コードトーンとブルースを基礎としたギターソロレッスン - HITOSHI KAWAI
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ギターソロで感情を込めるには?僕が心がけている事を書きました。

10/21/2015

5 コメント

 
ギターソロで感情を込めるには?- hitoshikawai.com
ギターソロで感情を込めるには?音使い、理論と共に、大切なトピックです。

数学的に解き明かしできるものではありませんので、主観で書いています。

参考にして頂ければ幸いです。

​さて…


​感情を込めるために気を付けている事
​


  • ベンディング(チョーキング)で吠える
  • 気持ちを込めて曖昧な音程をも表現する
  • ダイナミックレンジを広げる
  • 直アンで練習する
  • ブルースの短いフレーズを練習する
  • フレージングを意識する​
  • 自分の音を作る​


​ベンド(チョーキング)で思い切り吠える

感情に訴えるテクニックというと…僕にとってはスピードより、単純にダブルベンド(ダブルチョーキング)で汚される方が興奮します。

音圧と汚れた音色で襲われる方が、心がえぐられるような…ダイレクトに感情に突き刺さります。

それを演出するためのポイントは?

音色です。

強く歪んだ音だと気合いを感じません。

ダイナミックレンジが狭く、すでに歪み切っている音が混ざり合うのでただのノイズになってしまうからです。

ダブルベンドの音程の不快な妙味が聴き取れず、台無しです。

速く弾くのには超ハードなセッティングになります。

1音に魂を込めるブルースマンの目的は、いかに魂をぶち込むか?

どちらを選ぶか?そこにギタリストの価値観が見え隠れします。


​ヴォーカルから学ぶ、曖昧な音程を活かす
​

コードトーンの練習はハーモニーの理解を深め、ボキャブラリーを増やしてくれます。

これはギターに限らずどのミュージシャンにとっても原則です。


しかしギターはピアノと違い曖昧な音程を出せる利点があります。

弦楽器の原始的な部分を活かす事も大切だと思うのです。

ヴォーカルをよく聴きましょう。

演歌歌手の歌い方など参考になるかもしれません。


以前、紅白歌合戦で細川たかしが歌った時の事を思い出します。

最後の音を長く伸ばして、緊張感をキープしていました。

それがどんどんシャープしていき最後には1音以上あがっていました。

完全に違う音になっていたのに、外れているようには感じませんでした。

ヴィブラートが強力にかかっていたせいもありますが…

感情の高まりを自然に表現していたので、おかしいと感じなかったと思うのです。


つまり正しい事だけをやっていては超えられない部分があるのでしょう。

テクニックの幅を持ち、使いこなし、さらには歪めるといった視点が必要なのでしょう。

基礎を鍛えたら自分なりに崩す、それが個性につながると思います。


ダイナミクスは強力なテクニック
​

見逃してしまいがちなのが、ダイナミックレンジを広げる努力です。

ダイナミクスとは一番大きい音と、一番小さい音の幅を指します。

よく豪快である事を「ダイナミックだね」と言う人がいますが誤解です。

繊細さとの幅がどれだけあるか?です。


あなたは会話している相手の注意を引きたければどうしますか?

