる事って無いの?」「音の選び方って何?」「理論を勉強しないとだめ?」などと、色々悩むようになります。

その頃になると、「もうスケールではどうにもならない」事に気づくようになります。だとしたら、今が学ぶその時です。それに気づかないとしたら、まだ耳が十分に育っていないのかも知れません。
​


メジャースケールだけでアドリブ出来る?
​

「メジャースケールで、そこそこアドリブできます」

と発言する人はいます。

確かにそうとも言えるけど、言う人と受け取る人のレベルによって意味が全然異なります。
​
​
プロのジャズギタリストで、コードトーンを死ぬほどやった人が、それ言っちゃ誤解を与えると思います。

ジャズギタリストなら、コード進行に合わせて、スケールから簡単にコードトーンを抽出できちゃうからです。

スケールを弾きながらもアルペジオ的でない、コードトーンを意識したメロディを作れるからです。


コードトーンを弾ける人なら、メジャースケールだけでもアドリブできると言う事です。

メジャースケールを知っているだけでは、コード進行に沿ったアドリブができるわけがありません。

コードトーンに取り組んだ人なら、文字通り信じる人などいないでしょうが…


コードトーンの視点が全く無い、もしくは始めたばかりの人がそれを聞いたら…

「そうやって言うけど、じゃあ俺はなぜできない?」

「じゃあ、もっとスケール練習を真剣にやればいいのか?」

「プロが言うならコードトーンでなく、スケールでいいんだー」


と混乱させてしまいます。
​

ジャズをやっている人ならスケールを弾いていても、コードしか考えていないでしょう。

それくらいコードは大切だと、断っておき…


​シンプルだけど効果的な方法

まずスケールでアドリブしながら、その中の1音の響きに慣れて行く方法を伝授します。


​あるコードに対して、特定の音がどんな響きになるのか?

一つずつ試して、感じて、確信に変えていく、と言うやり方です。

これは昔から僕がレッスンで教えている方法です。

​


いくつかのレベルに合わせて説明
​

  1. ​スケールしか知らない
  2. コードトーンを意識し始めた
  3. コードトーンで少し弾ける
  4. コードトーンは大丈夫

順に少しずつ難易度が増していきます。

​


1. スケールしか知らない

スケールの7番目の音にフォーカスして、アドリブしましょう。

コードトーンをマスターする事がゴールですが、長い道のりです。

挫折する人が多いため、簡単で実践的なアイデアを紹介します。

スケールのある1音が、コードに対しどんな響きかを実験します。

今回は1625のコード進行に対し、スケールの7番目の音を選びます。

Cのキーだと、C - Am - Dm - G7です。

特に、CとAmに対してスケールの7番目の音(B、シ)を強調します。


まず1音を狙えるようにしよう
​

7thコードを弾く、といえば簡単だと思うでしょう。

しかしレッスンなどで、

「じゃあソロの中で、7thの音を選んで弾けますか?」

「…」


これができない人が多いです。

コードを弾いているのに、その中の1音を選べない…


何が問題なのでしょう?

それは…


スケールとコードが一致しない
​

二つを全く別物として見ているからです。

単純にコードの押さえ方を知っているだけ、という人です。


優先順位とか、バックに何が鳴っていて、何をマッチさせるといいかなど知りません。

知っていても、考える余裕がありません。

とりあえずスケール=線を上下するのみです。


コードの響きは何となく耳で感じてはいるけど、対応はできない。
​
Cメジャースケールなら、Cを中心に弾き、AmでAを弾ければ、ましな方と言えるくらいです。


だから C - Am のコード進行で、Bの音をロングトーンやフレーズの締めくくりで使う事はできません。

経過音としてカスる事はあっても、強調できません。

適当にならコード進行に合わせて弾ける人も、隣接する音を辿る弾き方です。

​
​動画では最初からBをロングトーンで弾いています。
​


2. コードトーンを意識し始めた
​

次のレベルで…

中にはコードトーンを意識して弾く人もいます。



でも慣れていない人は、ルートの半音、または全音下という視点がありません。

7thとなると、自動的にアルペジオの1357と反応しがちです。


​つまりコードとはルートからの3度重ねという視点のみです。


下からも上からも眺められるようにしましょう。

​ピンポイントで弾けるようにしましょう。​


もしそれらは簡単だ、と言うレベルの人は、下のようなコードトーンも視野に入れてトライしてみては?


3. コードトーンを少し弾ける
​

次は、コードトーンを少し弾ける人に役に立つアイデアです。


7thコード(テトラッド、4和音)となると、3rdからのトライアドを弾くこともできます。

バンドがCトライアドを弾いていても、B(7th)を弾けば、全体でCmaj7の響きになります。

この際、Em(3rdからのトライアド)と捉えて弾くのもいいです。

ソロでも伴奏でも、重宝するアイデアです。


Amに対して、Bは9thです。

同じくEmを弾くといい感じの距離感が出せます。

​サンプルの中でも弾いています。


参考のために、ダイアトニックコードの4種に対し、右が3rdからのトライアドです。

  • メジャー=マイナー
  • マイナー=メジャー
  • ドミナント=ディミニッシュド
  • ハーフディミニッシュド=マイナー


この視点が非常に大切です、なぜなら…


サブスティテューション(代理)への第一歩
​

難しい用語ですね。

​任意のコードに対し、別のコードをあてがう、代用する手法です。

「7thコードくらいで大げさな」

と思われるかも知れません。

しかし、決して軽んじないで下さい。

なぜなら…


ルートを弾かないと、浮遊感のあるメロディになる
​

まずルートを弾くことは基本であり、大切です。

それをわきまえた上で、あえて3rdからのトライアドだけを弾くと、落ち着きません。

​落ち着きどころ(ルート)を排除しているので当然です。

その分、少しだけ距離感を演出できます。


これが非常に大切なポイントです。


アウトフレーズとか、よく騒がれます。

でも0か10か、白か黒かというものでもありません。

例えば、ポップソングでアウトフレーズなど不要な時に、上手く弾けますか?

