コードトーンとブルースを基礎としたギターソロレッスン - HITOSHI KAWAI
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コードトーンでアドリブギターソロの練習しよう -3rdを使い分ける

2/14/2016

11 コメント

 
スケールを学べばソロを弾けるようになる、と多くの人は勘違いしています。大切なのは、コードトーンです。

ペンタトニックでブルースのフレーズを弾く事はできます。

でもいずれ行き詰るでしょう…

この記事は、ペンタトニックスケールでブルースやロックのソロをある程度弾ける人に書いています。

​まだソロを始めていない人でも、何が大切かを知るのに役立つでしょう。

トライアド(3声和音)についての学びです。


ギターソロの作り方の基礎練習

アドリブを始めるには、まずコードトーンです。

空手で言えば型の練習で、面白くないかもしれません。

しかし長い目で見るとものすごい差となって現れてきます。

多くの人が抱えている問題のいくつかを改善できるでしょう。

  • 耳が鍛えられる
  • コードトーンでソロを考える=音を外さなくなる
  • わざとエクステンションを選んで距離感、緊張感を作る事ができる
  • スケールをなぞるような弾き方から脱却できる
  • バッキングにもスモールコードのバリエーションが増す

これらのトピックに食いつくのは分かるのですが、多くの場合スリーコードすら実は知らない人が多いのです。


実はスリーコードすらまともに知らない、弾けないんじゃない?
​

「スリーコード?知ってます」

と100%答えますが、実に知らないのです。

知っているなら、指板全域で12全てのキーで弾けるとなります。

また、知っているならスケール音と合わせて(ハーモナイズ)弾けるはずです。

小難しい話をする前に、実はスリーコードを知っていれば、かなりできるという事を紹介します。

​


3rdはカラー、メジャーとマイナーコード
​

コードを家にたとえると、ルートは基礎、5thは建物のようです。

ルートや5thを中心に弾けばソロは安全です。

3rdは、カラーみたいなもので、明るかったり、暗かったりします。
​

まず、root, 3rd, 5th(ド、ミ、ソ)と弾きましょう。

これをCメジャーコード(和音)といいます。

次に3rdだけを半音下げてみましょう。

そうすると、悲しい響きになります。

これをCマイナーコードといいます。


ディミニッシュド、オーギュメンテッド
​

3rdにより、メジャーとマイナーが決定されます。

さらに5thを変えてやると、また別のタイプのコードとなります。

パーフェクト5thの家を二階建てとすると…


Cmの5thを半音下げると、ディミニッシュドになります。

暗い色の平屋みたいなイメージでしょうか。


Cメジャーの5thを半音上げるとオーギュメンテッドになります。

明るい3階建ての家みたいなイメージでしょうか。
​

5thは解説済みですので、そちらも参考にして下さい。

(ディミニッシュドはダイアトニックコードに含まれるので必須ですが、、オーギュメンテッドはジャズ以外あまり使いません。)


コード=和音、ミュージシャンの共通語
​

コード=フォームと誤解してはいけません。

あなたはコードというとどんなイメージがありますか?

「6弦や5弦一緒にジャラーンと弾くもの」と思ってませんか?
​


どの楽器の人にもコード=和音、ハーモニーは共通語です。

ホーンプレイヤーは一緒にじゃらんと弾けません。

彼らはコードトーンによるラインでコードの響きを表現するのです。

3rdをヒットして、明るくするか、暗くするか決めています。


コードトーンを骨組みとして、ノンコードトーンを足していくのです。

またそのバランス、さじ加減をコントロールします。


我々ギタリストもそれと同じ事をやります、がんばりましょう。


音の順番を変えたり、リズミックに弾いてみたりして音楽的になるように遊びましょう。


慣れたらオクターブを変えたり、2〜3オクターブにまたいでみたりして遊びます。

でもそれは現時点ではあまり大事ではありません、というかむしろ害なのでやらないで下さい。

僕なりに8つのポイントをあげてみました…


8つのポイント
​

  1. 狭い音域で練習
  2. 超シンプルなバッキングトラックで練習
  3. スウィープしない
  4. インヴァージョン
  5. 三角形をイメージする
  6. セカンダリードミナントへの対応
  7. インターヴァル
  8. 1音で遊ぶ事の大切さを知る


1. 狭い音域で練習

コードとは3音以上の和音の事です。3音だけ弾けばいいのです。

極論すれば、ベーシストがルートと5thをヒットしていれば、あなたは3rdだけ弾けばコードとして響きます。


そう考えると、それぞれの音をバラして捉えられる事が必要だと思いませんか?