強弱をつけるのが簡単です。

普通にしゃべるよりも、どなる、または耳元でささやくと感情が伝わりやすいです。

音楽も同じです。


ライブで演奏するセット全体のダイナミックレンジから、1曲の中のダイナミックレンジもあります。

また、ギターソロの中のダイナミックレンジ、また各フレーズのダイナミックレンジも意識しましょう。

本当に色々あります。

全体からミクロまでのダイナミックレンジを大切に考えると、セッティングも変わるでしょう。

もしかすると音楽の趣向も変わるかもしれません。


​音を確立する練習の大切さ
​

ブルースフレーズを粒を揃えて譜割を正確に弾いたら味気なくなります。

機械的な演出として使うのは効果的ですが…

ブルースをいかに発展させ、自分なりの表現に仕上げる事がゴールなのかもしれません。

自分のタッチを磨き、タイミングを大切にする。

どのコードにどんなスケールがフィットするか?という事より重要な原則なので、常に意識している事が大切だと思います。


それには息づかいを意識するといいかもしれません。

短いフレーズを沢山弾くといいでしょう。

短いフレーズだからこそフレージングに気を配れます。

ギターは自分が歌わなくても指だけ動かし続けて長いフレーズも弾けます。

でも歌わないとフレージングに明瞭さが欠けて平坦な演奏になるかもしれません。


ブルースにならうフレージングの大切さ
​

発音するにもタッチやタイミングに気を付けましょう。

​スケールエクササイズやコードトーンの練習だけでは片手落ちです。

エキサイティングな感じを表現するに速く弾くのもいいですが、他にもやりようがあります。例えば…

​粒を揃えて弾く練習が大事だとよく言われています。


粒がそろっているとキレイで上手に聴こえますが…

​ダイナミックレンジを広くする事と真逆の練習で、両立するのがいかに難しいか痛感します。

粒を揃えて弾くのと、ダイナミクスを駆使した弾き方の両方をマスターするのは大変です。

どうしてもどちらかに偏るのですが、その人の価値観の現れでもあります。

僕がよく知っているギタリストで例えるなら…

リー リトナーは前者、ラリーカールトンが後者です。

二人はよく似ていると言われますが、根本的に別モノです。

リーはいかにストックフレーズに導いてキメるか、ラリーはその瞬間に反応するタイプです。


前者は作られた音、後者は生々しい音です。

前者は第一印象がピークで、後者は噛むほどに味が出る感じ、という感じがします。

​両者が同じアンプ、同じセッティング、同じギターで弾いたら、相当かけ離れた音になるでしょう。


​フレージングとはフレーズを作るという意味ではありません
​

フレージングとはまとまり感を持って歌わせる、という意味です。

楽譜にはライン(メロディ)に曲線をつけて「ひとまとめ」を表します。

ピアノとか楽譜を見て弾く人たちには当たり前の表現ですが、ギタリストはあまり楽譜に親しまないせいか誤用するのを見かけます。

フレージング…管楽器と違い、ギターはブレスなど関係ないので無視しがちです。


でもブルースを聴けばその大切さが分かります。

ブルースに親しんでいる人ならむしろ普通の感覚と言えるでしょう。


あまり長いフレーズは弾かないですよね?