ジャズ以外、多くのスタイルではアウトフレーズなどいりません。

むしろ、ささやかに距離感、浮遊感を出す方法を習得すべきなのです。


4. コードトーンは大丈夫

インターバルにバラしましょう。

​
​最初のyoutubeサンプル動画でも、3度インターバルで弾いています。

結果的にCやAmに対し、Gトライアド(2:47〜)となってます。
​

3度だけでなく、ルート〜5th、3rd〜7thは5度となります。

音程差が激しいので、短く弾けば鋭角な動きになります。


それぞれ逆さまにすれば、4度になります。

またドミナント、ハーフディミニッシュドではトライトーンも含みます。


トライトーンに馴れ親しむのは重要です。

緊張と緩和のコントロールが1つ。

もう1つは、表裏の関係を捉えるために欠かせないからです。


​最後に…


際立たせたいなら、頻度をコントロールする
​

スケールの7番目の音を、フレーズの最後やロングトーンで使う以外に、もう一つアドバイスがあります。

ペンタトニック(7を含まない)のフレーズをしばらく弾き、リスナーの耳を慣らす仕掛けをするといいです。


慣れたところで、さりげなく7番目の音を弾くだけでも際立って聞こえます。

聴覚は相対的ですから、頻繁にヒットすれば慣れます。
​

全体の雰囲気がオープンな感じ、浮遊感を出したければ、多めに弾けばいいでしょう。

逆にここぞと言う時のスパイス的なニュアンスが欲しければ、出し惜しみすると良いです。
​

ベストタイミングを待ちましょう。

​そういった抑制の美学を知ると、楽しみが増えます。


ここまで、いかがでしたか?
​

たった1音の使い方でも、いくつかの視点を持てます。

音数を増やす前に、この学びをするといいです。

僕は昔、その逆をやってしまいました。

手に負えなくなり、使い方も乏しく、基礎へ戻る事になりました。


あなたはどうですか?


足せばいい、増やせばいいというものでもないのです。

少ない方がコントロールが利く、使いこなせます。

使いこなせる=つまり自由になれるのです。
​

難しい事へチャレンジ、それは魅力的に感じます。

でも少ない音でいかに、色々できるか?

それもまた同様に、難しいチャレンジなのです。

​


​ロングトーンやスロープレイの大切さを通して、コードトーンを習得する

​ロングトーン、スロープレイは感情を込めるために大切です。

あまり知られてませんが、コードトーンを習得する効果的な方法でもあります。

今回は、スケールの2番目の音をサンプルに説明をします。

ペンタで使い古した感じのあるこの音ですが、息を吹き返すような、フレッシュな感覚を得られるでしょう。


​スケールの2番目の音でやってみる

ロングトーンでコードとのマッチングを確認して下さい。

自分は同じ音を弾いていても、コードが変わるたびに違った感情が湧き上がるでしょう。

その体験を増やし、なぜそう感じるのか?を分析します。

1−6−2(4)−5を機能で分けます。

1と6=トニック
2(4)=サブドミナント
5=ドミナント

慣れたら各コードでもフォーカスできるようになって下さい。


コードの響きを感じ取れるか?
​

add9のコードを知っている人は、ロングトーンでその響きを確認して下さい。

前回のメジャー7やマイナー9もそうでした。

すでにコードで弾いていたにも関わらず、その音はアドリブのネタになりませんでした。

なぜでしょう?

スケールとコードは別物と考えていたからです。

成長するに従い、以下の変化をたどるでしょう。

  1. スケールを覚えればアドリブできる
  2. スケールとコードは切っても切れない
  3. スケールなどどうでもいい、コードが全て


スケールの7番目の音と違い、2番目の音はまた違った現実を知らされます。


2番目の音はペンタで弾いてきた
​

スケールの2番目の音は、すでに手垢がつくほど弾いてきたはず…

この音、このポジション、なぜその使い方に盲点があったのか?

コードの重力を無視という証明です。


「ペンタは弾ける、違うスケール覚えなきゃ」

と言う前にやる事はあります。

ロングトーンやスロープレイで、各音の効果を知らねばなりません。

色んな人のリックを覚える時、それは概して速弾きやパターンやトリックである事が多いです。

そんな事しか関心が向かないからこそ、灯台下暗しになります。


ロングトーン、スロープレイの効能
​

この動画ではなぜコードトーンの習得が難しいのか?

そしてロングトーン、スロープレイがどれほど効果的で、コードトーンの習得に役立つかを説明します。
​


アドリブ=スケールからアドリブ=コードに意識を少しずつ変えよう
​

前回の記事から、スケールの中の1音だけにフォーカスし、響きを確認してきました。

このシリーズはコードトーンの習得が難しいので、少しずつ慣れて行く企画です。

ところでコードトーンはなぜ難しいのでしょう?

  1. 各弦に1音または2音、つまり弦移動が激しい
  2. コードが変わるごとに、選ぶ音も変わる
  3. メロディが作りにくい


1. 弦移動が激しい
​

コードトーンは、各弦に1音または2音しかなく、弦移動が激しいです。

肉体的に弾くのが難しく、ピッキングのスキルが問われます。

スケールは各弦に2、3音なので、弦移動はあまり激しくありません。

コードトーンに慣れれば、いつも弦移動している訳ではないと分かるでしょう。

最初はそう言う印象を受けても仕方ありません。


2. コードが変れば、選ぶ音も変わる
​

スケールだけの視点だと、コードが変わろうがおかまいなし。

一本の線(​スケール7音)を、上下するだけです。

テキトーに音を繋いで、フレーズの落とし所を探します。

だから速弾きはごまかしと言うのでしょう。


コードトーンは違います。

スケール7音から、3音か4音を抽出します。

コードが変わるたびに、違う音(共通音も含みますが)を抽出します。


スケールだと、見えているものが一つの線(7つの音)、対して、コードトーンでは4つの音の組み合わせ(ダイアトニックコード)です。

ダイアトニックコード=7thコード(4音)の7つの組み合わせです。

それは基礎であり、ダイアトニック以外のコードがあればそれ以上です。


だからスケールとは比較にならないのです。


3. メロディが作りにくい
​

コードトーンの必須の練習方法で、アルペジオをします。

上の1と2を習得するためにも有益です。

ところがアルペジオをやっているだけでは、メロディになりません。

いくらやっても機械的に聞こえるだけです。

もちろんそれを素材としても使いますが…


メロディの骨格をなすのがコードトーンです。

アルペジオでは、その意味は分からないでしょう。

コードトーンでメロディックに弾くには、アルペジオをやっている以上ダメだと思いませんか?