そのためには、小さなポジションで、歌うように練習しましょう。

メンタルブロックを外す事になり、コードトーンがバラけてきます。


バッキングに使えるスモールコードのバリエーションも、この練習のおかげで増えるでしょう。

可能な限りのトライアドのポジションを探すので、これまでとは違ったコードの押さえ方も発見するでしょう。

まずは最低限の基礎である、CAGEDシステムのコードフォームのポジションを崩す事から始めるといいですよ。

そして、結局ソロもバッキングもコードを熟知しろというなんだ、という理解に辿り着きます。

ここで注意して欲しい事は…


2. 超シンプルなバッキングトラックで練習
​

今日さまざまな素晴らしいバッキングトラックが入手可能です。

カッコいいトラックで練習するのは楽しいですね。

でもコードトーンを練習する時は、カッコいいバッキングトラックは理想的ではありません。

むしろ害です。

自分がマークしなくても、コードサウンドが聴こえてしまうからです。


かといって、リズムとベース1音だけなんてミニマムなものを作る人もいないようなので…

シンプルでコードトーンの練習に最適なリズムトラックを用意しました。
​

自分でコード感を確認するには、これくらいシンプルでないといけません。

本当はメトロノームだけで、想像しながら弾くのがいいと思います。
​
僕はそうしていますが、厳しいかもしれません。

というわけで、ベース1音だけのものにしました。


マイナートライアド、ディミニッシュド、オーギュメンテッドも試す

今度は3rdを半音下げます。

b3rd=Cmで言えばミのフラットです。これにすると暗い感じになります。

メジャー、マイナーはこの音の違いだけです。

同じようにやって見てましょう。

ペンタトニックスケールで慣れたポジションからスタートし、インヴァージョンも試して下さい。

3rdからスタート(1stインヴァージョン)だと明るく感じたり…

聴いて、感じ取るように努めましょう。


​同じように、ディミニッシュドやオーギュメンテッドでもやってみましょう。


3. コードトーンはスウィープなしで練習

  • トライアドの各音のイメージを感じ取る
  • 3rdや5thからも弾き始めてみる
  • スウィープするのではなく、リズミックなフレーズを心がけて歌う

最初はとりあえずポジションを覚えます。実は探せば色々ありますね。

大昔スウィープとかやっていたので、コードトーンを知っていると自負していました。

でもやってみたら、どれほど無知だったか痛感しました。

まるで何も知りませんでしたし、やってみると弾けませんでした。


アルペジオの塊を、フィジカルな動きだけで覚えていたのです。

だからスウィープで速く弾けても、バラしてゆっくり自在に弾く事はできませんでした。

速く弾くと各音の価値が下がる事も知りませんでした。
​

速い、とは各音が耳に残る時間が短く、各音をどう感じるかという余裕はありません。

だからスウィープで速く弾いていた頃は、各音の意味も知りませんでした。
​

フィジカルにテクニカル、スピーディでトリッキー、指が速く動いて指板を駆け巡る様を見せつけて、他を圧倒する事が僕の音楽の価値でした。


でも人生がエキサイティングでスリリングな事だけで成り立たないように、音楽もそれだけでは成り立ちません。


4. インヴァージョン
​

5thの記事に書いたように、トライアドのインヴァージョンは3通りになります。

ルートポジションも含めて、音の数だけあります。


  • ベースが3rdなら1stインヴァージョン
  • ベースが5thなら2ndインヴァージョン

どの音が一番下にあるかで、響きは全く違って聴こえるでしょう。

​インヴァージョンの響きの違いに慣れ親しむ事は大切です。

複雑な話を理解するにも、必須の知識、テクニックとなります。


一つの事を練習する時は色んな視点からやってみる事です。