歌っているからだと思うのです。

心の中で歌っているものを表現しようとすると、強弱もハッキリするでしょう。


表現する音が心の中の歌でなければブルースになりません。

そうすると自ずとセッティングもシンプルにならざるを得ないのです。


心にある音を表現する…正直な演奏となります。

だから思いついたメロディを弾く練習をするといいですよ。

短いフレーズを沢山やりましょう。

長いフレーズをやりたければ、繋ぎ合わせればいいだけですからね。


コードトーンを組み合わせたラインなどは普通の人が歌えないラインです。

その練習は自分のメロディを拡張する意義はあります。

でもそれが上手く弾けるのに、なぜか普通に歌えるメロディを上手く弾けないとしたらちょっと本末転倒な感じがします。
​​​


​直アンで練習すべき
​

最後にフレージングにこだわり始めると、明瞭なタッチ、反応の良い音作りに関心が向くようになります。

速いフレーズを追い求めていた時には、考えもしなかった事です。

この点はアコースティック楽器の厳しさから学ぶと良いでしょう。

シドニーでジャズのジャムセッションに参加していた時に学んだ事があります。

場所はホテルのラウンジで、アコースティックなセッティングでした。


ギターはアンプのつまみでボリューム調整できますが、ピアニストはできません。

ある若いピアニストが複雑で速いフレーズで必死に弾いていました。

でもまるでピアノに毛布をかぶせたような…ラウンジの絨毯に響きが吸い取られたような平坦な音でした。

ピアノのボディを鳴らせていない音です。


次にベテランがシンプルながらも、楽器をフルに鳴らして弾きました。

ダイナミックレンジとタイミングの懐が広く、弱く弾いても音が研ぎすまされている様が聞こえます。

後ろに座っていた僕にもしっかり届く音でした。


同じ楽器か?と疑うほどでした。

最初のピアニストの音があまり聴こえなかったのは、僕が後ろに座っているからだと思っていたのです。


ところがそうではありませんでした。

アコースティック楽器って殺生だな、と思いました。

上述の若いピアニストのような演奏して、音色は機材で加工する方が合理的かもしれませんが…

良い音で良いタイミングで鳴らす、アコースティック楽器の場合、この命題に切磋琢磨しているわけですが、ギタリストはちょっと違いますね。


ギタリストは機材による音色のヴァリエーションを楽しめる利点があります。

また、アンプを介する前提の楽器ですから他の楽器とは同じには語れません。


でも、僕は最小限度のセッティングで音を作る事に意義があると思います。

ギターとアンプだけで聴かせられるようになりたいです。

しかもどこででも売っている普通のギターとアンプで。

​つまりモノに依存する事を最小限度に抑えたい願望があります。



進みたい方向が明確になるに従い、「厳しいなあ、僕は基礎力がダメだ…」と落ち込みます。

一歩ずつ進むしかありません、だから一生楽しめるのでしょうね。


​まとめ

  • ベンド(チョーキング)で吠える
  • ヴォーカルから学ぶ、曖昧な音程を活かす
  • ダイナミクスを操る
  • 直アンでタッチにこだわる
  • ブルースにならうフレージングの大切さ
  • 歌う事の大切さ
  • 音を確立する事の大切さ
この間、メール会員の方からこんなメールを頂きました。

「コードトーンの練習で疲れたら、ブルースのバッキングトラックでチョーキングしまくって思いっきり吠えてます」

素晴らしい練習だと思いました。

知性的な部分と感情的な部分のバランスを取ろうとされているからです。

練習するときは、一度に一つの課題だけに取り組む事をお勧めします。


ただ、その時の気分を表現する=演奏の原則みたいなものです。

多くの人は、フィジカルなエクササイズやフレーズを覚える事ばかりに時間を費やし過ぎかも?

息抜きに気持ちを吐き出す行為も、実は重要な練習かもしれません。


そんな気付きを頂きました。

鈴木さん、ありがとうございました。


正確な音程でベンドができるようにがんばりましょう。

これが大原則である事ははっきりさせて下さい…

で、それにプラスアルファとして、僕は感情が入り過ぎて音がシャープするのも好きです。

反対に上がり切らずにフラットするのも好きです。

いわゆる失敗が気持ちよく聞こえる時は、心の中で吠えているからかもしれません。
​

感情を込めるには、吠えてみるといいです。

心の中で吠えても、弾きながら実際に声に出して吠えてもどちらでもいいです。

原始的な部分も大切に育てて行きましょう。


音楽なら吠えても許されるのがいいですよね。


​おわりに
​

偉そうに沢山書きましたが個人的な価値観ですので、これが絶対なわけがありません。

また僕がそれらをマスターしているわけではありません。

マスターしようと奮闘しているところです、多分死ぬまでそうでしょう。


書きながら、「自分だってできてないクセに…」とイヤな気持ちになりながらも、あなたに何かの気付きがあったらいいな、と思って書きました。


同意できない人もそれで素晴らしいです。

それであなたの価値観が明確になるお手伝いができたのなら成功です。

僕にとってはそれが報いです。

みんなが同じだとつまらないですしね…

でも何のこだわり、美学もないのはもっとつまらないです。


せっかくギターやるなら、あなた自身をぶつけた方が絶対楽しいですから。

みんなモノマネで始まるものですが、たまには価値観について意識してみましょう。

そういう事を考えるキッカケになるだけでも、僕には十分な報いです。

記事の更新をお知らせします

5 コメント
yutaka K
4/23/2016 01:53:48 am

いつも興味深く読ませて頂いております。

ギターソロでの感情表現とは少し違うのかと思いますが、
コードトーンを念頭にソロを取っているとどうしても「メロディが機械的、散文的?な感じ」になってしまいます…。

年配のプレイヤーの方に「お前のソロは歌えていない」と言われることが多く、挙句「スケールやコードにお前は捕らわれすぎだ」とまで言われ完全に混乱しています…。

コードトーンや想定できる代理音などを使ってソロを取って「外れる事がない」ようにはなりましたが、「合っているだけでメロディアスではない」と思うようになってきました。
具体的に表現することの難しさを感じています。