以上3つをまとめると…


成果がインスタントに見えない
​

だから挫折してしまいます。

アルペジオの練習はハードです。

しかも、やってもメロディックにならない…

「機械的なアドリブになるだけじゃないか?」

「かっこいいフレーズのコピぺの方がよっぽど良くね?」

今すぐ、プロセスはいらない、結果だけが欲しい…そんな世の中になってしまいました。

全てがインスタントなご時世、結果だけを欲しがる人は必ず挫折します。


タップやクリック一つで何でも解決すると思ってはいけません。


と、断りを入れておいて…


ロングトーン、スローフレーズが救い
​

ロングトーンやスローなフレーズ主体に弾くと、スケールでアドリブしても全く響きが変わってきます。

伸ばしている間、コードの響きと完全にブレンドするからです。

コードの重力に対してどの音を選択するか?

その問いに対し、注意深くならざるを得ないからです。



感覚的にできる人もいます。

ただ必ず吟味して下さい。


でないと再現性が低く、慣れた場所でしかできません。

最初はそこから始めるしかありませんが…


​​
だから救いはあります。

​唯一必要なのは…


謙虚な心
​

謙虚にロングトーンやスローフレーズで練習する事です。

弾けるようになる=沢山の音を弾けるようになる、だけでありません。

少ない音を効果的に弾けるようになる事も大切です。


謙虚に、と言うと腹がたつかも知れませんが…
​

突き詰めてやれば、どれほど効能があるか気づくでしょう。

「ロングトーンやスローフレーズのマスターになるんだ」

とポジティブになれたら素晴らしいです。


どんな効能があるのかと言うと…


ロングトーンやスローフレーズの効能
​

  • 各音の響きを確認しやすい
  • コードトーンのつなぎが楽になる
  • 小節線を動かす事が楽になる
  • エクステンションが楽に使える
  • なだらかでメロディックになる


要するにバラードのテーマを弾くようなものです。

いずれも重要なトピックです。

何でもゆっくりやる、響きを感じながらやって下さい。

​沢山弾かなくてもいいと分かるでしょう。

1音に含みを感じさせるような弾き方、と僕はポジティブに捉えてます。


ギターを使って耳を鍛え、指板を把握する

耳を鍛えながら、コードトーンを把握する方法を紹介します。

これをやらないと、いつまでたっても上達できません。
​
「コードトーンはアルペジオを練習すればいいの?」確かにアルペジオは必須です。

練習と言うと、フィジカルなものばかり頭に浮かびますか?

だとしたらそれは危険なサインです。


スケールの6番目が、コードに対しどう響くのか?説明します。決定的な違いをもたらしてくれるでしょう。
​

​


1つの音の響きがコード進行に対してどう変化するか?
​

コードが変わるたびに響きがどう変化するか?

ロングトーンやスロープレイを通して身につけます。

是非トライして下さい。


ところであなたは耳を鍛える練習をしますか?


難しすぎ、もしくは甘過ぎ

イヤートレーニングアプリは、外出先ではいいでしょう。

闇雲に耳を鍛えるよりは、指板上でコードフォームと関連づける事をおすすめします。

何もない状態で音程を聞き取れる、そうなりたいものですが…難しいです。

それに結局は指板上で音の位置を把握せねばなりません。


​コードを鳴らし、それに対する度数、響きを自分になじませる練習をした方が現実的です。

耳を鍛える事、コードトーンを覚える事、この二つを個別に練習するのは社会人には厳しいです。


反対に、youtubeなどのバッキングトラックはかっこいいですが、情報が多過ぎて邪魔です。

コードトーンを把握しようにも、集中できません。

​これに合わせてアドリブすれば、適当にやっても楽しく、気持ちよくなれますが…

スウィングやファンクのグルーヴ、かっこいいベースやドラムの動き、エクステンション混じりのコード…まともな練習になりません。

響きをよく聞き取る必要があるからです。

だからシンプルにトライアドを鳴らすだけのものが欲しいです。


スケールの6番目の音
​

1625のコード進行でデモを弾いています。

C - Am - Dm - G7

スケールの6番目の音はAです。

だから…

  • C - 6
  • Am - R
  • Dm - 5
  • G7 - 2


少し距離感を与えるなら、トニック1コード=Cの6th、ドミナント5コード=G7の9thという使い方です。

コードトーンとなる、Am(Root)とDm(5th)はコード進行を強調するのに良いでしょう。


響きをよく聞く
​

1つの音でも、コードが変わるたびに響きが変わります。

それぞれのコードに対し、役割が違う事が分かります。


これまで吟味せず発音してきましたか?
​

スケールの7番目、2番目、6番目の音をやっています。

なぜその順にしたのかというと、多くの人はトニックを基準に覚えるからです。

距離感とかカラーを感じやすく、また見つけやすさなどを考慮しました。


その点、6番目の音は若干、地味かもしれません。

下の動画のCトライアドに合わせて、Aの音がどう混ざるか確かめて下さい。

これがC6コードの響きです。

使っている音はAm7と完全に一致していますが、Cがベースだとマイナーの響きが薄らぎます。

どっちかよく分かりにくい響きとも言えます。


ビバップではよく聞く音
​

Cトニックに対し、Aの音でフレーズを締めくくる事はよくあります。

ビバップではチャーリーパーカーなどで聞けます。

2番目の音もそうですが、フレーズの締めで使う時は優しく弾きましょう。

その方が意図して弾いている感じがして良いです。

この使い方は最初は違和感があり、慣れが必要です。


ルートの安定した音
​

Amに対してはルートになります。

​超安定した響きです。

先ほどとは逆にAm以外に考えられない響きとなります。
​​


5thの響きを知る
​

Dmに対して、Aは5thとなります。

同じ音を弾いていても、完全に響きが違います。


9thの響き
​

G7に対してAは9thとなります。

G7はトニックに向かう働きがあるので、9thを弾くと距離感があり効果が増します。
​​


​2つの音で効果の違いを実験

今度は2つの音を使って、コードトーンとノンコードトーンを行ったり来たりします。

コードの重力を感じながら動いてみましょう。

ベンドしてやると…
​​


すでによくやっている動き
​

ベンドしやすいポジションとして、みんなやりますよね?

で、やり過ぎて次第に…

「なんか他にもっとやれる事ないのか?」

と悩みに変わったかもしれません。


悩みは良い兆候で、そう感じて初めて次のステップを踏めるようになります。

だから死ぬほどやればいいです。

悩みながらも同じ事を続けて下さい。

そうすると…
​
ある時点で自然に次の音が見えて、聞こえてくるでしょう。

その時に自分のフレーズを弾けている実感が湧くはずです。


振り返るとすでに知識として学び、練習もしていた事だったと気づくでしょう。

でも、その開眼を早める方法はないのでしょうか?


