コードトーンとブルースを基礎としたギターソロレッスン - HITOSHI KAWAI
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b9とディミニッシュドコード、ギターソロのアイデア

1/6/2015

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G7(b13)とかG7(#9)みたいなコードを見ると、アレルギー反応を示す人がいます。シンプルなコードと比べどちらが優っているという話ではありません。断片的だった知識の点がつながる経験をして欲しくて書いています。何でも自分の言葉に昇華するには時間がかかります。今も葛藤の日々です。壁を破るのには苦労しますね、でも楽しいですよ。

ワープゾーン


このb9が加わると3rdからディミニッシュドが出来上がります。ということは…

ディミニッシュドは4つの顔を持っているのでそれぞれに4つのb9のドミナントコードができます。

G7b9を見てみましょう。

b9を加えて、ディミニッシュドが3rdから作られます。つまり、B-D-F-Abです。

4つの音の半音下の全てにドミナントb9ができます。

B-D-F-Abのディミニッシュドコードトーンの半音下にそれぞれルートを想定してみましょう。

Gb7b9だけでなく、Bb7b9、Db7b9、E7b9にもなります。

言い換えれば、Gのディミニッシュドのコードトーン上 ( G Bb Db E )に沿って、b9ドミナントコードが出来るのです。

Bb、Db、E、Gをエクステンションとして見れば、

Bb=#9
Db=#11
E=13


b9を入れる事は、これらのエクステンションがセットで含まれます。

このエクステンション=Gディミニッシュドコードトーンです。


つまり2つのディミニッシュドコードがb9ドミナントには自動的に含まれます。

合計で4つのトライトーンが含まれます。

8個のメジャーとマイナーコードに解決します。

それぞれにB-D-F-Abを載せてみましょう。

G、Bb、Db、Eのそれぞれの音のドミナントのコードトーンを挙げてみますね。

  • G7 = G B D F  そしてb9がAb
  • Bb7 = Bb D F Ab  そしてb9がB
  • Db7 = Db F Ab Cb (B)  そしてb9がD
  • E7 = E G#(Ab) B D そしてb9がF

表記が理論上Cb(Bと同音)、G#(Abと同音)と書きましたが、全て共通してB D F Abを使っています。

そしてこれらをスケール上に並べると、ディミニッシュドスケールになるわけです。

半音、全音の繰り返しでできるスケール、雑誌などでコンディミと言われるやつです。

2つのディミニッシュドが組み合わさったスケールと書かれても、何の事だか分かりません。

b9を加えてディミニッシュドが上部に形成された途端、4つのb9ドミナントコードが自動的に生まれるのです。

4つのb9ドミナントコードのルートも、ディミニッシュドコードトーン上に並んでいます。

ディミニッシュドコードの半音下にルートを配置するから当然。

結果、2つのディミニッシュドコードトーンができます。

ドミナントコードにb9を加えた瞬間に起こるマジック

G7にb9であるAbを加えた瞬間、3rdであるBの音からディミニッシュドコードができます。

これまで一つだったトライトーンが2つになります。BとFだったのが、DとAbもトライトーンの関係ができます。

トライトーンがそれぞれ解決するので、4つのメジャーとマイナーコードに解決する事になります。

しかしそれだけではありません…

#9と13のトライトーンも自動的に含まれます。

G7b9からCだけでなく複数のコードに解決してみる

G7b9はE7b9、Bb7b9、Db7b9でもあります。

この中で分かりやすいのがAmでしょう。

Amへの解決がスムースにできます。G7-Cを見てましょう。

G7b9の場合、b9=Abになりますが、Cに解決する時に5thであるGの音に半音でつながります。

G7b9の機能の基本です。

E7b9ととらえて、Amに解決する際にもいい感じになりますよ。

G7ーAmのチェンジの時にもG7そのままより、G7b9をかましてAmのコードトーンに落ち着いた方が強力な解決感が得られます。


コード譜に書かれていなくてもいいのです。

なぜか?Amの半音下がG#です。b9を入れるとE7b9に近いサウンドになります。

表記が異なるものの、b9=AbはG#と同音…

G7だとb9=Ab、Amなら、7thと捉えてG#となるのです。

G7をG7b9からAm7のコードトーンに解決できる音が3つもあります。

  • G-G
  • Ab(G#)-A
  • B-C
  • F-E

E7でなくもE7b9のサウンドがすでにあるわけです。

G7b9の中に13th (E)が含まれると考えれば、E7b9でもあるのです。

  • E7と書かれてなくてもE7に酷似したサウンドを演出できる。
  • 速くコードが変わる時などに有効。例えばG7-E7-Amが2拍ずつで変わる時などもG7とE7を一つとして捉えて対応できる。律儀に細かいチェンジを描くのもいいですが、簡素化して大まかなラインを描ける事も非常に大切です。

ディミニッシュドは摩訶不思議でありながら、使い勝手がいいのです。

Cメジャーだけでなく、Cmにも解決します。

  • G-G
  • B-C
  • D-Eb
  • Ab-G

G7b9はCとAmに解決するというのが一番分かりやすいです。

そしてCmにもイケるという事は…Ebにも上手くハマります。

  • G-G
  • B-Bb
  • D-Eb
  • Ab-G

ここから少しキツくなるかもしれませんが、Gb(F#)にもキマります。

  • G-Gb
  • F-F
  • D-Db
  • B-Bb

という事は…Ebm(D#m)にも当てはまる事が推測できませんか?