色んな課題に一度に取り組むのではなく、一つの事を逆にやってみたり、変形させてみたり、他のものと組み合わせてみたり、繋ぎ合わせてみたりするのです。


次はそれと似ているようで、違う視点を紹介します。

三角形と捉えるやり方です…


5. 三角形をイメージする
​

2音(インターヴァル)や3音(トライアド)は単純なだけに、音の形が鮮明に耳に残ります。

僕は勝手に、インターヴァルは直線、トライアドは三角形、テトラッドやペンタトニックの4音フレーズを四角形でイメージしています。

ヴィジュアル化すると、自分の中で音に対する情報がより具体化していいかもしれません。

三角形でなくても是非、自分のイメージで試してみて下さい。

では、トライアドは何通りのパターンがあるでしょう?

僕もテキトーにやってきたので、突き詰めて考えませんでした。

まず最もシンプルなやり方で考えてみましょう。


下図のように、各音にフォーカスしそれぞれ、ベース、ミドル、トップで弾く事ができます。

僕は​三角形をイメージすると分かりやすいのですが、いかがでしょう?


トライアドの各音を一度だけ弾く(つまり3音)場合、9×2=18パターンできます。

それぞれ赤の音から始めて下さい。


図にはしませんでしたが、手を加える事もできます。

それに一歩進む、もしくは戻るを加える、つまり4音になると、36パターンになります。

​5音になると、54パターンになります。


まず3音だけでやりましょう。

音数を増やす以上に、磨くべきテクニックが沢山あるからです。


応用1:モチーフとして使いアウトする

トライアドや、インターヴァルは音数が少ないので、音型が耳に残ります。

モチーフとして使いやすく、リズム的に遊びやすいです。


最初にトライアドの三角形を示して、リピートすると音型を耳が覚えるので音を外しても何となくダイジョウブに聴こえます。


どんなに三角形を崩しても、耳がオリジナルの形の残像からリンクしているので、音やリズムを崩していってもフォローできるのです。

聴覚上のトリックで、おかしいのにおかしくないという感じになります。


ちょうど絵画でモチーフを展開するのと同じ要領です。

最初そのように理解した時に、芸術ってやっぱりつながっているんだなあと思いました。


この際、スケール音に沿っていなくても大丈夫です。

アウトサイド、アウトするとかいうと、何かのスケールに沿っていなくてはいけないと思うかもしれませんが、これは単にシークエンスとかモチーフを展開する方法です。


色々工夫してみると面白い
​

今はまだ音符のヴァリエーションは無しの状態です。

タンタンタン(123)と単純に弾いているだけです。

四分音符と八分音符を単純に組み合わせるだけでも十分です。

タンタタ、タタータ、タタタンとそれぞれやってみましょう。

アイデアは3倍になります。


次に、発音する場所を工夫するテクニックを磨きましょう。

意識しなければ、一拍目の、ダウンビートからスタートするだけです。

どこからでも入れるよう、抜けられるよう、8か所からスタートするとかなりのヴァリエーションとなります。

1234のダウンビート、そのバックビート(ウラ)から試して下さい。

非常に難しく、この練習だけで記事が書けるほどです。

ただ、今回のトピックのフォーカスずれてしまうのでやめておきます。



​さらにアクセントをどの音につけるか?そのヴァリエーションも加えると…

さらに各音の伸ばし方のヴァリエーションまでコントロールするとなると…


たった3音でも気の遠くなるほどやる事がありますね。

僕もマスターしているなんて決して言えません。


シンプルだからこそ、各シンプルなテクニックを磨く(気にする)余裕があります。

実はこういうテクニックにこだわると、いわゆるハイテクと呼ばれる事をやるより難しかったりします。
​
僕にはこれこそがテクニックで、派手なテクニックはテクニックじゃないと思うほどになりました。