テクニック=フィジカルをやめないと分からない
​

「なぜこれをベンドしなければいけないのか?」

「スライドではダメなのか?」

などと疑ってください。


どんなにスラーテクニックを変えても、粘りのニュアンスが違うだけで、音そのものは変わりません。

音符にすれば、GからA、AからGです。
​

スケールしか考えない人はそこが壁となります。

フィジカルなテクニックに原因がある、と信じているからです。

テクニック=フィジカルと考えています。


「なぜだろう?」

「各音には意味があるのか?」

と考えるプロセスが大切です。
​

コードの重力を無視していては分かりません。

それに気づくまで悩むと良いです。

音の選択もテクニックだと気づくためです。

​これは見えないテクニックです。


コードの重力に対してどうなのか?
​

これを知らないなら、適当に弾いているだけとなります。

見せびらかす為に色んなテクニックを練習をして来た人は、ここで完全に打ちのめされてしまいます。

​…僕がそうでした。

​
9th、11th、13th…

「コードってなぜこんな面倒な書き方を?」

「何か理由があるのか?」

そう思った事はありませんか?


そんな時は実験、分析あるのみ。

理論が分からなくても、これくらいの事はできるはず。

大げさに聞こえますが…
​


弾く順番
​

G7の音を聞きます、そしてGの単音を弾きます。

どう感じましたか?

コードの響きに対して、ど真ん中ストレートの音、これ以上ない安定感、安心感…

どんな言葉を思い浮かべますか?

自分の言葉で表現してみてください。

何かに例えられると、自分のものにしやすいです。


ノンコードトーンの響きを改めて感じる
​

G7をもう一度聴いて下さい。

そしてAの単音を弾いて、どう感じますか?

スケールの2番目の音で、トニックに対して感じた距離感と同じです。


「いや、ちょっと違う。全く同じ響とは言えない」

ドミナントとトニックの響の違いに気がつけば、大したものです。


どっちにしても、コードと完全一致した響きから、そこから外れた響きになった事を確認しましょう。

そのままほったらかすと…


知っている、は疑うべし
​

G9のコードになります、G9のフォームはすでに知っているでしょう。

Aの単音をロングトーンで弾いて、G7コードをじゃらんと弾く。

どう感じましたか?
​

外れている、落ち着かない、遠い、浮いている、オープンな感じ、はっきりしない、嫌な感じ、…

など自分の言葉で表現して下さい。


ドミナント9はすでに弾いてきたかも知れません。

しかし、その音の意味、響きを本当に味わってきたでしょうか?


「ダイアグラムでフォームを覚えたくらいで、知っていると勘違いしていたんじゃないか?」

「初めてコードの響きを聞き取っているようだ…今まで何してたんだ?」


疑う事なしに成長はないと思います。


では、フレーズの最後をこの音にするという事は?

この印象で終わらせるという事なのです。


コードトーンに戻ると
​

全音上か下かに動くとコードトーンになります。
​

ルートに収まると、どう感じますか?

3rdでは、どう感じますか?


落ち着く、気持ちいい、2音なのにメロディックにさえ感じる…

自分の言葉で表して下さい。

​
この感じを知っていれば、2音だけで済ませられるのです。

音数を調整する術を知る事は大切です。

弾きまくる状況と、少ない音で聴かせる時と対応できるようにしましょう。


そこで重要になってくるのが…


時間のコントロール
​

感情を込めるというと、ダイナミクスとかビブラートとかベンドなどのテクニックを思い浮かべるでしょう。

それ以外にも時間のコントロールも大切です。


  • どれだけ伸ばすか?
  • いつやるか?

コードの重力に対するコントロールとなります。

先ほど、音を伸ばした時の感情を、どれだけ維持するか、もしくは消し去るか?


そして発音する拍でも印象は変わってきます。


露骨にやりたいのか?さりげなくやりたいのか?

​そのさじ加減がテクニックです。


これまでは、ソロ全体の使う量のさじ加減を話しました。


塩のさじ加減一つで味が大きく変わるのと同じです。

新しいアプローチが何だとか言う前に、本当に知るべき事はまだ沢山あると分かります。


ベーシックすぎるくらいがいい
​

このシリーズの3回目にして、難しくなるどころか、どんどん基礎的な話に逆戻りしていると気づきましたか?

第1回目が有益に感じた人は、そこから基礎への旅路をスタートしました。

僕はそのガイドをしているに過ぎません。

分かりきった話をしているだけです。

でも、

「新鮮に感じた」

「初めて本当に知ったような気がした」

と言う人もいるでしょう。


結局のところ…


このメカニズムのバリエーション
​

コードに対し、任意の音がどう感じるか?そしてどこに着地するか?

タイミングをどう調整するか?
​

これが音使いの本質なのです。

あとはそのバリエーションです。

​何やってもいいのです。



そうと知ると安心しませんか?

それについてもぼんやり気づいていたでしょう。

​ただ、ここまで極端な実験をして、自分で確かめないと本当に分からないものです。

そこまで自分を縛らないと見えなかったりします。

沢山のノイズに取り巻かれているからです。
​

本質を知り、そこから広げていくのが自然です。

ただし、そこに到るまでが大変です。

事の重大さに気づけないからです。


色々手を出して苦しんで、本質を探し求めて、結局基礎に戻り着き…

と言うプロセスです。

ひたすら謙虚にさせられます。


だから個人的な意見としては…


新しい情報は有害と疑う
​

新しいアプローチとかもてはやされているものを有害と疑う事です。

「自分はまだそのレベルではない」

「それはトッププロのやる事」

と封印した方が身のためです。
​

いつも英語の例えをしますが…

まともに日常会話ができない人がいたとします。

一生懸命難しい単語や言い回しをしようと、つまりながら話そうとしてたら何と思うでしょう?

「もっと普通に話せよ」


やっても無駄とまでは言いません。

いつかは役立つでしょう。

でも、大変な勘違いをしている事に気がつかないというのが問題です。


虚栄心に取り憑かれていると、目新しいアプローチがさも有益に見えるのです。

「これを取り入れれば、俺は上手いと見なされる」

「クールだ、最先端だ」


迷路にハマるだけです、それよりも…


すでに知っているものを掘り下げ、新しい次元の理解を得る

すでに知っているもの、やっているものを掘り下げて下さい。

本当はそれらの事も、よく知らないで何となくやっているに過ぎません。

くどく言うのは、僕自身そうだからです。

​いつもそうやって疑っています。
​

掘り下げていくと、深いところで色んな情報が繋がっている事が分かります。

まとまり感を得るとは、情報の点と点が繋がる事を意味します。

すでに学んできた事にまとまり感を得ていますか?