  • G-Gb
  • D-Eb
  • F-Gb
  • B-Bb

最後に残っているコードは一体何でしょう?Aメジャーです。

つまり全部メジャーとマイナーの両方に解決できます。

  • Ab-G#(いちいち面倒ですがAの7thとしてG#とします)
  • D-C#
  • F-E
  • G-G#


パラレルとレラティヴに解決すると考える

それぞれのコードでメジャーとマイナーの両方にワープできるという考え方が一番シンプルです。

パラレルメジャー、マイナーと呼びます。

別の視点も持てると理解が深まります。

マイナー3rdのインターバルで全てのコードトーンがつながれているディミニッシュドです。

CメジャーとAmはトニックメジャーとマイナーの関係、これをレラティヴといいます。

AからCを見ると、ちょうどこのインターバルも同じくマイナー3rdですね。

同じく、EbとCm、GbとEbm、AとF#m (Gbm)という関係になります。

「ふーん、これで4つのキーに変わる時に対応できるってわけか…」

曲のコード進行が難解になればなるほど、一つのドミナントで4つのキーに対応できるという大まかなくくりでコードを考えられる事が有効になってきます。

でも実は、ドミナントとして捉えるだけでなくGディミニッシュドコードと見ると、また別のワープゾーンがあることに気づきます…

Gディミニッシュドコードも含めると8つのキーに解決できる


ディミニッシュドコードは4つのメジャーマイナーコードに解決すると説明しました。

G-DbのトライトーンがAbとDのメジャー、マイナーコードにそれぞれ解決します。

Bb-EのトライトーンがFとBのメジャー、マイナーコードに解決すると言えます。

GのディミニッシュドとはG、Bb、Db、Eです。ルート、#9、#11、13です。

合計8つのメジャーとマイナーコードがこのコード一つでカヴァーできる事が分かります。


トランスポーズというアイデアにつながる

部分転調を想定したフレーズを練習し、スムースなフィンガリングができるようにしましょう。

ドミナントb9が8つのキーに対応でき、トランスポーズ(移調)というアイデアにつながります。

これはスケールを素材としたアイデアです。

スケールを素材としたアプローチも考え方の源も、結局はコードの響きから導き出されているという事です。

G7の時にEbマイナースケールを弾いてアウトフレーズ…と雑誌に書かれていても、よく分かりません。

でもコードトーンを学んでおけば「ディミニッシュドのコードから派生していった考えか…」と理解できます。

ワープゾーンに入ると、他のキーのどれかに成りすまして弾いても、「何となくおかしいけど、あり得る」みたいな異次元空間を醸し出せるのです。

最初は即興演奏を楽しくするためのトランスポーズというアイデアではなく、作曲家が部分転調を盛り込んだ事が発端でした。

スタンダードは部分転調を含む曲が沢山あり、ジャズミュージシャンが好みます

でも、ミュージシャンは「もっと面白い事はないか…?」と色んなアプローチを探っています。

あるいは「コード進行なんて無くしたら面白いかも…」とばっさりコード進行自体を無にするという、恐ろしく斬新な考えを断行したり…。

シンプルを複雑にしたり、複雑になったのをシンプルにしたりして色々遊びます。

複雑なコード進行は、アウトフレーズを沢山弾くのは好ましくありません。

コードに沿った演奏しないと、何が何だか分からなくなります。

逆に1つ、2つのコードしか無い場合、変化が欲しくなります。

コード進行が比較的シンプルな時に、トランスポーズというアイデアが効いてきます。

コード進行は部分転調しないのに、自分だけ勝手に部分転調する事によって異次元空間を演出するのです。

なぜそうするのか?単純にテンション(緊張)を作るためです。

こういう事が横行していくと、しまいに「何弾いてもいいじゃん…」という事になって混沌とした方向へと向かってしまいます。

ですが、何かのロジックがあるかないかで統制のとれたソロになります。

最初に苦労して、後は楽になる

b9が加わったら、ディミニッシュドの理解が必須です。

今はG7で話をしていますが、同じくBb7の時にもG7、Db、E7を想定して弾けます。そしてまたC、Gb、Aメジャー、もしくはマイナースケールを弾いてアウトしていいのです。

ドミナントb9ができた時点で、ディミニッシュドコードを2つ含む=8つのキーに解決すると覚えましょう。

12のキーのうち8つのキーをカヴァーするとなるとほとんどです。


12のキーに対応するのが滅茶苦茶シンプルになります。


終わりに


b9で別世界が開けました。

アウトサイドにチャレンジする=コードを探求していく事。

これは聴覚上のトリックです。

タッピングとか速弾きといったジャグラー系ではありません。

マジシャンは視覚の盲点を突くのです。心理的な操作と肉体の機敏さで勝負。

それは観衆に見破られないためで、見せびらかすものではありません。

ミュージシャンも聴覚の盲点をついているといっていいでしょう。

聴衆に見えないところで仕込んでおきます。

ジャグリングのショーはあれでいいのです。

音楽は見せびらかすためだけのものではありません。

僕は教会で演奏していて、現在このテクニックを使う機会はありません。

ハーモニーに対する理解とフレーズの引き出しの豊富さは、シンプルに弾いた時に説得力が増すと信じています。

使わないにしても、メロディの選択肢を広げていく作業は大切だと思います。






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