ギターでアドリブするための、指板の構造とコード理論の学び- HKGuitar
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コードのレイヤー(層)という認識

12/18/2015

2 コメント

 
多くの人はコードを平面的に捉えますが、それではアドリブの時にポジション移動を強いられます。

コードはレイヤーになっているという捉え方が必要なのです。つまり全てのコードは1箇所で弾ける、と言う認識です。

ビギナーはローコードから覚え、1箇所で色々弾ける事を体験しています。

なのに少し弾けるようになると、動き回れる=弾けると勘違いしてしまいます。

そのマインドブロックを外さない限り、ダメです。
​
あなたはどうですか?
​


動くのは選択しているのか?選択肢がないからか?

コードを押さえるのに、平行移動に慣れ親しんだ我々は動ける事=弾ける事=指板を理解していると誤解しています。

このパラダイムから逃れられない限り、上達はありません。

本来ポジション移動は、フレージングの必要に応じるものであり…

つまり、欲しいニュアンスの表現の選択肢なのです。


ところが指板を理解していないから、知っているコードフォームに移動せざるを得ない状態の人が多いです。

​つまり選択肢がありません。

コードは移動して弾くものと理解してしまうと、いつまでも次の視点を得られません…


コードのレイヤーという視点
​

多くの場合、平面的に指板を理解しています。

一つのコードを弾いたら、他のコードはその隣か別のエリアに並んでいるような…

つまり一枚の平面にコードが並んでいると見ているのです。


そうではありません。


ローコードを思い出して下さい。

ギターで最初に習ったのは、同じエリアで沢山のコードを弾く事でした。

なのに、ローコードとハイコードを別の視点で指板を眺めているのです。

同じ仕組みなのに、です。


ローコードのようにハイポジションでもダイアトニックコードを弾けます。

無数のコードのレイヤーとして見て下さい。

動かずとも必ずコードは弾けるのです。

動かずにコードを弾く、このパラダイム転換がバッキングにはともかく、アドリブには必要なのです。


では、コードのレイヤーという視点を得たら、具体的に何を学ぶべきでしょうか?


ボイシングの理解が不可欠
​

CAGEDのたった5つのフォームから全てが展開されるという、シンプルなボイシングの理解が大切です。

各フォームを4種の7thコードに変換させ、さらにインバージョンさせるという理解です。

この順序でなく、単純にダイアグラムを暗記すると、ボイシングを理解しません。

だから応用できません。

スケールポジションに沿って、インバージョンを組み込む事ができません。


僕は昔、CAGEDでスケールは指板全域でなぞれるようになったものの、どうもジャズらしいラインを弾けない…と悩んでいました。


スケールを覚えたところで何にもなりません。


最初、ちょっと弾けたような気分にさせてくれるだけです。

やはりどこまでいってもコードなのです。

まずロックで慣れ親しんだ、EA(D)のフォームだけから脱却する、GCをマスターする事です。

そしてインバージョンをマスターし、全てドロップ2で弾けるようにします。

当然4つの7thコードに変換可能になりましょう。


そして、最も大切なのはレイヤーの視点です。

1箇所でそれらがどう、折り重なっているのか?

そしてどう組み合わされるのか?です。これにより、大別できます。


難易度が増すほどシステムが必要
​

ノンダイアトニックコードがミックスされてくると、上記の理解、マスターがなおさら効いてきます。

部分転調しても、元のキーとの関連付けが強固になるからです。

動かなくてもいい、すぐ近くに繋げられる音があるのです。

そして転調して後、元のキーに戻る時にもスムースに収まります。


つまり、出入りがスムースなのです。

手のひらに全ての音があるので、慌てる必要がありません。

アウトも同様です。つまり出入りがスムースなのです。


それ以上に、もっと大切なのはEADGCサイクルです。


実に論理的にデザインされている
​

ノンダイアトニックコードも1箇所で対処できる、それは指板がEADGCのサイクル(サークルオブフィフス)でできているからです。

サークルオブフィフスはキーを知るためだけでなく、コード進行の根幹を教えてくれます。

ギターの指板はそれがEADGCサイクルでデザインされています。

​ですからサークルオブフィフスに精通する事は、指板に精通する事に直結するので超重要なのです。


CAGEDで大まかな理解、スケール運指やコードフォーム、ボイシングを得られたら、EADGCサイクルを掘り下げるに尽きます。

これこそが本命だと分かるでしょう。

難しいとされていた事が実は簡単だったと気づくでしょう。


コピーだけでは足りない理由
​

いくらコピーしてもダメな理由はあります。

コピーやストックしたリックは全て断片に過ぎないからです。

コードと指板仕組みの理解の土台がなければ、すごいフレーズを連発してごまかす演奏となります。

​
コピーは実際に使われたフレーズですから、瞬間的にはそれは最高と言えます。

ただし、覚えたフレーズをいつ、どう弾くか?または繋げるか?応用、倍増、展開させるか?となると全く別次元の問題になります。

分析できなければ話になりません。

なぜそう聞こえるのか?コピーをそのまま弾かずに、どうしたらそのフィーリングを再現できるか?