kawai様が「メロディアスさ」を感じる演奏要素?のようなものが何かあれば、助言を頂けると幸いです。

返信
ひとし
4/23/2016 02:55:09 pm

yutaka kさん、コメントありがとうございます。

メロディアスさというと、コードとコードを半音か全音でつなぐといい感じになります。

さらにはコードをストレッチさせて、小節線をずらすともっとメロディックになります。

動き回らずマイクロポジションで弾くと、歌えるようなラインになります。

Jimmy Raneyがフレージングについて語っていて、チャーリーパーカー、マイルスデイヴィス、ピアニストを比較しています。https://www.youtube.com/watch?v=9c7rapnXZbE

英語で難しいですが、観れば言わんとする事が掴めると思います。

コードトーンでご自身の好きなプレイヤーのフレージングをマネてみるといい練習になりますよ。

また、ラインをまず頭で超ラウドに歌ってから弾くといいです。

楽器は幻想であり、楽器とはプレイヤーだという意見があります。

https://www.youtube.com/watch?v=9c7rapnXZbE

英語なので難しいですが、ディジーガレスピーが囁くように頭で歌うのでなく叫ぶくらいに歌わないといけないというエピソードが出てきます。

脳のシグナルが手に伝わり、楽器を操り、発音されるのであれば、脳のシグナルがどれほど強力でなければいけないか、という話です。

生徒にリックを普通に弾かせて、その後で頭で叫んでから弾かせる比較をしています。それを観れば一目瞭然です。

僕はこれを見てから、どれだけ音数が少なくても自分の頭で鳴っているものを弾けるようになりたいと思いました。

いくつか挙げましたが、参考になれば幸いです。

でも、年配の方も言っている事が抽象的すぎますよね。

そうやって言えば何となく説得力

返信
ひとし
4/24/2016 07:34:14 am

がありそうに聞こえますが、疑問だけ残してイヤな気分になりますよね。

でもご自身の悩みがすでに答えになっていると思います。

「合っているだけでメロディアスではない」と思うようになってきました。

とお考えであれば、その解決法を探ればいいだけです。

僕の考えが参考になれば幸いです(^^)


返信
コボちゃん
8/17/2016 11:45:51 am

今まではただ何も考えず好きな曲を楽譜などのお手本どおりに弾けるようになることを目指していました。

しかし50代になりブルースを好んで聴くようになってからは、もっとギターを通して自分を表現できるようになりたいと思うようになってきました。セッションなどで3コードに合わせて自由にソロを弾けるようになるのが目下の目標です。

kawaiさんのこのサイトに出会い少しずつ読ませて頂き、学ばせて頂いております。この章は音楽理論というより、どちらかというと感覚的な部分について書かれており、とてもよくわかり共感できる内容でした。おかげでもっと頑張って練習したいとスイッチが入りました。

最後に、ブルースを練習するときにkawaiさんが一番大切だと思うことはどんなことでしょうか。これからの練習の参考にさせて頂きたく、宜しくお願い致します。

返信
ひとし
8/17/2016 08:32:48 pm

コボちゃん、コメントありがとうございます!

非常に悩む質問ですね~。

敢て一つ選べば、タッチだと思います。

頭で歌っている事を指に上手く伝えられるかです。

でも、テーマは変わりますからまた別の関心が出来たら違っているはずです。


こういうトピックについても書きたい気持ちはあるのですが、なかなか今のシリーズが終わりそうにありません。

読んでくださって、そして共感して頂けてとても嬉しいです。

やはり年齢とともにコピーでは満足できなくなりますよね。

せっかく受けた生なわけですから、自分のヴォイスを確立したいと心から願います。

それがブルースとなると、シンプルなだけに難しいです、深いですね。

でも、ちょっとした所にこだわりを持つときっかけになると思います。

ベンディングだけでも工夫してみると色々できますからね。

あまりテクニカルに思えないものを極めるといいと思いますよ。

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