​多く仕入れる事より、深みを持つ方が近道です。


アヴォイドノートの扱い方

「しまった、音を外したー」と青ざめる瞬間はありませんか?

誰にでもある事ですが、今回はその代表例を紹介します。

これが分かれば…

「スケールに沿って弾いているのに、変だな…」

「さっき弾いた時は大丈夫だったのに、なぜ?」

という疑問も解消できます。
​
アヴォイドノート、コードトーンを知らない人は無意識に弾いてしまいます。

スケールの第4番目の音をテストし、アヴォイド=避ける、どういう時にNGで、どういう時ならOKなのかを紹介します。

​また、同じ音でもあるコードに対してはアヴォイドとなり、また別のコードではコードトーンであるという話もします。

​


アヴォイドノート
​

アヴォイド=避ける、という意味です。

理論上、避けるとなっていますが、考えたことはありますか?

敢えて使っている曲もたまに耳にします。

聴覚上かっこよければいい、とも言えますが…

アドリブで使うには、理解して使う方がいいでしょう。


スケールの4番目の音を検証します。


トニック系は注意
​

  • トニック(4)
  • トニックマイナー (b6)
  • サブトニック (b2)

​ダイアトニックコードのトニック系では、スケールの4番目の音はかなりリスキーです。

それ以外のサブドミナント、ドミナント系はむしろコードトーンとして必要な音です。

これを細かく見ていきましょう。


何がアヴォイドなのか?
​

弾いてみれば分かります。

トニック系でこの音をメロディの骨格として価値を与えると、変な響きになります。

​これを実際にテストして感じて下さい。

コードの響きを阻害する、と言われています。


個人的にはそういう変な響きが欲しければ、それでいいと思います。

ただし…


​ロングトーン、フレーズの最後の音としない

明らかに失敗、という例を考えると…

ロングトーンやフレーズの最後の音にする場合です。

これらの音は前回までの記事を通して、大切だと言いました。


ただし今回のように、それをしない方が良い場合もある事を知って下さい。

つまりその音を弾いてはいけないのではなく…


価値の高い音として使わなければ良い
​

経過音、アプローチノートなどは大丈夫です。

前回でも書いたように、ここでも時間が大切です。

どこまでオーケーなのかは、テストしながら調整するしかありません。

明らかに変な音と分かっていても、意図している事が通じればいいのです。

最終的にはその人のさじ加減です。

リスクをどこまで取れるか、テストしてみましょう。

今回の動画のように、何度も弾くと耳が慣れてきます。

​ソロの中で何度も短く弾いていると、少し長めに弾いても大丈夫かもしれません。


サブドミナントではコードトーン 
​

ではサブドミナントを見て見ましょう。

  • 2コードではm3
  • 4コードではルート

つまり無くてはならない音です。


「おかしい、さっきミストーンに感じたのに…」


​という経験があったらこの場合でしょう。


スケールの4番目を思いっきりロングトーンで弾いても、大丈夫な時があるのです。
​
その事が分からないと、最悪のケースでスケールの4番目の音=アヴォイドという誤解すらありえます。


だからスケールだけで音を判断する事は不可能です。

バックのコード、重力に対してどうなのか?それです。


ドミナントでもコードトーン
​

ドミナントもコードトーンです。

  • 5コードでは7th
  • 7コードでは5th



僕にとって7コード(ハーフディミニッシュド)は難しいコードでした。

多くの人にもそうだと思うので、これまで避けてきました。


それで1625だけに限定していました。

でも慣れてきたと思うので、4や7も紹介します。

​
ハーフディミニッシュドのb5こそ、ダイアトニックコードの中で唯一のものです。

それがスケールの4番目の音なのです。

トニック系=アヴォイドノートというイメージにより、使うのを躊躇して欲しくありません。

​だから…


サブドミナント、ドミナントに対しては安全な音

サブドミナント、ドミナント=コードトーンとしっかり覚えましょう。

もちろん弾いて響きを覚えて下さい、文を暗記するのは馬鹿げてます。


ダイアトニックコードの3種類の機能を意識しましょう。

動的なサブドミナント、ドミナントには、それ(動的)を感じさせる音と捉えるといいかもです。

ご自身のイメージを言葉で表現して下さい。


外したと思ったら半音下げる
​

それでもアクシデントでやってしまった時は、半音下げましょう。

それで大丈夫です。

対策を講じておく事です。

もちろんこれ以外にも外すポイントはあります。


最も重要な音とは?
​

「最も重要な音は?」​テンションについては色々話すのに、その問いに答えられない…そう訊かれて冷や汗かいてませんか?

​そんなに難しく考えないでください。

あなたはトニックを軽視してませんか?緊張ばかりで緩和を無視してませんか?

​難解なトピックではありませんが、敢えてトニックについて今一度考えて見ましょう。
​


スケールの1番目の音
​

ついにスケールの1番目の音を見てみます。

スケールしか弾けない人は、この音からフレーズを始める事が多いように思います。

スケール練習するとき、常に最初の音から始めるからでしょう。

つまり最も体に染み付いた音と言えます。


安全、帰る場所、改めて感じる

無意識に使っているとは言え、コードの響きをバックにその音がどう感じるか試した事はありますか?

改めて、その落ち着いた感じを確認して下さい。

コード進行にもよりますが、シンプルなダイアトニックコードのものでしたら、その音を弾けば分かるでしょう。

​つまり…


キーをキーたらしめる音
​

トニックを知っている…それは相対して他のどの音にフラットかシャープがついている、という事も含みます。

スケールの一番最初の音ですが、実は曲の最後に締めくくりで使われる音です。

一番大切、安心する音とも言えます。

曲のキーを決定づける音、中心の音…色んな捉え方ができますね。


極論すれば、それとそれ以外の音
​

戻る音、それとその他の音と大別する事もできます。

ちょっと大雑把過ぎるかもしれませんね。

​でも、コード進行が分からない場合には、それくらいシンプルに考えるといいでしょう。

理論的な話になりますが、トニックとドミナントの動き=静と動を極端にするとそう考えても良さそうな気がします。

つい細分化する話に偏りがちですよね?