分析とは一旦バラして、その材料まで吟味します。

つまりフレーズ自体をなぞって弾けるだけでは、足りないのです。


リック集に足りないもの
​

2−5リックの説明も表面的なものが多いです。

どうやって応用させるかまで分かればいいのですが…

それは指板とフレーズのネタの理解力不足によるものです。


フレーズのネタの角度や、音を置く場所などの説明が不可欠なのです。

フレージングに関する言及も絶対必要です。
​

いかにそのフレーズを変形させ、倍増させるか、その説明がないと…

「こうやって弾けばかっこいいよ、あとは自分で考えて工夫してね」

となります。

それが分からないから、弾けるようになりません。


沢山やればいずれどんな音を弾いてもいいとわかります。

どう工夫すればいいか?は感覚が頼りになります。

感覚を育てる事は素晴らしいですが、それだけだと不安がつきまといます。


小さな成功体験から広げていく
​

基本となる動き、パターンをまず体験する事が大切です。

小さな事でいいので、これでいいんだ!と言う実感を得ると強いです。
​

腑に落ちる経験をしない限り、色々試みても路頭に迷うだけです。

迷う経験も、後から繋がれば立派な肥やしとなりますが、まずシンプルな仕組みを知りましょう。


まず小さな成功を作ってそこから広げるだけです。

謙虚に行きましょう。

人を圧倒させたい、というエゴを捨てるほど上手く行きます。


一旦ゼロに戻って、超簡単に思える事からトライするといいですよ。


試行錯誤が続いたあと、封印した
​

僕の経験をシェアしますと…


色々かじっても、どうも実感が持てませんでした。

オルタードコードやスケール、ディミニッシュドスケール、代理コード、トランスポーズ、ペンタトニック、トライアド、ターゲットノートなど何となく、雰囲気は出せるけれど…自分のもの、言葉になりませんでした。


「結局基礎的な事すらできんのに、こういう事はもうやめよう」

と封印しました。

自然に繰り出される場合は別として、練習もしない、あえて弾こうともしないようにしました。


それ以来、コードトーン中心のラインの練習だけになりました。

それでもよく分かりませんでした。

何年も経って、コードフォームそのものを吟味した時に、ようやく開眼しました。

コードトーンを弾くにも、フォームをよく知らなければバリエーションに欠けます。

色んなフォームで1箇所で弾けるようになると、今まで実感が持てなかったフレーズを弾いても全然違って聞こえました。

少しずつ響きを認識できるようになってきて、感情が加わり始めたのです。


基礎的なコードに戻ったら繋がった
​

かつてオルタードコードを元に作るフレーズなどはすでにやっていましたが…

それ以外になると、まるでダメでした。

同じ要領でやれないとダメなんだと分かってきました。

コードの響きに触発され応答するフレーズをどのポジションでも弾けないとダメだと分かりました。
​


つまり、コードをどこでも弾けるべきだと。

そしてそれが少しできるようになったら、何と簡単に感じました。

結局コード軽視が僕の問題の根でした。


このように、かつて行き詰まった、通り道をした経験でも、基礎的なアイデアと繋がりを持つと、簡単に感じてきます。

基礎的なコードを重要視、価値を見出すと変わりますよ。


基礎に戻る旅
​

指板を広く大きく捉えられる(CAGEDシステム)と、分かったような気になりますが、それでは何もできない事にいずれ気づくでしょう。

コードは移動して弾くものでなく、レイヤーとなっておりどんなエリアでも全てのコードを弾ける、と気づく事が大切です。

多くの人はコードを学ぶと言うと、音を増やし、オルタードエクステンションなどに言及します。

それもいいのですが、それよりも基礎的なコードを極める方が大切です。

なぜなら全て組み合わせに過ぎないからです。

​
オルタードコードなどを弾けても、その仕組みを知らないと応用に至りません。

基礎的なトライアドや7thコードを理解した上で、どこでも繰り出せるようになる事を目指しましょう。

基礎に戻る旅を一緒にしましょう。

あなたはどう思いますか?是非コメントかメールで教えてください。
2 コメント
Kawakami
10/26/2018 07:05:59 pm

いつも楽しく拝見しています。

ブログを見ていていちばん知りたいことは、
EADGCサイクルを使うと、メロディ、コード入りの曲をどのように弾けるようになるのか、その考え方です。

HappyBirthdayなどの簡単な曲でいいので
解説していただけると、嬉しいです。

宜しくお願い致します。

返信
ひとし
10/28/2018 08:34:43 pm

Kawakamiさん、とっても素晴らしいコメントをありがとうございます。
この説明についてはしっかり取り組みたかったので、手がつけられませんでした。

ご質問にお答えするには、動画の方がいいかと思ってます。
撮った時にはご連絡しますね。

返信

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