是非、シンプルなトライアドをこねくり回して楽しんでください。


応用2:三角形の点と点の間を音で埋める
​

これまでスケールでアドリブをやってきた人にとって、三角形の型を練習するのは斬新かもしれません。

スケールは音が全音、半音、と続くのでなだらかなフレーズとなります。

しかしトライアドはインターヴァルが長く、しかもたった3音です。

退屈かもしれませんが、ずっとやればトライアドのコードの響きを掴めてくるでしょう。

フィジカルな練習だけでなく、耳も鍛える事になります。
​

それが出来たら、三角形の点と点を音で埋めてみましょう。

そうすると、スケールしか考えていなかった時のような演奏に戻しても、変化が生まれるのでは?と期待します。


すでにどんな三角形でも弾ける、つまりコードトーンをマークできるようになっています。

三角形の間をスケールに沿って埋めても、またスケールから外れた音を入れても上手く響きます。
​

なぜなら骨格がコードトーンでできているので、それ以外は装飾的に機能するからです。

これで無意識にコードトーンを骨組みとしたフレーズができるようになっています。


この要領が掴めたら、音域を広げていけばいいでしょう。

そのヴァリエーションにすぎないからです。


僕は​最小単位で突き詰めてやらずに、最初から指板全域を駆け巡ろうとしました。

でも、アイデアに乏しく、単に上下するだけみたいな感じで悩みました。

遠回りして、やっと狭い音域のヴァリエーションを増やす事の大切さに気づきました。


6. セカンダリードミナントへの対応
​

セカンダリードミナントは7th抜きには説明できません。

しかし、ここでは3rdをコントロールするテクニックの応用として使えるので7th抜きで紹介します。

セカンダリードミナントへの対応こそ、コードトーンです。


スケールではありません。

誰でも知っている、こんなパターンです。

  • Em - E7 - Am
  • C - A7 -Dm- G7
  • C- C7 -F

次のコードへ強力に導くために◯7に変えるヤツです。


よく、E7にはAハーモニックマイナーパーフェクト5thビロウで対応する、などと書かれています。

​その説明は正しいのですが、複雑なので一旦忘れて下さい。


Aハーモニックマイナーパーフェクト5thビロウで、Eからの音の並びを想像できるでしょうか?

英語とコードトーンの大切さが分からない人は、Aハーモニックマイナーだと捉えるでしょう。

分からないから、Aからスタートするハーモニックマイナーを弾いてしまうのです。

そうすると、E7のドミナント感が出ません。


ハーモニックマイナーを弾いたとしても、その中のE7のコードトーンを強調できないのです。

単純にEmの3rdであるGを、G# (メジャー3rd)に変えてやれば、それがハーモニックマイナーになるのです。

そこに視点があるだけで十分です。

無意識にフレーズの骨格、ドミナント感が出るように弾いているでしょう。



スケールなど考えずに、変わる部分だけ知って好きな時にマークして下さい。

その方がよほどシンプルに捉えられます。


もう一つ、メジャーからマイナーに変わるパターンです。

​Dm - G7 - C- Gm - C7 - F というチェンジの時です。

Cのキーなのに、Gmとなるとどうしたらいいか?


G7の時はB(3rd)をヒットし、Gmの時はBbに変えるだけです。

いちいちドリアンモードなんて考える必要はありません。


それをスケールで覚えて対処しようとすると、欲しい音が欲しい時にヒットできないのです。


3rdを弾き分けられると、コードの響きをコントロールしている実感が湧くでしょう。

ルートや5thをしっかりマークできると、コード進行を表現できている感覚が持てるでしょう。
​


最初は難しいかもしれません。

自分がメジャーが欲しいと思った瞬間にメジャー3rdを、マイナーが欲しいと思った瞬間にマイナー3rdをヒットできるように指に仕込みましょう。

つまり一つのラインを弾いている最中に、3rdをどちらでも使えるようにするのです。
​

これがとても大切な練習です。

​メジャーの響きが欲しければ、ここをヒットすればいいんだなという感じを掴むのです。

逆にマイナーにしたければここをヒットしなきゃいけないんだなと…

知るだけでなく実際に弾いて感じてみましょう。

そのためにはシンプルなベースだけのバッキングが適切なんですね。


​ちょっとここで確認したいのですが…


CAGEDシステムは必須
​

ギターのコードトーンをマスターしたいのであれば、CAGEDシステムです。

CAGEDシステムシリーズの記事を是非参考にして下さい。

どこにどの音、コードがあるのかを極めるだけでなく、各種ヴォイシングについての深い理解を得る事となります。

CAGEDシステムをもう知っている、という人にもお勧めです。

CAGEDシステム予告編 http://t.co/sue9RvYkC3 via @guitarsolotips pic.twitter.com/qj1hSNb4tp