だから、たまにはそれくらい大きく捉えるのもいいです。


​そこでポイントになってくるのが…


使えば安心感
​

当然ですが使えば安心感、でも下手にやり過ぎると退屈にもなり得ます。

あえて印象付けておいて、そのあとに軽くアウトするのもやりやすいです。

つまり、超インサイドを感じている事になるので、アウトのつなぎさえ気をつければ簡単にコントロールできます。

サニー ロリンズやウエス モンゴメリーなどは露骨に使います。

くどいほどです、それでもいいのです。

例えば、緊張と緩和をテストするのに、半音上下の音にずれる事から始めるといいでしょう。


このように最も安心する音なわけですが…


アヴォイドとなる場合もある
​

コードによってはアヴォイドになります。

​先ほど最も安心する音と書きました。

しかし動的なコードであるドミナントでは、逆にアヴォイドとなってしまいます。

Cメジャースケールで例えると、ドミナントはG7です。

Cの音はG7の3rdであるBの半音上です。

つまりGから数えると4番目の音となります。


ドミナント5と7
​

  • 5コードに対しては、4番目
  • 7コードに対しては、半音上

これらは先ほど紹介したように、フレーズの最後やロングトーンを避けた方がいいでしょう。

動的なコードなので、最も安心する音は居心地が悪いのです。

ただし、例外もあります。


susコード

sus4とかよく見かけると思います。

この場合は、3rdの代わりに4thを使うので、注意が必要です。

​例えば、G7susと書いてあっても同じ意味です。

もしくはG9susも同じです。

いずれもBでなく、Cをヒットします。


表記の仕方はややこしいですね、でももう少し説明が必要です。


表記の仕方を理解する

いずれもsusコードです。

  • Dm7/G=G9sus
  • F/G=G9sus
  • G11
  • G4

このように人によって表記の仕方は色々です。

肝心なのは、3rdでなく4thを弾く事です。

音を多く重ねるかどうかは、プレイヤーに委ねられている事が多いです。

アレンジによってはヴォイシングの細かい指定もあります。


サブトニックは?
​

Cのキーだと、Em7がサブトニックです。

これは5度の半音上で、際どいところです。

動画でも弾いてますが、実は結構気持ち良かったりします。

Cmaj9/Eという響きになります。

​
ただし、Emの響きを表現したい意図には聞こえません。

ですからケースバイケースで使うといいでしょう。


スケールの中で最も肝となる音
​

「アウトフレーズとか難しい…」と漠然に恐れてませんか?

​スケールの5番目の音は「最も使い勝手の良い音」だと思います。

トニックからスケールを眺めるだけではいけません。

他の音からの視点も持つべきです。

​それがモードなんですが…

​中でも最も肝となるのが、今回説明する5番目です。

​


スケールの5番目の音
​

スケール5番目の音を掘り下げます。

どんな印象がありますか?

ちょっと考えてみて…


  • Cメジャースケールのソの音
  • トニック(1コード)の5th
  • ドミナント(5コード)のルート

こんな感じですかね。

ロック系の人ならパワーコードで親しみを感じることでしょう。

ジャズ系の人だと…

「5度は省略することが多いんだよね」

「5コードのルートか、裏コードはどの音かな?」

という印象かもしれません。


最も肝となる音
​

スケールとして捉えながらも、少しコードの視点も加えずにはいられません。

​スケールをトニックから捉える、数える事は基礎の基礎です。

次に重要なのは5番目からの視点です。

トニックとドミナントの動きはハーモニーの基礎の基礎です。

ドミナントの感じを出すには、5番目の音を中心に見る必要があります。


スケールのほぼ中間に位置する
​

スケールのど真ん中の音は#4になります。

5番目の音はその隣ですから、ほぼ真ん中です。

実は多くの人はスケールと言うと、トニック中心に見ています。

無意識のうちに、です。


スケールの真ん中あたりから見れますか?

まずはそこからスタートです。

で、面白いのが…


アヴォイドにならない安全な音
​

ドミナントの話ばかりするので、

「ついに難しくなってくるか!?」

と構えてるかもしれませんね。


これは僕の意見ですけど…

5番目は一番使い勝手の良い音です。

前回の記事でトニック(スケールの最初の音)が最も重要と書きました。

戻るべき所、家、安心する場所、キーをそのキーたらしめる基礎の音、みたいな感じです。


ところが、その音も実はアヴォイドとなりうる説明をしました。

ドミナントに対してはアヴォイドになってしまうんです。

スケールの中の半音の音程がある部分、3〜4、7〜1が問題です。

コードトーンに対し、半音上に位置する音がアヴォイドになります。

4と1の音がそれにあたります。



スケールの5番目の音はアヴォイドになりません。

前後が全音で離れているからです。

つまり、ダイアトニックコード内であれば安全極まりない音となります。


アヴォイドにならないだけではありません…


トニックの5度
​

最重要コードである、トニック1コードに対しても5度となります。

ベーシストはルートと5度を弾きますよね?

1コードの中でも5番目の音は重要なわけです。

当たり前すぎますか?

じゃあ他のコードに対してはどうなんでしょう。

考えた事ありますか?


どのコードにもマッチする
​

  • トニックマイナー(6コード)=7th
  • サブトニック(3コード)=3rd
  • サブドミナント(4コード)=9th
  • サブドミナント(2コード)=11th
  • ドミナント(5コード)=ルート
  • ドミナント(7コード)=b6


弾いて見れば分かりますが、どのコードに対しても気持ちよく響きます。

​アヴォイドにならないからです。


​つまり…


トニックの終始感はないが安全地帯
​

極めて安全地帯と言えます。

トニックは終始感があり、連発するのはくどいかもしれません。

しかもドミナントではアヴォイドになるリスクもあります。
​

その点、5番目の音は重宝します。


僕も、ロングトーンで弾く頻度が最も高いです。

その次が2番目の音だと思います。

感覚的にやっていましたが、アヴォイドとならない安全な音を中心にやっていたんでしょうね。


ドミナントのルート
​

5コードではルートとなります。

7コードではb6なのですが、よくメロディにも使われます。


全てのコードにフィットする…

「ああ、使い勝手のいい音ね」

で片付けないで下さい。


ドミナントのルートなのです。

これがまた重要な意味を持ちます。


ここから少し複雑な話になって行きますが…


ブルースフレーズで重宝する
​

「メジャースケールとペンタは弾けます。でも、つまんないので他に何やったらいいですか?」

よくある質問です。


「じゃあブルースは?」

「マイナーペンタもできますよ」

「じゃあ1625のチェンジでブルースフレーズ混ぜたらどう?」

「???」

となる事が多いです。


いわゆる12小節の3コードブルース、マイナーキーのコード進行でマイナーペンタを使う事しか知らない人たちです。

メジャーキーでも普通に弾けなければいけません


ドミナントの視点
​

​1625のコード進行に対し、ブルースフレーズを混ぜるとしたら?

初心者が始めやすい場所は、5コードです。

ドミナントがトニックに戻りたい、という緊張があるところで変わった音を入れるのが鉄則です。
​

しかもマイナーペンタ(キーがCなら、C Eb F G Bb)の中でも、選ぶ音が肝心です。

CかGで始まり、終わるなら何を弾いても安心です。

メジャースケール、メジャーペンタ、マイナーペンタの全てに共通する音だからです。

あと、最も大切なのはフレージングです。

ブルースフレーズを混ぜるのが不安な人、闇雲にスケールを上下してませんか?


ブルースフレーズとメジャースケールのフレーズが切れ間なく、弾けるように練習しましょう。


変なスケールはこの音からスタート
​

メジャースケールを5番目から見ると、ドミナントの機能を感じやすくなります。

ディミニッシュド、ホールトーン、オルタードスケールを練習するためにも重要です。

メジャースケールをトニック基準でみるだけだと、これらのスケールに視点を変えるのがきついです。

そもそも変則的な音並びです。

これらのスケールに挑む前に、メジャースケールを5番目から見るように癖をつけましょう。

それを基準に上昇、下降に分けます。

変なスケールも半分に分けて覚えると楽です。


ブルースフレーズを混ぜたのと同じです。

メジャースケールを弾いていて、さらっとアウトスケールを溶け込ませると自然に聞こえます。

その場合、露骨にスケール全部を弾く時間はありません。

部分的に使うのみです。

でも、それで十分かっこいいんです。


半分ずつ覚えるのは実用的です。

これまで上手くいかなかった人は、是非この方法をトライして見て下さい。

​


ギターソロに抜群の即効性を秘めるこの音の捉え方
​

「音楽理論だけ勉強してもなあ…」「ギターソロにすぐに役立つネタが欲しい」それなら最も弾きなれた1音から、コードの学びを始めましょう。

​すでに知っている事からでも、色んな事ができます。

「スケールはただ覚えて適当に上下するだけ、簡単でいいよ」
というレベルから、音を選択できるようになると引き出しが豊富になります。

最後はスケールの3番目の音にフォーカスします。初心者からジャズを演奏したい人まで、幅広く役立つ内容となっています。

​


テスト
​

試しに無伴奏で、この音を除外してスケールを上下してください。

どんな風に感じますか?

スケールの3番目の音はメロディを作る上で重要です。


メジャースケールの感覚で弾いていれば、そのイメージがメジャーを思わせるかも知れません。
​

次にフラット3rdで弾いてみましょう。

メジャースケールのそこを変えてしまうと、どうやっても悲しくなります。

​余談ですが、これはメロディックマイナースケールです。

こうして捉えるとシンプルですよね?


それをやった上で…


​普通の3番目の音に変えて下さい。

スケールを上下しながら、とても明るい感じがしませんか?


無伴奏だと、メロディだけでコードの感じを汲み取ろうとします。


スケールのトニックを意識した時点で、3番目の音が明るいメロディを作る決定的要素だと分かります。

当たり前すぎますか?

この原理を良く分かっていれば、スケールだけでなく…


コードでも同じ事
​

初歩的すぎるかも知れませんが、コードでも言える事です。

コードでも3rdが、明るさ、暗さを決めます。

混乱しないで下さい、例えば


  • CならEかEb
  • GならBかBb
  • DならF#かF
  • AならC#かC

​
メジャー3rdとマイナー3rdです。

コード理論の基礎の基礎ですが…


コードトーンを操るとは、瞬時に切り替え可能だという事です。

これは書かれたコード進行に対応するだけではありません。

自分が欲しい時、他人が弾いたもの、にも反応できるようになりましょう。


では、話をスケールに戻して…


メジャーペンタで慣れた場所
​

スケールの3番目の音を使って少しずつ、コード的な視点にシフトして行きましょう。

​メジャーペンタトニックで慣れ親しんだポジションがいいです。


Cのキーで、2弦の5フレットのEとします。


任意の音が各コードに対し、違う機能をする…

シリーズを通して少しずつ説明してきました。


ここから少しチャレンジです。

任意の音から、どれだけのコードを作れるか?

という視点に切り替えます。

​なぜそういう練習がおすすめなのか?


​自分が何を弾いているのか知る

スケールの視点は線です。

隣り合う音を辿るという感じです。


コードはスケール運指の1音飛ばしです。

弦移動が激しく、弾くのが難しい。

そのせいか、アルペジオなどの運指練習にフォーカスしがちです。

でも肉体的な鍛錬だけではいけません。


一つの音がどのコードの何の音なのか?

それを知らずに、アルペジオばかり弾いていては、結局自分が何をやっているのか分からないまま。


​狭いポジションでいいです。

各音を自分が分かっていて、選んで弾くようになりましょう。


ではここから下を読む前に一度、Eの音を含むコードを探してみて下さい…

最低3つは見つかるでしょう。


見つけやすい3つのコード
​

簡単すぎましたか?…

  • C=1コードの3度
  • Am=6コードの5度
  • Em=3コードのルート

ペンタを弾いていたら、CやAmはすぐ気づきますね。

Emはどうでしたか?

​

基礎的なコードフォームを良く知らない人は、これができません。

Emを押さえるのに、AやEのバレーフォームだけ、という人です。


これら3つを見つける事は簡単ですが、すごく大切です。

​後で応用を紹介します。


​まず他のコードも見て行きましょう。


4コードのメジャー7th
​

Fメジャーの7thになります。

​ここでも上と同様な話になります。

Fメジャー7を押さえるのに、AやEのフォームしか知らない人は分からないです。


CやDフォームの押さえ方ができる人は、すぐに分かりますね。

要するに…
​

  1. コードの押さえ方をEADGCのフォームで知っているかどうか?
  2. なおかつ、各フォームを4種の7thコードに変形できるか?