— hitoshi kawai (@good12note) 2015, 9月 1


7. トライアドをインターヴァルに分解

​複雑化する必要はない、と思うかもしれませんが…

もしくは単純化する必要はない、思うかもしれません。

見えるはずが見えていないのであれば、聴こえているはずが聴こえていないのであれば、分解するしかありません。

トライアドの3音を塊として弾くのは一つのやり方です。


そしてインターヴァルも一つのやり方です。

3音のうち2音だけを弾くのです。

常に3音弾くというわけではありません。


インターヴァルに分解し、往復するのは簡単かもしれません。

しかし、上下セットとしない視点を持っていますか?


​それで敢えて分けてリストアップしました。

そうなると意外に難しくなります。


上下セットとしない、どちらか一方となると実はすぐに反応できません。

一緒に捉え、上下するのは肉体的にも視覚的にもマスターしやすいです。

ですが、インターヴァルの音の感じを掴めないまま、弾けていると誤解してしまいがちです。


12のパターンは全て独立した素材として使えます。

トライアドでも、インターヴァルにすれば12のアイデアとなります。

それらをいつでも欲しい時に出せるようにしましょう。


上昇

  1. ルートから3rd=メジャー3rd
  2. ルートから5th=P5th
  3. 3rdから5th=マイナー3rd
  4. 3rdからルート=b6th、+5th
  5. 5thからルート=P4th
  6. 5thから3rd=6th

下降

  1. ​​ルートから5th=P4th
  2. ルートから3rd=b6th、+5th
  3. 5thからルート=P5th
  4. 5thから3rd=マイナー3rd
  5. 3rdからルート=メジャー3rd
  6. 3rdから5th=6th


8. トライアドの中の1音だけでしばらく遊ぶ事の重要さを知る

これはウエス モンゴメリーから学びました。

1音だけでしばらく弾いていると、その音が印象づけられます。

「この音、よく聴いとけよ」

とやっておくと、次に弾く音が非常に効果的になるのです。

1音はメロディの上下の動きがなく、静止した状態です。

リスナーの耳がいったんニュートラルにされます。


それから低い音域から一気にアルペジオで駆け上がると、ちょうどバスケットボールでフェイントをかけられたような錯覚に陥ります。


弾くのが困難な、ワイドインターバルのフレーズに関心を奪われがちではありませんか?

しかし仕掛ける側としては、伏線を準備しておく周到さが実は重要なのです。


もう一つはリズミックなアイデアを露骨に使えます。

1音だからこそ、リスナーはリズミックな動きに集中できるのです。

2音、3音と増えていくごとに集中するのが難しくなります。

リズムで遊ぶ時は、少ない音でやった方があからさまに聴かせられるのです。


こういった事に常に価値をおいていくと、少ない音で表現するのに長けていくでしょう。

「いかに効果的に聴かせられるか?」を課題にするといいですよ。

そのマスターである、ウエス モンゴメリーの演奏に知恵深さ、慈愛、謙遜を感じます。

僕にとってはオクターブなんてどうでもよくて、フレージングの明瞭さや聴かせ方のテクニックに心を奪われます。


価値観の問題でもある
​

僕なりの意見を書きましたが、これは価値観の現れでもあります。

共感出来ない人もいるでしょう。


感じるフィーリングを伝えたくて、伝わるように弾きたいと思っています。


そうすると、ムダな音をどれだけ削除するか?に焦点が向きます。

なぜなら如何に効果的に伝えられるか?と思うからです。

キラーリックの応酬で圧倒するのではなく、脈絡を考えるようになりました。

コピーしたリックを少し変形させて、それをペーストするアドリブでは、文脈が不自然になりがちです。

オーガニックにソロを発展させたければ、簡単なアイデアやモチーフを展開させていく事が自然です。


多分、このサイトに来られているあなたも似た価値観を持っておられると思います。


もしくは、「アドリブ=仕込んだリックを披露する場」「上手いアドリブ=凄いリックをどれだけ沢山ストックしているか」という意見に疑問を抱いておられるかもしれません。


あるいはセッションなどで、すごく弾きまくっている人を見かけたとします。

第一印象は「うわぁ、凄い上手い」とビビります。

しかし何度か観るうちに慣れてきます。そして…

「すごい上手いけど、リックを継ぎはぎしているだけじゃない?やっぱりああいう風にやらないとウケないのかな…」

​と、本質を追求する事に不安を抱いているかもしれません。

僕もその気持ちはよく分かります。

​
コミュニケーションの本質である、聴く事、相手に反応する事に興味がない、価値を置かない人は多分このサイトには来ないでしょう。


最初は素直に楽しめる事をやっていればいいと思います。

でも、壁にぶち当たったり、疑問が湧いて来たら、これまで何気なく発してきた音について考える時が来たのでしょう。

その第一歩がコードトーンの勉強と言えます。

​
まずは最小限度の音でどこまで遊べるか?というテーマで練習するといいですよ。

ゆっくりだろうが、リズミカルだろうが、音が飛んでいようが、フレイジングをしっかり意識しましょう。

ここが大切です。

音をたった3音に削って(ペンタトニックはそれでも5音もある)なんとか音楽的に表現しようとなると、1音の重みを叩き付けられます。

これまでおろそかにしていた事が浮き彫りにされます。

ダイナミクス、リズミックなアイデアや音の伸ばし方、切り方、音色などに気をつけるほどによくなっていきますよ。


おわりに
​

最後まで読んで下さってありがとうございました。

こういうトピックを求めてこられたあなたはマニアックな方だと思います。

このサイトは深く掘り下げたいという人向けに、記事を作成しています。
​

時間をかけて一生懸命記事を作成していますので、新しい記事のご連絡はメールで配信しています。

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お好きなものをダウンロードできます、是非ご活用下さい。

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11 コメント
石田富行
2/4/2016 10:27:44 am

大変参考になりました。これこそ、目からウロコですね。もっと深くあなたの教えを知りたいと思います。よろしくお願いします。

返信
ひとし
2/5/2016 10:03:02 pm

石田さん、温かいコメントを本当に感謝します。是非ご活用ください。僕もお役に立てるよう、がんばって書きます。これからよろしくお願いします。

返信
yamamoto
5/12/2016 07:59:05 pm

4番目インヴァージョンの考え方が5番目の三角形の考え方と違うのはインヴァージョンの考え方がインターバルの考え方(ミクロ)で、三角形がフレージング(マクロ)の考え方としても良いのでしょうか

返信
ひとし
5/12/2016 08:58:55 pm

yamamotoさん、コメントを感謝します。

そうなんです!三角形というイメージ化で、フレージングにより意識が払われると思うんです。

スケール、インターヴァル、コードトーンといった音使い的な視点ばかりですと、表現が縮こまってしまうかと。

僕は細かい音使いを学んだら、あとはイメージに変換していく作業が大切だと思います。

すごいです、するどいご指摘で緊張してしまいました(汗)


返信
yamamoto
5/19/2016 10:17:39 pm

なるほど!音使いからイメージですか!
そうですよね
よく考えたら素敵な演奏が音使いだけ気にしてできているとは考えにくいですよね(笑)
ちょっと頭が凝り固まってました(笑)
こちらこそご指摘ありがとうございます

佐々木
7/5/2016 06:00:09 am

とても勉強になります。四音のパターンが36という理由をもう少し教えて頂けませんでしょうか。24になってしまいます。宜しくお願い致します。

返信
ひとし
7/6/2016 05:49:11 am

佐々木さん、コメントして下さりありがとうございました (^^)