という話です。

まずは…

「一つのコードにフォーカスすればできる」

を目指しましょう。
​
​
でも、そこで喜んでいてはいけません。

一つの音に対して、色んなコードを導き出せるようになりましょう。


2コードの9th
​

2コード、Dmに対してはm9になります。

ここからはエクステンションになるので、少し難しいです。

なぜ難しいのか?


エクステンションを加えると、フォームの選択肢が少なくなるからです。

ここでは押さえ方の説明は省きます。
​

ピアニストと比較すると、ギタリストは制約があります。

だからこそ工夫が必要です。

その説明は後でします。


5コードの13(6)th
​

5コードG7に対しては、13thとなります。

これもDmと同じです。

音が増えるほど、知識を要求されます。

そうでないと使い方が限定されてしまいます。



最後に7コード、Bハーフディミニッシュドに対しては11thとなります。


3番目の音はトニック系のコードトーン
​​

ダイアトニックコードに対し、3番目の音が何なのか?を挙げました。

こうして調べると、改めてトニック系のコードトーン(1357)だと気付きませんか?

サブドミナントでは4コードが、メジャー7で含まれますが…

それ以外のコードはエクステンションとなります。


​シリーズを通して、思い出して下さい。

改めてスケールの135がトニック系である事が分かります。

馬鹿らしいですか?

バラしてみて初めて、当たり前な事が見えてきます。


当然の前提として、教えられてきた事ですよね?


当たり前を疑う、調べるのは、大きなメリットがあります。

違う視点が得られるからです。


応用とは、違う視点を得る事です。

簡単なものをいかに使い回せるか?

できなければ、知識として終わってしまいます。

​
簡単なものを使い回せば色々できます。

​音数に制約があるギタリストは、それが特に要求されている、と僕は思います。


他のコードとミックスできる
​

先ほど3番目の音を含む、C、Am、Emのコードは簡単に見つけられる。

その他は難しいと書きました。


ギターでエクステンションを加えると、押さえ方が限定的になるからです。

ただし…

簡単なコードを使い回す術を知ると、かなり変わってきます。


C、Am、Emを他のコードにあてがうとどうなるか?


例えばFに対して…

  • CはFmaj9
  • AmはFmaj7
  • Fmaj9(#11)


シンプルなアイデアですが、これは大切です。

簡単なコードでも他とミックスした状態を知ると、アイデアに幅が生まれます。


伴奏もソロも同じ
​

これはアドリブする時に、一箇所でエクステンションを含むコードトーンを把握する事に役立ちます。

普通はアルペジオで、下から上に積み上げる意識になりがちですが…

例えば、Fmaj9だと低音域がFトライアドで上部がエクステンションみたいに。

でも、すぐそばでも色んな音を抽出できる、となります。


またこれは、共演者との兼ね合いにも大きく関わります。

コード譜に書かれたコードしか弾けない人と共演する場合、自分が違うコードを弾いてカラーを演出できます。


また、自分がバッキングを一手に担当する場合も、動きを与えるためのいいアイデアとなります。


伸ばす時間に気をつければいい
​

一人で弾く場合、動きを与えると言ってもやたらに弾いて良いものか…?

これには時間が大きく関わります。:

瞬間的なもの、経過として挿入するものならば大丈夫です。


そしてこれら簡単なコードは、移動せずに弾けます。

素早く、行ったり来たりできれば、自分の感覚に任せて遊べます。


​これも簡単なコードだからこそ小回りが利きます。


ノンダイアトニックに対して
​​

スケールの3番目と7番目は、実はシャープ系のキーに対して重要な音です。

なぜなら…

  1. G (F#)
  2. D (F#,C#)
  3. A (F#,C#,G#)
  4. E (F#,C#,G#,D#)
  5. B (F#,C#,G#,D#,A#)
  6. F# (F#,C#,G#,D#,A#,E#)
  7. C# (F#,C#,G#,D#,A#,E#,B#)

シャープ系であれば、遠いキーに転調してもEに#がつくのは最も遠いトライトーンのF#です。

ということは…


3番目の音はシャープ系セカンダリードミナントでかなり安全
​

転調とまで言わなくても、セカンダリードミナントに対して強力な味方です。

例えば…

C - A7 - Dm - G7

1625の6がドミナントになっている場合、A7 ( A C# E G )のC#が問題です。

それでC#に意識が集中し過ぎてしまう悩みがありませんか?

​僕はありましたよ。

Eの音にとどまっていてもいいんだ、となれば気持ちに余裕ができます。

結果、大らかに歌えます。


さらに…

E7 - A7 - D7 - G7

3625の全てがドミナントという場合、特にEの音は重宝します。

コードが変わっても、ここにいれば安全です。

闇雲にそれらのコードトーンを追いかけるのではなく、Eの音から作られるフォームを探して下さい。

そうすれば落ち着いて対処できますよ。


最後に、フラットキーに対しては、スケールの1番目と5番目が変わらずに残る音となります。

ですからフラット系に転調する時は、同様にそれらにしがみつけば良しとなります。

ただし、もっと簡単に言えば…

​マイナーペンタから崩していくのが、ギタリストには自然なやり方でしょう。

​


All the things you are
​

転調するときは、共通音を絡めて弾くとスムースな繋がりができます。

​そのためにもこのアイデアは重宝します。

有名スタンダードのAll the things you areは転調を5回含みます。


キーは通常Abです。

Ab, C, Eb, G, Eという具合に部分転調が激しいです。


それでAbを中心に捉えると、こうなります。

  • C=メジャー3rd
  • Eb=5th
  • G=7th
  • E=b6th

Eへ転調する以外は全てシャープ系のキーとなります。

それらのキーで、共通音となるのが3と7番目の音となります。

Abのキーなら、CとGです。

一箇所でキーチェンジに対応するのは、最初は難しいと思います。

それを超簡単にするのが、EADGCサイクルです。


メジャー7のコードトーンに沿って
​

転調の順番はメジャー7のコードトーンです。

最後にb6を気をつけるだけです。

そうやって全体を把握しておくと、そこから色んな発見も出て来ます。


ジャイアントステップスと同じキーチェンジが含まれている、とか。

b6の転調を練習しているうちに、オルタードスケールも一緒に覚えられるとか。

​下の動画で詳しく説明しています。

​


いかがでしたか?
​

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いつもメールを下さる方、本当にありがとうございます!

みなさんからのお便りは、僕にとって最も強力な励ましです。

​

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