実は、僕は36だと思っていたのですが、ご指摘を頂いて考え直したら違っていました(汗)

4音とはトライアドの音で4回弾くという意味です。R35の行き方が、まずRを最も低い音として始めると R35 とR53があります。
図の一番最初のパターンです。
これにもう一音加えるという事は、R35R R353 という弾き方となります。そして、R53の場合は、R53R と R535になります。
1つの三角形につき、4パターンとなるので=4×9=36という説明でした。

ところが、それでは甘かったです。
4音使えると、 R3R5 R5R3も弾けるという事を見落としていました。

それで6×9=54パターンとなります。

こんなにあるんですね…

トライアドだけだとアイデアがすぐに尽きてしまうのですが、こうして挙げてみると出来る事が沢山あることをお伝えしたかったのです。

基本の3音を上手く繰り出せるようになりたいですね。

返信
吉川泰生
12/5/2016 03:49:20 pm

ギター歴だけは長いです。ペンタトニックを使ったブルースならアドリブも弾けると思ってましたが、少しジャズに手を伸ばそうとしたとたんに行き詰りましたw。自分流にコードトーンを練習し始めた時に、こちらのページを知りました。目から鱗の記事ばかりです。ゆっくり時間をかけて読み、色々試してみたいと思います。貴重な内容ですね。

返信
ひとし
12/5/2016 05:41:56 pm

吉川泰生さん、温かいコメントをありがとうございます。

とても励まされました。

コードトーンを学ぶ事はとても大切です。

スケールを学ぶよりもコードトーンをしっかり練習されるといいですよ。

細かいコードチェンジに対応するにも、アウトフレーズを弾くにもやはりコードトーンをピンポイントでマークする必要があるからです。

このブログはとりわけ吉川さんのような方に向けて書いています。

ですのでもしよろしければ、困っている事を教えて下さい。

一生懸命記事を作成しているものの、何が役立つのかを想像しながらではいけませんので…

コメント欄ではなく、メールで送信して下さい。

返信
コボちゃん
4/11/2017 05:03:24 pm

kawaiさんのおっしゃっている「ムダな音をどれだけそぎ落とせるか」「できるかぎり音数を減らしてシンプルにすることで1音の価値を上げる」という内容にとても納得できます。

私の場合、バラバラに仕込んだリックを繋ぎ合わせることがカッコいいアドリブを弾くコツだと思っていましたが、結局どうしても脈絡のない、つぎはぎのアドリブになってしまい、壁にぶち当たっていました。

コードトーンを使い、R35の組み合わせによるシンプルなフレーズを弾くことによって、そのバリエーション、リズム、音の伸ばし方、休符の入れ方、などなど大事な部分がクローズアップされてきます。これらに意識を置くことで、より印象的なアドリブができるようになるのだと思い始めています(正直まだ不安もありますが)。

早速これらを意識しながら練習にいそしみます。

返信
ひとし
4/11/2017 08:00:12 pm

コボちゃんさん、コメントありがとうございました!
共感してくださりとっても嬉しいです(^^)

僕も音数=情報量が多いのが弾ける事だと思っていました。
ところが断捨離、シンプルライフに興味を持ち始めて、ものを厳選する意味を知りました。

厳選する基準に人それぞれの価値観が現れます。
そして残ったものはその人自身を表します。

これが音にも当てはまるかどうかは、人それぞれ意見が分かれるかもしれません。
僕にとっては腑に落ちるアイデアでした。

ものや情報が飽和状態なので、いかにそこから厳選するか?にセンスとかテクニックが問われると感じています。

でも見た目は地味になるので、初心者たちからすごいとか思われなくなるでしょう。

ただ、難解なテクニックなどは、これから先も少しずつ仕込んでいけますしね。

いわゆる見た感じ弾けると言うのでは、コボちゃんご自身のリスナーとしてのレベルが満足できなくなってしまったわけですね。

すごく真っ当な道を進まれていると僕は思います。

頑張ってくださいね!僕も精進します。


返信

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